日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

折れない心 著:中村天風   模倣犯(下巻) 著:宮部みゆき

2022-06-18 01:57:43 | 読書

 

文庫は5巻までは確実にあるのですね。(図書館で確認してきましたが👌)

ハードカバー製本は上下巻とも700ページを超える上下段で、小さな字で読むのに苦労しました💦 しかも内容が内容なだけに… 見ず知らずの女性を殺害する、しかも…とても書けない💦 ここに描かれた犯罪者・誘拐犯の一部は最近、愉快犯ともいわれるようになったことは耳にしていたものの…。感想を書こうにも、上手く言葉に出来そうもないです。犯人側に立って描く場面は特に、苦しかっただろうな、宮部みゆきさん…と、何度も思ってしまいました。児童虐待などのニュースを耳にするだけでも嫌なので。昨年読んだドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を思い出しましたが、あちらの方がずっと「納得」できます。 本当に犯罪に手を染めた訳ではないのに、「思う」だけで苦しむのとは、訳が違う「模倣犯」

 例えば、宮部みゆきさんは、作中の中で、次のように語っています;

「人は誰でも、自分の幻想という小さな王国のなかでは、ちっぽけな👑王冠をかぶり王座に座っている。そういう部分があること自体は、けっして邪悪でもなければ罪深くもない。」 (167ページ上段 17行目~20行目)

 

 カラマーゾフの兄弟こそ、ここがテーマの1つでした。罪深くもない部分にスポットを当て、深堀して描く~そう感じました。

 

「むしろ、軋轢(あつれき)の多い現実世界を生き抜いてゆくためには、なくてはならないことなのだ。」(21行目)

確かにその通りです👌 子供の頃、悪人は全く出て来ない動物が主人公の童話ばかり書き、中学になるとファンタジーを書き始めたのは、まさに、これが理由だったんだな、と今にして思う自分がいます。

 

「だがしかし、この王座に腰かける王にも、専制君主への憧れはある。(私には全く無かったが💦) それもまた誰でも持っている自然な心の指向性だ。彼もしくは彼女は、早晩外の世界へと目を向ける。領土を広げ、自分の築いた城塞都市の内側に入る国民の数を増やすのだ。ある程度の「練習」を重ね、自分の力量を確かめたくなった時点で、王は出立を決意する。」(同ページ下段 1行目~7行目)

 

しかし、その先は千差万別だ。

ここから先は簡単に書くと、ある人は学者になり、ある人は技術者になり、芸術家になり、よき母親になり… まさに人生いろいろ。人はみな、そうやって生きていくわけですが、どこで犯罪者へと…? 何故あのようなむごいことが出来たのか? (詳細は書きたくありません。人殺しの…)

人は話し合い、共存して協力して生きていこうとするものだけれど、

「時に、強引に国民を増やそうとする王が現れる。そういう王は、実際に法に触れて犯罪者になる場合もあるし、ならない場合もある。だが、どちらの場合でも、破壊的な人間であることに違いはない。」(168ページ上段12行~18行まとめ)

「破壊的な人間は、けっして誰かの国民にはならない。ただ王であるばかりだ。(プーチンのことですね。小説の中の犯人もそうですが)だから孤独である。孤独であるが故に、けっして自分を裏切らず絶対の服従をしてくれる永世国民欲しさに、ある者は物理的に、ある者は精神的に、他者を殺してはばからない。その物理的な玲の極北にいるのが連続殺人者であり…略」(上段ラスト~下段4行)

 

 もっと簡単にいえば、支配する側とされる側。 延長線上に… 殺人。

今日もニュースで我が子を守らず変な女の言いなりになり、我が子を餓死させた母親が懲役5年という報道があったばかり。「模倣犯」でも被害者家族が大勢登場し、彼らの怒りや、「殺してやる!」と激情するシーンも描かれている。最もだ、と思う。「カラマーゾフの兄弟」イワンの意見も分かる!と、昨年の今頃、長々と書いた。 

