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日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

『さぶ』山本 周五郎/著

2025-07-15 23:40:41 | 読書

 10冊以上、レビューを書いていない状況です…

斎藤先生お勧めの中から、『さぶ』を予約して、あっという間に読み終えて… これは必読の書❣ 

山本 周五郎さんの著書は初めてでしたが、他の作品も是非読んでみたいです。

主人公は、さぶ、ではないのですが、この本のタイトルとなった、さぶは、何処までも純粋に、ひたむきに、ただ、人のために動く人。 自分のことより友人って… ラストが特に印象的でした。

主人公も誰を信じていいのか分からなくなり、ふてくされて、年長者の話に耳を傾けられるようになった、成長したなぁと自身も思うのですが… 

書けないラスト… 是非、本編でお読み下さい。

 

今日、読み終えたのは、『麦の道』著者は、旅行記(エッセイ)で有名な、椎名誠さん。

暴力事件ばかりが描写され、正直、読み進めながら、「もう、いいよ」と呟く自分… 柔道部のシーンは面白かったのですが… これまでに読んだ椎名誠さんの他の小説はどれも面白かったので、ちょっと拍子抜け。斎藤先生が推薦したからには、大きな理由がありそうですが… 暴力をふるう、中学、高校の番長グループとの確執… そういった類のものに興味がある方、どうぞ。 できれば、感想も聞きたいなぁと思う😢

 

もう1冊、学園ものを… 山田 詠美/著 『僕は勉強ができない』

最初の方は、「自分が好きなタイプの小説じゃないかも…」と思いながら読み、徐々に 「いまどきの」学生… いや、もっと昔の平成の頃の学生さん達もかなぁ… 代弁しているというか、

「男性/女性陣! 一部の女子/男子はよ~く分かっているようだ!お見通し…ぐふふ」

と、思ってしまう。たとえば女子が「自然体を演出」しているとか… そうなのか⁉ と同性の自分も仰天! 全体を通し、世代間で意見が分かれそうな気もしましたが、自分以外の世代だったり、異性の観察力を思い知るには楽しめる本でした。こちらも斎藤先生のお勧めの書👍

 

最後に、若者に読んで欲しい著書を上げて、今回は終わりにします。

吉野 源三郎/著 『君たちはどう生きるか』

10代の若者へ向けて書かれた著書、ではあるのですが、年齢関係なく、長い歴史の中で生きる自分、へと意識を向けるには、これ以上にない良書です。自分の読書体験は、間違ってはいなかった、と確認して本を閉じました。

本日はここまで~🖊

 

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辺見庸 『もの食う人びと』

2025-07-03 00:49:05 | 読書

 1992年から94年にかけて、ジャーナリストの辺見氏がご自身の目で見て、現地の人びとと共に同じものを食べて五感で感じたルポルタージュです。行先は、例えば、チェルノブイリ原発事故後のウクライナ、食べたものは原発で汚染された野菜や水で作られたスープ、国際支援団体から配布された食料は孫に送り、老人らは食べない。「どうせ先が長いのだから」と自爆気味なのが、どこか自分にも通じるところがあり…(父が呆気なく亡くなって以来、「どうせ死ねば終わりだから」と、持ち物に、これまで以上に拘らなくなった。自分の作品に対してまでも…)

 筆者が最初に訪れたのは、自分にとっても馴染があるバングラデシュ。結婚披露宴が終わると、残飯業者が「食べ残し」を買い取る。それを安値で貧しい人々に売る。筆者が最初に口にしたのも、人がかじった後がある鶏肉の骨…を食べようとしていた矢先、「ストーーーっプ! その肉には人が噛みついた後があるだろう。」と現地の人に教えられるという、衝撃シーンから始まった! かつて、シェアメイトにバングラデシュの友がいて、その関係で複数の人達と親しくしていた自分には特に、興味を引く始まり方だった。

 ワールドビジョン オブ オーストラリアで、チャイルドスポンサーもしていた。社会学を専攻する大学院生だった頃、自分も仕事をしながら学生もやるという、月に1日しか完全休暇がない多忙さだった。1日1ドル、一か月で30ドルの支援。ペットボトルの水、1本分。これなら自分にも無理なく出来る! そう思った。「バングラのお子さんを希望」と述べると、願い通り、当時、8歳のジュエルくんを紹介された。 これで彼が飲み食い、学校へ通えるという。 だが、周囲は賛否両論あり、オーストラリア人の女性は、「貴方が払う月々の30ドルは、支援団体員の給料になるだけ」 また、韓国人は、「税金が安くなるから始めた? 自分もやろう!」と言う人まで登場し、彼らは数か月で無責任に辞めた。期待したほど税金が安くならなかった、とかで。 賛成してくれたのは、シェアメイトと同じ国出身の友人たち。 文通がしたかった自分は、英語で手紙を書き、それをバングラ語に訳してもらい、あの、独特の文字を真似て、清書し、ワールドビジョンへ送った。 2通に1通は返事が本人から来た。時々、「これは、彼の字じゃないね。恐らく職員か、親だろう…」(両親がいるのか、など、個人的な情報は殆ど知らされていなかったが…) 

私の話を聴いた、職場のボスは、「それは素晴らしいことだ! 一日一ドルか、よし、冷蔵庫から水を取ってきて、飲んでいいぞ! プレゼントだ!」と後押ししてくれた。4年間、継続していたが、一時帰国することとなり、バングラの友が自分に代わって納めてくれた。 自分がオーストラリアにいたのも、1990年代。 このルポが書かれたのも、同じ頃。感情移入しない訳がない。読み進むにつれ、報道されないことがどれだけ多いのか⁉ 例えば、ソマリア。 筆者が到着した日の数時間前に米兵4人が現地の人に殺され、肉片となり、それを見せつけられ… 爆撃が続く。 マルで今のウクライナやガザ地区だ。だが、当時の自分は湾岸戦争以外、知らずにいた。 ここまで酷い状況だとは知らなかった。湾岸戦争どころじゃなかったのかもしれないと、今更知った。中東には石油がある。ソマリアには…ということなのか…分からない。結局、化学兵器も見つからなかったではないか! 「こうあるべき」という結論があり、そこに当てはまらない「事実」はニュースとして取り上げられず、報道もされないのか… 少しでもメディア論をかじっていれば、誰でも分かっていることだが、ここまでとは… この著書と出逢わなければ、知らなかったことが殆どであった。同時代を生きて来た人間であるのに! 

旧ユーゴスラビアのセルビア人による爆撃。どの家にも糾弾が数え切れぬ数、打ち込まれていたり。修道院で、食事にありつけるまでに3時間もの祈り… 「君らの宗教は戦争を止められない。何も救わない!」「たまには美味しい肉や女が欲しいとは思わないのか?」と、やけっぱちに尋ねると、何処にでもいる若者の顔になった、など、著者と修道院僧のやり取りを読んでいて、タブーな宗教に 敢えて触れたとき、大げんかになった実体験と重なったりした。 ただ、自分の場合は安全な国で 安全に暮らしている者同士が会話していたのであって、食うに困る、明日さえ分からないような状況下に居たわけではなく、切羽詰まったものは無かったが。

同じくアフリカの、とある村。本は手元にはなく、村の名前を覚えていないが、200人、2000人と、エイズ感染者が増えていき、その村の半数が感染者という。当時はまだ治療法もなく、感染すれば発症し、死を待つだけ… 両親をエイズで亡くした子供たちが、あちらにも、こちらにも。未婚で赤ちゃんを抱えた少女も。何も、ふしだらだから、ではなく、男性優位社会だから。この一行だけで哀しくなった。活字を追うだけの自分でさえそうだから、目の前で少女たちに会った筆者は尚更だろう。案内人が言った、一言が忘れられない。

「嘆くだけなら、誰にだって出来る。 今から施しを…」

こうして筆者は案内人と共に食べ物を手にし、 集まってきた女性や子供たちへ… 手渡す際、まるで救済者であるかのように 涙を流して拝まれたという。「偽善者だ」 だが、そうするより他に出来ることはなく、食べ物を与える偽修道院のようなことをしてきたという筆者の気持ちも… あぁ、そういえば、自分も、戦時下ではないけれど、アエタ族のコミュニティーで、給食ボランティアをしたな… たったの1日だけ…と、思い出したりした。枯れ木の枯れ枝のように 死を待つだけの少女の写真は… 衝撃的すぎて… 写真一枚だけで あぁ、自分も偽善者なんだよな、これまで何をしても。何もしなくても。 他に言葉がない。

自分が最初にフィリピンへ行こうとした1991年…だったと思う、ピナツボ火山が爆発した。そこで暮らす、アエタ族は、山を下り、文化に触れた。村長はインスタントコーヒーの味を覚えてファンになったという。そのアエタ族のコミュニティーを実際に23年という時を経て、訪問することになろうとは… ピナツボ火山の噴火で、また、選挙で物騒になっていたため、「今は、来ない方がいい」と現地の友人に止められ、予定を中止した、あの日から23年後… スタディツアーで訪れることになるとは… 当時は夢にも思わなかった。アエタ族の家庭にホームスティし、家族と同じものを食べた。訪問初日は、レストランで出た水にも(氷が入っていたから)手をつけなかったし、歯磨きもお湯を沸かして、冷ましてからうがいをしたくらい、念入りだった。 スラム街では、とうとう怪しい露店の食べ物を勧められ、お腹が心配だったが、勇気を出して口にしたっけ…。 運よく、お腹を下すことなく無事に帰国の途に着いた。 だから。 汚染水で作られたスープも飲んでしまう筆者には頭が下がる。 タイトル、もの食う人びと、 筆者も食らう、戦時下では宗教もへったくれもない。食べるものがない、食べられないということが、どういうことか。 朝ドラ、あんぱん、でも描かれたが、この著書を読むと… そんなに遠くではない90年代に… そして今も世界には食べられない人が大勢いる… 何とも言えない気持ちになる。 飽食時代と言われる国も存在している一方で… ただ、最近、日本も現状が悪化してきた。 自分の家庭の食卓でも、それは感じる。

この著書は、斎藤先生が「読むべき本」としてリストアップされていた中にあった。ただの体験記ではなく、報道の空白、倫理のグレーゾーン、そして「生きるとは、食べるとは」という本質的な問いを突きつけてくる。学生のみならず、どの世代にも読んで欲しい。話はそれから… です。