連続殺人犯の心理など分からないし、理解したくもない。だが、先に抜粋したように、誰もが心に描く自分の小さな幻想=こうありたい、こうなりたい(多くの場合、職業だったり生き方、人生の目標)  一部が 国民にはなれず、王であるばかり。すなわち破壊的な人間=模倣犯  ここが共通点だからこそ、タイトルは『模倣犯』なんだな、と。自分の解釈ですが…。 

 

 約一週間かけて上下巻を読み通し、思考も忙しく、怖く、心臓にも悪く… 読み終えて 正直 ぐったり。 この長編小説を書いた作家の苦労を想うと… お疲れ様でした、といいたいです。2001年初版ですね。大変な作業だっただろうなぁ。 そういえば、宮部さんは、多くのファンタジー作品を世に送り出していますね。ファンタジーからこの作品に辿り着いたことも宿命だったのかなぁ。

 

ほんとうの心の力 著:中村天風 生命の暗号 Something Great 著:村上和雄

 こちらは図書館で予約し、2か月まって順番が回ってきた~ 人気の書です。 

 

28ページには、こう書かれています

「具合が悪いときに具合が悪いといったら、具合がわるいのが治るのかい?

こういうと、痛いときに痛いといって、何が悪いんですか、なんて言う人がいるが、具合が悪いときでも、ああ、俺はなんてついてないんだ、って言ったら運命が良くなるか?言ってよくなるなら、もうどんどん言えばいい。しかし、よくはならない。 

言葉には、その言葉が発せられると、観念を通じてその言葉のとおりの影響が出てしまうという応用、作用力がある。 だから悲観的な言葉を発すれば、悲観的な影響が自分自身に返ってきてしまうのだ。【途中、略】

言葉には人生を左右する力がある。この自覚こそが人生を勝利に導く最良の武器なのだ」(28~29ページから引用)

 

40,50代はもちろん、80歳になっても同じだ、とも書かれてありました。どのページに書かれてあったか、見つけ出せずにいますが… どのページを読んでも、自分自身を見直すよう時間となりました。

この本にも、『気』の大切さ。何かをするには、ながら族ではダメ、気を入れなきゃ~ 積極性の話が登場します。怖しくはこちら→ ほんとうの心の力 著:中村天風 ほんとうの心の力 著:中村天風 本当のことを言うと、英検1級は語彙力が大事なだけに、1万2千とも5千ともいわれる語彙力補強は今更無理だ!と諦めていました。 それこそ『気』が足りない…

 

やるだけ、やる、のみ。 「暇が無いとは 気が無いことよ。 参る気がありゃ、暇はある」小学生の夏休み、祖父母の家に飾ってあったカレンダーに書かれていた。お地蔵さんのイラストと共に。40年以上経った今も忘れられないんだよなぁ。

The only way to have time is to MAKE IT!  頑張るか!

 

(今年89、90冊目)

Comments (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 英検1級 語彙問題 (2) | TOP | 石ころさんとコラボ ☆Yesterd... »

10 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ビオラ)
2022-06-18 02:18:31
今晩は〜。

重い内容の、小説について、感想書くのって、ちょっとしんどいですよね・・・。

私は、今回は、
>言葉には人生を左右する力がある。
↑↑
ここに、とても、反応しました〜!😊

常々・・・、これ・・・、実感として、感じています・・・。

言葉って、すごい力持っています・・・。

人にかける言葉も、良い言葉を、
日頃から、優しさ持って、かけられるような人で、ありたいです〜♪

ティーガーデン
返信する
Unknown (一年生)
2022-06-18 03:33:01
こんばんは

自分は模倣犯の方は内容もあんまり良く知らないのですよ~

なんとなく中居君の不気味な顔が印象的?

テレビで見たのは「ソロモンの偽証」の方です。

中村天風さんの本今でも人気あるのですね~

内容は具体的には覚えて無いのですが

中村天風さん本読んでた頃は何冊も読んだので

今の自分に影響あったのかも?