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鶴見和子と水俣 杉本 星子/編

2025-06-19 02:14:28 | 読書

 鶴見和子さんの甥っ子が、先にご紹介させて頂いた、 こちらとこちらの著者なのです!関連図書で見つけ、水俣出身の自分なので、この機会に目を通してみました。

民俗学、歴史学、環境科学など、あらゆる分野の専門家が 鶴見和子さんが残した多くの所蔵コレクションから、社会学者、鶴見和子氏紐解いていく、「水俣との出会いが、どのように『内発的共生へと繋がっていったのか」そのような論文が多かったです。 勿論、水俣病との関係性や、「言葉ではなく、魂で」水俣病患者と接して欲しいと言う地元からの要請に応えようとする鶴見さんの姿が、ここに収められた論文から感じ取れました。和子さんの甥である、鶴見太郎さんの論文も掲載されていました。

 最も印象に残ったのは、水銀を垂れ流しにし続けたチッソ工場が、何が原因かを誤魔化すために、風土病でもないのに、「水俣病」として世間に広がることを推奨したことでした‥‥

 観光バスが水俣を通り抜ける際、バスガイドが「窓を閉めて下さい」と言っていたというのは、過去の話かと思ったら… つい最近もありましたね。ハイジが登場するCMで有名な塾が、テキストに 「水俣病は遺伝する」と記載していたとか…⁉ まだ…この程度の認識…? 怒りを通り越して飽きれ果ててしまいました… 

 学生時代、大学3年の時でしたが、自分も水俣市で開催された国際フォーラム(シンポジウムだったかなぁ…記憶が…)に祖父と二人でお邪魔したことがありました。

 カリフォルニアから来られたパネリストの方に、休憩時間に話しかけると、なんと祖父は、大学教授と間違えられました! 国際会議の後に開かれる立食パーティーへ誘って頂いたのですが、関係者でもスタッフでもないので遠慮しました… 今になって後悔…💦

 あれから30年以上の月日が流れ… 今も解決しないまま… 水俣の海だけはタツノオトシゴも戻って来て、地元民の皆様の努力で蘇ったようです。地元の方々の「内発的共生」そのものの結晶なのではないでしょうか。回復する自然と、記憶を語り継ごうとする人の力が、ようやく静かに寄り添い合ったのだと感じました。

 パネリストのお一人だった、原田先生が、「水俣出身の社会学者が出てきて欲しい」と壇上で仰った時、「自分がなる!」と心の中で想ったのでした… 大学卒業したあと、ワーホリ→出稼ぎ目的で帰国→再渡豪→M.A. in Sociology, Communication and Cultural Studies. 取得、ここまでは良かったのですが… 大不況の日本に専門を生かせる仕事はなく、それでは自分で仕事は作ろうと恩師に相談→ 市内の小学校に School Social Worker 初設置(海外の学校には最低一人、スクールソーシャルワーカーを配置していると自分が説明)→ 応募用紙は送れない、と言われ断念。(理由は分からず…1つだけ、小学校の若手教師に、社会福祉士の資格を取って貰おう!と、恩師が自分に話していたので、海外の学位じゃダメなのね、と言い聞かせ… 裏切り行為に当時は思えましたが… 4年間の介護士としての経験のあと、介護福祉士受験資格を得たので受験&合格→ 社会福祉士の方は、施設閉鎖を機に、通信講座受講→ 社会福祉士国家試験を受験、一発合格。ここから先は省略しますが、東日本大震災の2か月前に書き上げた著作「ゆうちゃんとスズメのピピ」のテーマが、まさしく共生、です。人も動物も自然界のスズメも共に生きる存在… 物書きの趣味が…社会学者では勿論ないけれど、鶴見さんの思想に通じる著作を残せたことは、自分も生きた証のように感じられます。 いつどうなるか分からないだけに… 何かを残して生き/逝きたいですものね。

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『イスラエルの起源』ロシア・ユダヤ人が作った国 著:鶴見太郎

2025-06-15 03:21:43 | 読書

 

 参考文献として、先に読んだこちらの本が出てきますし、『イスラエルの起源』は、学術書を一般向けに易しく(といっても難しい。文体ではなく、複雑な内容そのものが💦)書かれたものです。

 華僑のように、ユダヤ人もまた、世界各国に散らばっていますが、華僑には中国と言う祖国があり、ユダヤ人にはなかった。しかし、パレスチナに入植し、国家(祖国)を持つことを最終目標としてはいない、一部は入植するとしても、議論を交わすシオニストたちは、あくまで、自分の居住地に留まり続け、その社会をユダヤ人が住みよい国にしていこうという意思が強く感じられました。極東シベリアで暮らしていたユダヤ人と日本人も関わりを持っていたのですね。

 問題の難しさは、著書の中で紹介された、数多くのユダヤ人の人生一つを例に挙げても分かります。自分だって若い頃と今では、考えが変わってきたりするのですから…

 とりわけパスマルク。ロシア政府側が支援する白軍に賛同することで、シオニスト・リストからも除外されるのですが、それでもシオニストとしての考えはそのままに、ユダヤ人の発展を目的に政府に働きかけます。あくまでロシアの中でのユダヤ人の地位向上のために動いても、目に見える活動から(反ユダヤ主義者が暴動→ポグロムと呼ばれている… を起こしても十分に鎮圧しようとしない政府)同じユダヤ人に誤解され、歴史から抹殺されてしまった。

 鶴見太郎さんは、そんな人物も掘り起こし、その人の文献と一緒に紹介しています。興味があれば、著書をそれぞれ確認して頂ければよいのですが、ここでは、ロシア人が作ったイスラエル、ということで、19世紀末、最もユダヤ人、人口が多かったロシア・シオニストの目標、目的を分かりやすく述べた箇所を引用します;142ページ3行目~

 「まず、ユダヤ人を「宗教団体」ではなく、(途中略)「民族」として捉え、その根拠地をパレスチナに求めた点は、他のシオニズムと共通している。

 第一に、ロシア・シオニストが、ロシア帝国の枠組みを前提にしていたことである。

ロシア・シオニストは、帝国の中で「民族」が政治的に重要な単位になりつつあると見ていた。確かにポーランド人、ウクライナ人のナショナリズムは加速しており、(略)ユダヤ人も「民族」として承認されることで地位を上げようとした。つまり、法的にも差別されていた状態を脱し、「ロシア民族」等と同様の処遇を得て、それによってユダヤ人の衰退を防ごうとしたのである。

(略)ユダヤ人も他の民族と同様に、発祥の地に確固とした拠点を持つ民族であることを示し、ユダヤ人自身もそのことに誇りを持てるようにするためのものだった。

 

 第二の特徴は、ユダヤ人の民族性を強調する一方で、その根拠はあくまでもパレスチナという土地のみに求め、民族の内容については固定的に捉えずに、むしろあえて何も論じなかった。

 例えば何か定形のユダヤ文化の保存・発展に努めるのではなく、いかなる形の文化であっても、他民族の影響を受けずに、ユダヤ人が主体的に作り続けることが重要だと考えたのだ」ここまで大まかな引用(142ページ3行目~143ページ2行目)

 日本は食べ物から文化・政治まで他民族の影響を受けて発展してきた国で、それが当たり前だから、他民族の影響を受けずに、というのは無理でしょ!と思ってしまうのですが、ユダヤ人の場合は、19世紀末、多民族国家の中で暮らすロシア人的な側面と、ユダヤ的な側面の両方が個人を悩ます原因となっていく、どちらの比重が大きくなるかは、政治や暴動に左右され、次第にユダヤ的側面が強くなっていった人が多かったのですね。

 ユダヤ人の民族としてのアイデンティティ形成が、ロシア帝国内の政治的変化や迫害に影響を受けながら変容していった過程は、シオニズム運動の多様なあり方を考える上で重要だと感じます。

 こうしたことから、ユダヤ人シオニストたちが求めた土地、パレスチナですが… 元々住んでいた人々を追い出して国家を建立するにしては、アラブ人を野蛮人と呼び、地元の人達に対して敬意を払わず、今も尚、あの現状… いきなりイランにまでドローンを飛ばしては爆撃し…

 虐げられた側が、今は差別する側に… 

「地域に溶け込み暮らしてきたユダヤ人は本来大人しく、反ユダヤ主義やポグロムが起きても尚、その土地に溶け込もうと、息を潜めて来た民族だった、が、この生き方では上手くいかない。やられたら、やり返す、は時には貴重。という結論に達した初代イスラエル首相…」というようなことがどこかに書かれていたのですが、ページ数が分からず… いずれにせよ、「やられたら、やり返す」という姿勢がイスラエルの初期指導層で強まったこと、それが現在の中東における紛争と絡み合っているということか…

 歴史は繰り返すというより、過去の抑圧された経験が、後の行動規範に強く影響を与えるという構造が見えてくる気がします。

 この著書を読もう、と思った最初の疑問:なぜ、被害者のユダヤ人が建国したイスラエルが軍事国家に? 背景には、ロシア国内で起きた 反ユダヤ主義やポグロムが起きてもロシア政府は鎮圧しようと積極的ではなかったことが主な要因であるようです。

 しかし今のイスラエルによるアラブ諸国やガサ地区への空爆は、「やられてないのに喧嘩を吹っかけて」いるようにしか見えないのですが。ハマスが…というけれど、そういう組織を生むに至った経緯は、シオニストが生まれた経緯と重なりませんか? 「虐げられた結果」として。

 

 第二次世界大戦後の日本は、国民総ざんげのようで、「もう、二度と戦争はしない!」という決意を胸に👶幼児からお年寄りまで一致団結し、今日まで平和国家を築いてきた… 当たり前のような日本の、この歴史が、世界の歴史を眺めると、決して当たり前ではなく、寧ろ極めて特別なことなのでは? 原爆を落とした国に、賠償は一切求めず、自国の政府に対して訴訟を起こす。 この点は、お隣の国を少し見習って欲しいと思うのは自分だけ… ❓ 

 最後に…戦後日本の「国民総ざんげ」と、その後の平和国家形成は特に世界の中で異例のケースです。こんな国は、歴史上の何処を探しても無い!と思います。ユダヤ人のシオニストは、あれだけ多種多様なのに… 

 歴史の中で抑圧されてきた民族や国家が、どのように未来を構築していくのか? その道筋は多種多様ですが、比較して見るとまた新たな視点が生まれますね。もう一つ、気になったこと。良くも悪くも日本人は一致団結大フィーバーになりやすい点です。⚽ワールドカップやWBCなど⚾日本列島を熱くします。中には一切見ない、と冷めている人もいますが… あの団結力が、戦時中の 子供まで竹やりで戦おうとする、戦後の復興も驚く速さへと繋がったのではないかと感じた自分でした。災害時の助け合いの精神なども、その延長線上にある気がします。