マイナスイメージのことはあんまり思わない

言葉にしないように習慣付いてるかも?
返信する
Unknown (せしお)
2022-06-18 08:39:13
模倣犯、すずさんでも一週間かかるのなら私は2か月読むのに掛かるかも?(;^_^A

言葉には言霊が有るって良く言いますな。
暇だ・・・
仕事無い・・・
困った・・・
って言ってたらますます仕事来なくなるね。
今日は売れる!明日も売れる!
仕事どんどん来る!って言って置きます。
返信する
文章と言葉の力を感じました。 (fumiel-shima)
2022-06-18 15:45:09
すずさん、こんにちは。

「模倣犯」はかなりの長編のようですね。
今の自分には長すぎてちょっと読む勇気がありませんが、すずさんからカラマーゾフの兄弟との比較のような文言もありましたし、どこをどう比較してカラマーゾフの兄弟の方が納得できるのか?・・などを考えるとやはり私にも関心がありますね。

激情的で熱血漢の長男、知性はあるがちょっと冷たい無神論者の次男イワン、優しい心を持った修道僧の末弟の人間像・・・
「お金」と「欲望」に翻弄される人間を描いた「カラマーゾフの兄弟」と現代社会で同じような欲望や格差社会によって翻弄される現代人たちとの共通点や「本当の自由」「人間の強さや弱さ」「真の幸福」などをカラマーゾフの兄弟と比較したのでしょうか。

「ほんとうの心の力」は私も詠みたいと思っている本です。
言葉に力があることは私も本当にそう思います。
私自身も言葉によって勇気づけられたり、やる気が出たりということは幾度となくありましたし、見えない大きな力があると思います。

全くの偶然ですが私の昨日の記事で千恵子選手のコーナーの「気」を取り上げたのも心の底に感じるものがあったからだと思いますね。
返信する
ビオラさんへ (すず)
2022-06-19 01:40:21
ビオラさん、こんばんは☆
コメントありがとうございます💖

独りで20人以上を理由もなく、いや、何故殺したのか?と被害者家族に問われ、
「理由なんてない。ただ、そうしたいから」
女性を拉致し、すぐには殺さず、いうことを聞けば生きて帰れるかもしれない、という希望を与え、暴力をふるい、言うまでもなくレイプし…写真を撮られ・・・こうした行為を一人ひとりの被害者ごとに詳しく描かれており、おかしな頭の人が読めば、真似するというか、それこそ「模倣」されるのでは?と不安になりました。
それでも、宮部さんとしては、戦後になって特に多い、無差別殺人、特に児童や女性が狙われる事件の犯人像というか、心理を描く必要があると感じたのでしょうね。
読みながら、ほんと辛くなりました。


言葉。。。
人生を左右しますよね。
ほんと、私もそう思います。
半世紀以上に渡り、読まれ続ける筈だなと思いました💖
返信する
一年生さんへ (すず)
2022-06-19 01:59:42
一年生さん、こんばんは。
コメントありがとうございます💖

今、ユーチューブで調べてみると・・・
中居くん主演映画の画像が出てきました。
これは…犯人のイメージピッタリ!
この役は大変だったでしょうね💦
読むだけでも大変だったのに、映像でまでみたくはないです~💦

犯人側、警察側、被害者家族側、それぞれの立場で描かれ、警察側と被害者側から描かれた部分はまだ落ち着いて読めたか・・・
それでも辛いです

ソロモンもテレビドラマになっているんですね。

中村風天さんの著書は大人気ですね!
予約も順番待ちでした~
紹介して頂いて、ほんとありがとうございました👍
返信する
せしおさんへ (すず)
2022-06-19 02:07:49
せしおさん、こんばんは。
コメントありがとうございます💖

なんかですねぇ。
殺人に至るまでの描写が詳しすぎて、途中で何度も本を置いて、深呼吸~が必要でした。

分厚さ、長編、内容が重い、重すぎる!
深夜まで読んで、そのまま寝たら、怖い夢をみました😨

日本は言霊の国ですものね。
よく 縁起でもない、と悪いことは言わない、考えない習慣がありますよね。
ただ、海外の企業と契約するときは、しっかりしないと騙されるけど・・・

私は出来る、私はやる、とにかくやるのだ~って思いながら単語覚えようとしてる今日この頃です💦

お仕事、必ずきます👍 
返信する
fumiel-shimaさんへ (すず)
2022-06-19 02:31:08
一年前にカラマーゾフの兄弟の感想を数回にわたり書いた際は、
「ダイジェスト版(インターネット)を読んだうえでの感想」だとご自分で仰っていましたが、その後、実際に読まれましたか?