 一方で、イスラエルの現在の状況を見ていると、過去の歴史から積み重なってきた緊張と衝突が、どこか出口の見えない状態になっているようにも感じられます。

 そしてイスラエルは… 日本ではなく日本人でもない… なんだか第三次世界大戦にいずれ繋がっていくのではないかと不安な気持ちは消えません。

 歴史を見ていると、戦争の連鎖を断ち切るには「いかに負の経験を乗り越え、次の世代へ平和の意識を根付かせるか」が重要になりますね。日本が戦後に選んだ平和国家への道が、他国でも可能なのか、という問いがふと浮かびます。

 命のビザを発給した外交官、杉原千畝や、遭難したトルコ漁船を助け、有事の際にトルコ航空が飛行機を飛ばしてくれたという友好的な過去がる日本。イスラム圏にもイスラエルにも。元々中東の信頼が厚い国、日本であることは、豪州時代に知り合った人達との会話で分かっているので、仲介役は🗾こそふさわしい気がします。🤔 経済的・政治的に直接対立する立場にないこともあり、比較的中立な立場を維持しやすいですから。広島サミットで議長だった岸田さんにも期待しましたが… まぁ、難しい国際情勢で、何事も上手く行くとは限りませんが… それでも本来、日本人気質は、こういう役回りが最も適しているのです。 大きな声で、先頭に立ってリーダーシップを発揮するタイプもありますが 日本は歴史的に、対立を煽るよりも、調整役として関係を築いてきた経験が多いですよね。戦後の外交方針もそうですが、文化的な側面でも「間を取り持つ」ことに長けた気質があります。最後に国家としてだけでなく、草の根レベルでも同じことです。希望を述べて終わりにしよう… 🖊

 

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武者小路 実篤 著『友情』 阿岐 有任 著:『紫式部の一人娘』

2025-06-07 19:36:01 | 読書

 まずは、たった今、読み終えたばかりの小説、武者小路 実篤 著『友情』の感想から。

これは、学生時代(中高大学生くらいかなぁ)読んでおきたかった!(苦笑) 恋愛のなんたるかが、よく分かる書! …とはいえ、テーマは友情。主人公、野島の心理状態に、うんうん、頷きながら三角関係を追体験。きっと、大宮は内心、困ったことになったと思っているだろうな、逃げるようにヨーロッパへ行くなんて… などなど。実際にはこういう経験無いにも関わらず、私事のように感じさせる筆力は流石! 武者小路 実篤さんの小説を読むのは今回が初めてという… 『読書力』で取り上げられていなければ、読まずに人生終わっておりました。

これは、まさに恋愛小説のバイブル的存在でしょうね。

 今回はもう一冊、先週、読み終えていながら、ブログ記事にするチャンスを見逃していた著書をざっと紹介。阿岐 有任 著:『紫式部の一人娘』です。まだ、出版されてから一年程です。たまたま図書館内の棚を見て回っていた際、タイトルが目に留まり、借りてみました。だって! 昨年NHKで放送された大河ドラマ! 紫式部ですもん!まひろと道長ロス!

 大石静香さんの『光る君へ』の方は、まひろ(紫式部)が道長の枕元で物語を語って聞かせ、この世に消えそうな命をとどまらせている… そして… 藤原道長の方が、まひろよりも先に逝く…という終わり方でしたが…

 こちらの本では、逆でした。道長が長生きしているのですが、史実はどうなのだろう?

『紫式部の娘』は、母や周囲を観察しながら、生き抜くための術を学んでいきます。母のように宮仕えをし、生きる為には結婚しかない、いや、後ろ盾がない自分は…愛より… いや、 最後は愛情だ… 等々、史実どうこうより、うら若い女性が平安の世でどう生きていくか模索する。現代の就活、婚活、にも通じるものがあるかも⁉

 タイトルは…紫式部の一人娘、ですが、実際には、娘登場前の物語が結構、長かったです。歴史小説だとは思わず、娯楽で読むには良い本だと思います。

 

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【ロシア・シオニズムの想像力 ユダヤ人・帝国・パレスチナ】著:鶴見太郎

2025-06-04 20:12:25 | 読書

世界各国で暮らすユダヤ人は、イスラエル建国以前までは、”ユダヤ人”という人種がありながらも”国家を持たない、自国を持たない、いわゆる根無し草の民”だった訳で…

日本に生まれ、日本と言う祖国(母国)があり、日本語を話すのが当たり前な自分には、想像も理解も遠く及ばないことなのかもしれない。

 

第二次世界大戦中のドイツ、ポーランド等で迫害を受けたユダヤ人、ホロコーストの印象が強い一方で、4~5年前に読んだ著書から、ロシア帝国時代から迫害を受けた周辺諸国の人々、例えば、ウクライナ人、ベラルーシ人、リトアニア人、サラビア人、更にはタタール人等の中央アジア人に至っては、人ですらない野蛮人とみなされ… ドイツのヒトラーは、ウクライナ人にとっては、救世主とすら映った、という、(あくまで、ヨーゼフさんにとっては…)建築家として戦後に活躍したウクライナ人の自伝を読み、ブログ記事として7年前に 紹介したことがある。恐怖のスターリン時代… 