未完で終わりましたが、末っ子のミーシャは優しいだけでは終わらなかったと思いますね。
ロシア皇帝暗殺の実行犯となっていく子供たちを生む「さきがけ」的存在になるような暗示がありましたし。

カラマーゾフの兄弟は、誰も殺人をしていません。
一方、模倣犯の方は、一人で20人殺しています。

カラマーゾフの兄弟は、特に次男のイワンは父と折り合いが上手くいっていなかった。いっそ、あの世へ逝ってくれたらよいと、「心の中で思うこと」で、(別の人が実際に殺したのに)
それは、自分の心が招いた殺人では?と悩み苦しみ、幻覚・幻聴…などに苦しむ。
父を憎む理由もあったし、自分の父親が、この人ならどうだろう?と理解もする。

模倣犯は、たまたま歩いていた女性に声を掛け、(若くて綺麗な人を選んではいるが)誘拐し、いたぶって、生きて帰れると希望を持たせ、家族のことを聞き出し、苦しめるだけ苦しめて殺す。
一方、カラマーゾフの兄弟は、どうしようもない父に悩まされ、殺す理由ならいくらでもある(言葉が悪いですが)

模倣犯に殺された女性たちには、落ち度など ない。殺される理由もない。 イワンの父にはあった。

イワンは殺していない。死ねばいいのに、と思っただけ。実際に他人に殺され、自分のせいだと苦しむ。


例えば、宮部みゆきさんは、作中の中で、次のように語っています;

「人は誰でも、自分の幻想という小さな王国のなかでは、ちっぽけな👑王冠をかぶり王座に座っている。そういう部分があること自体は、けっして邪悪でもなければ罪深くもない。」 (167ページ上段 17行目~20行目)

 イワンは邪悪ではなく、罪深くもない。カラマーゾフの兄弟こそ、ここがテーマの1つでした。罪深くもない部分にスポットを当て、深堀して描く~そう感じました。

 どちらも読んではいない人に 分かってもらおうというのが無理な話ですが。💦


fumiel-shimaさんの質問、

「お金」と「欲望」に翻弄される人間を描いた「カラマーゾフの兄弟」と現代社会で同じような欲望や格差社会によって翻弄される現代人たちとの共通点や「本当の自由」「人間の強さや弱さ」「真の幸福」などをカラマーゾフの兄弟と比較したのでしょうか。


違います。カラマーゾフの兄弟が かねと欲望に翻弄される人々を描いたと思っていない。

模倣犯は、「ただ、殺したいから」という欲望はこれでもか、と描かれますが、「格差社会が招いたこと」とは言っていない、それが原因だと描かれていない。 犯人は金持ちで、金銭的には何不自由なく暮らしていました。
こうした 先入観や決めつけは良くないと思いました。読む前から 決めつけない方が良いというか、長編だから読まない確率が高いでしょうが、一睡もせず朝が近くなり、私の頭も働かず、疲れたのでもう、ここで止めます。
返信する
Unknown (tictac-music)
2022-06-27 00:03:38
読んでいて苦しくなる本ってありますよね💧

フィクションと分かっていても断念した本あります😵

言霊、私もグチばっかり言わないように気をつけます😅
返信する
とみのん先生へ (すず)
2022-06-30 22:44:11
そうなんですよー(´;ω;`)ウッ…
途中、何度か挫折しそうになりました。
内容が内容なだけに…

ぐちってすっきり!というのも、勿論大事かも~?
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 読書