思い出のウクライナーある強制移送の軌跡ー Josef Winkler ヨーゼフ・ヴィンクラー

しかし、19世紀末、トルストイやドストエフスキーが活躍した時代でもありますが… 注目すべきは、ロシア全土の人口比を見ると、ロシア語を話すロシア人は全人口の半分にも満たなかったのですね。ロシア帝国は多民族国家。そしてフランスや大英帝国に後れを取っていた当時のロシアは、どう見ても後進国。 必ずしも、ロシア人が優位にいたという訳ではなかったよう… 革命後のロシアで設立された議会では、ユダヤ人も政党を持っていた、そんな歴史もあったのか… とはいえ、必ずしもうまくは行かず、ロシア国内において、政治に絡む、ユダヤ人としての地位を確立する等、ユダヤ人同士でも、また、シオニズムの中ですら、議論は割れていたようです。(当然ですね)ここを書き出すと終わらない長さなので、興味がある方は著書を当たって下さい。

今回、初めて知ったのは、イスラエル建国以前に、世界中に散らばって暮らすユダヤ人居住地は、ダントツでドイツが一位だろうと思っていたら・・・ 

意外なことに、ドイツはわずか 0.96%。(戦前)1パーセントにも満たない数字だったの!?ってこと。

では、一体、ユダヤ人は何処に居たかというと、帝国ロシアが半数以上!シオニズムと呼ばれるユダヤ人たちが目指したものも、いくつかの派に分れており…

①純粋に、農民として、パレスチナへ入植し、自分の母国を持って暮らしたい、というユダヤ人。

②アフリカでもよい。安住の地が欲しい、というユダヤ人。

③あくまでも、ロシア国内で生きることを選んだユダヤ人たち。

当時のロシアでは、キリスト教に改教すれば、ロシア人として取り扱う。←暮らしの中で何かと便利になる、以前、不可能だったことが可能となり、改教の垣根も低く、キリスト教徒になるユダヤ人が急増! 自分はユダヤ人だ!とあまり意識しないままロシア人が通う教育課程を受ける層もいた。天草の隠れキリシタンと違い、積極的にロシア人になろうとしたユダヤ人も結構多かった点も注目!

著書の中では、医者を目指し、宗教も洗礼もうけず、しかし、ユダヤ人としてユダヤ人アイデンティティを持った家庭で育ち、パレスチナ移住を夢見る女性と出逢ったことで、アイデンティティの葛藤が始まり、社会学を学び始めた男性の自伝を要約したものも記載されていて、興味深かった。

「このままでは、ユダヤ人といっても、中身はロシア人、話す言葉はロシア語、宗教に拘らない、ヘブライ語は全く話せない、そんなユダヤ人が増える…」

豪州で行われた白豪主義や同化政策のように、混血児を産ませ、アボリジニ人そのものを根絶しよう、というオーストラリア政府の取り組みとは、かなり違っていた。どちらかといえば、ユダヤ人自らの選択によるもの。

では、どうしてそうだったのかといえば、ユダヤ人の長い歴史の中で、「ユダヤ人だけは別」「ユダヤ人だけは、他の人種と違う」と虐げられ、忌み嫌われてきた… 

それはキリスト教の中で、ユダヤ人は裏切り者と表記されていることだったり、一番大きいのは、「国土を持たないからだ!」だから、

「我々シオニストは、中心地の創設は、迫害されている者たちのために避難所を設けるという願いだけでなく、全世界による、ユダヤ人のナショナリティの承認への最短の道であり、ユダヤ文化の復活や文字通りに迫害されているユダヤ大衆の進歩のための最良の道と考えている」(147ページ1行目~4行目から抜粋)

 

今日の世界情勢をニュースや新聞(ネットでは殆ど時事情報はキャッチしないが💦)で見聞きするにつれ、1つの疑問がふつふつと湧いてくる。

ロシアによるウクライナ侵攻。イスラエルによるガザ地区の爆撃。一体、いつ終わるのか?

迫害を受け苦しんだユダヤ人が、何故、元々そこの土地で暮らしていたパレスチナ人が、この世から消え去ればよいとでも思っているのか⁉というような仕打ちをするのか。

食料搬入を許さず、やっと許可が下りたと思えば、食料調達のために集まってきたガザの人々めがけて爆撃する... あまりにも非人道的行為!

🗾今の日本で例えるなら、古々米を買うために並んでいたら、空から爆撃された、というようなことをするのか? 食料を求めて集まった人々が、攻撃の的とされる理不尽な状況が許される筈もなく...

 イスラエル、パレスチナ問題は、19世紀まで遡るのか… 現状をより理解するため、少しでも何かヒントになることはないか?そう思い、この著書を手にしました。

 まさか、こんなに分厚くて、文字も小さな論文だと知らず。 図書館員さんから一冊受け取ると、ズシリ!と重かった! ユダヤ、パレスチナ、ロシアの歴史の重さだと感じる!

 この本を手に取るまでは、全く別の場所で、全く違う国によって 違う国の民が苦しめられている、そんな風に映っていたのですが… 

紛争その①ロシア→ウクライナ

紛争その②イスラエル→ガザ地区

↑ 以前の、自分の頭の中…の図 

この著書と出逢い、(図書検索で見つけはしましたが)物事は縦軸、横軸、複雑に混じりあっていて、想像以上に複雑だ、と思い知った。ロシア帝国時代から、ウクライナとユダヤ人は隣人で(ロシア帝国にあって、ロシア人に虐げられたウクライナ人、同時にウクライナ人に虐げられたユダヤ人の姿も。そうかと思えば、ロシア人が打ち出した政策の仲立ちをするお役目がユダヤ人に回ってくることが多く、(例えば農場主や農家、酒税を徴収する仕事をユダヤ人が請け負うことが多かった。そのため憎まれた。)「ロシア人に味方するような形となれば、その他の人種から忌み嫌われる。そうなってはならない、と論じたユダヤ人もいた)

これまでは:

①宗教的要素:ユダヤ教か、キリスト教か、イスラム教か?など

②民族的要素:ユダヤ人か、パレスチナ人、アラブ人か?

折り合いがつかず、争いが絶えない。どれも一神教だから、それぞれ自分が信じるものこそが正しいと信じていては、何処まで行っても平行線。

上記のように簡単に片づけてしまうのではなく、社会科学的にはどうなのか?切り込んだ論文…自分の頭でどの程度、消化出来ているのか… 同じ著者による本も予約中。

以前は宗教的要因、徐々に経済的要因が反ユダヤ主義の原因とされてきたが、それだけでは説明がつかない。

解決策として、ハレヴィー(1905年3月)に次のように述べている。

「我々は、我々の民族が他の民族の間に散らばっていることをやめるように努力しなければならない。数百万のユダヤ人が地上のあらゆる場所に散住して残ることはできようが、ユダヤ人の民族は自らの故郷を持たなければならない」

(147ページ9行~11行から抜粋)

また、居住地による東西の違いもあった。

先に述べた、ロシア人に積極的になろうとする例のように。たとえば、ドイツのオッペンハイマーは次のように述べている。

「西欧ユダヤ人は自らのユダヤ的出自のみを意識し、文化や愛国心という点では西欧人であるという意味で、「系統意識」でのみ、ユダヤ人である。それゆえ、こうしたユダヤ人が東欧の「野蛮さ」は中世のユダヤ文化よりも低俗であるため、強烈な反ユダヤ主義がはびこる東欧の国々でユダヤ人は愛国的になどなれるはずがないからである。必然的に東欧のユダヤ人は「民族意識」を持ってしまっている」 以下、略。(203ページ中央)

これに対して、イデルソンは、大まかには、次のように反論した。

「ロシア・ユダヤ人は、ユダヤ人として凝り固まっている訳ではなく、居住地との精神的つながりを持っていること、ロシアへの帰属意識を持つことと、ユダヤ人であることは両立する」と。

しかし、ロシアで最も進歩的文化人であっても、チェコ人やポーランド人の権利闘争を支持する一方で、ユダヤ人に対しては同化(オーストラリアでもありましたね、同化政策、 Assimilation
) を求める。その原因は、「国を持たない」からだと分析。

その後、オーストラリアでは、多文化共生 マルチカルチャリズムへと移行し、今日に至るのですが、ロシア・ユダヤ人の場合、あくまで、社会的にユダヤ人が認知され、社会で自律出来るようになることが最終目的だった、と締めくくっています。

こうして戦後、念願叶って…とはいえ、パレスチナ人が暮らす場所にイスラエルが建国され、今は、かつて、社会で自律することを願った民が、現地で元々暮らしていた人々を虐げ、追いやっているという目の前の事実…  ベンヤミン・ネタニヤフは… そして多くのユダヤ人は、この現状をどう見ているのだろう?

 

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高円寺純情商店街 著:ねじめ 正一

2025-05-31 02:04:05 | 読書

【読書力】に紹介されていた本の中から、まずは2冊、予約して取り寄せ読んでみたのですが…その内の2冊目です。

 東京に実在する商店街を舞台に、これまた、著者名と同じく、"正一"少年には、乾物屋の息子の一日や、湿気に弱い実情など大変興味深いものがありました。 あまり仕事に熱心ではない、父親や、よく働く祖母と母と正一の4人家族。 粉カツオは正一少年の仕事で、学校へ行く前から当たり前のように仕事しているんですね。それに疑問を持つようになったのは、中学に入学してから。 クラスメイトに配達している姿を見られたくなくて、わざと遠回りになっても人通りが少ない道を選んだり… 分かるなぁ、そういうの、と思ってしまう昭和生まれの昭和育ち。 最近は親と友人のように腕を組んで歩いたり…時代だなーって思います🙄

 親戚の兄ちゃんが恋に落ちれば、相手の女性はあまり好きじゃないけれど、応援したくなる正一青年だったり・・・・彼の両親は猛烈に反対して・・・・ちょっと切ないお話も含む、全体的には ほっこり笑えるストーリーです。

 ちなみに作者は詩人としてスタートし、散文、小説を書き始めたという経歴の持ち主。初の小説で、直木賞受賞作品だなんて、凄すぎ!

 とても読みやすい文体ですから、何方でも気軽に手に取って楽しめますよ👌

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『出家とその弟子』倉田百三

2025-05-25 11:57:57 | 読書

 またまたご無沙汰です。なんか…YouTubeから検索で飛んで来て、過去記事をたんまり読んで行かれる方が急増中…あまりプライベートは明かしたくは無いですが…ここ、秋にはgooの都合ですべての記事が消えますので… 1冊、書籍にして想い出に持っておいてもいいかなぁとも思うのですが、なにせ2007年から始めたブログ! 1つの記事も長いものが多く、いったい、どんだけ~なページ数になるのか… 金額も気になるところです。

 

 ここをお留守にしている間、YouTubeはちょこちょこっと。仕事の後はバイオリンの練習と読書タイムでした。なにせ読んだ本がどれも深くて…このままでは何も書かずに終わってしまいそうなので、取り合えず( ..)φメモメモしておきます。

 

 以前、読書力に紹介されていた著書を2冊、予約(取り寄せ)中、と書きましたが、その内の一冊が、『出家とその弟子』 初めての作家で、なんと若干24歳の時の執筆だというから、驚いたのなんのって! 昔の人は、若い内から人生を悟っているというか、精神年齢が二十歳でも今の80歳以上ではなかろうか…いや、生涯生きても、この域に達する人は、ほぼ僅か(現代なら!)と思いますよ。 ざっと説明すると、親鸞の生涯と弟子について劇の脚本のような形式で書かれた著書です。弟子たちについては作者の創作だそうですが…作者自身の一部分も、これらの弟子達の中に投影しているそうです。

 30代の始め、帰国して一年目でしたが、オーストラリアでイスラム教徒やキリスト教徒、ユダヤ教徒の人達と知り合い、仏教徒も居ました、当然。特にタイ国の人達でしたが… 神道はもちろん、仏教についても一度、勉強してみようと、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗などについて書かれたシリーズ本を図書館で順番に借りて読んだ時期がありました。 最も自分にしっくりきたのは、道元が開いた曹洞宗でして、「ほらほら!自力本願で、掃除、洗濯、料理、日常のことをやる!(掃除をやりだすと没頭して止まらなくなる質ですから…)それこそが修行だよ。道元のいう通りだ!と、勝手に理解し… 31歳の自分は親鸞には、さほど興味は持たず…だったのです... が… 

『出家とその弟子』 人間の本能と、どのように向き合うか? 今ではお坊さんが所帯を持つのは当たり前ですが、そうではなかった時代… おなごにうつつを抜かすなど破門だ!という時代が当然あった訳で… 

 何についても言えることですが、

【誰が決めたか知らないが、『当たり前』『当然だ!』】と言われる世の【常識】に対し、

「いや、そうではない」と意見したりすると…恐ろしいことになるってこと、ありませんか? 殆どの日本人は納得できないけれど黙っていよう、だと思います(ため息) 空気を読んで表向き穏便に済ませるために。(本心はどうであれ)

 それが坊主だと… 坊主も人の子ですし、煩悩と日々葛藤するのは(若いお坊さんは特に?)当然のことで… そういう意味で、親鸞もその弟子、唯円が取った行動に、敢えて「あっぱれ!」と言いたい! 頭がお堅い老僧たちは、「許せぬ! 自分が寺を出ていくか、唯円が出ていくか、いずれかだ!」と、親鸞師匠を訪ね… 「人は皆、悪人だ。悪人ほど許されるべきだ。寺に置いておくべきなのだ。(自分が若い頃を見ているようだ、親鸞、心のつぶやき…)」 

 キリスト教と仏教の融合のようだな、と感じるところが、こういう箇所でしたが… どうぞ、実際に手にとってお読みください❣ 読む価値はとても高い本です。 しかし、文字が小さく、老眼の自分には大変でしたが… 💦 岩波文庫です。

 いやいや~ 冒頭の始まり方から、惹きこまれる内容でした。

行きつけの図書館には所蔵されておらず、市内でも古い図書館からの取り寄せ。

パソコン内蔵カメラで借りた本を撮影したため、ボケてますが…紙質も黄色くなり、時代を感じました。(最近は、ネットから本の表紙はお借りしていたのですが… スクショで💦)

他にも数冊、読み終えていますが、すでに手元にはなく… 簡単な感想は次回に回します。

 

『秒速5センチメートル』著:新海誠 

映画になっているとも知らず、図書館員お勧めコーナーから借りた本です。とても読みやすく、ロマンティックで、胸キュンな内容でした。お互いを思いやる、心の友に 小学生の時に出逢う…いいなぁと思ってしまった!🫣🩷

『出家とその弟子』のように読見応えがある訳ではないけれど、誰が読んでもす~っと入って来る小説というのもいいですね。

 

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【わたしの美しい庭】著:凪良ゆう

2025-05-14 22:46:56 | 読書

 これも季節の花コーナーに置いてありましたので、借りてみました。

初の作家さんですが、【本屋大賞】も別の小説で受賞されているのですね。

 マンションの屋上には、縁切り神社があり、表紙のように、お庭にもなっている、そのマンションで暮らす血のつながりがない統理と、10歳の百音、更にゲイの路有の三人と、更にはマンションの住民…。皆、それぞれに 抱えて生きている。断ち切りたい何か、を断ち切るために、「縁切り神社」へ参拝する人達。 ネタばれになるので、これ以上、内容に触れませんが、パワハラで鬱病、性的マイノリティー、義理の父と娘、失恋したゲイの路有… 一冊の中で取り扱うテーマも広く、それでいて分かりやすく読みやすい作家です。

 自分の文章がまとまらないですが💦

図書館へ行く、と決めてから、すでに5冊、読み終えました。また、読書にはまりそう。

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【ラヴィアンローズ】著:村山由佳

2025-05-11 16:33:53 | 読書

 この本も、季節の花コーナー 図書館員さんお勧めの棚からピックアップしました。🌹

美味しい☕コーヒーの入れ方シリーズは、すべて読み、天使の卵、天使の梯子など、この作家の著書は一時期沢山読んでおりまして… ある時期から不倫話が多くなり、読まなくなったという…

ガーデニングが趣味で、フラワーアレンジメントの講師をするまでになった主婦が主人公。妻を徹底的に管理しようとする夫。 そこへ現れた年下の男性デザイナー…とくれば… はい、不倫です。破滅へ向かう主婦のお話… ぞくっとするサスペンスです… 昔なら、途中で読むのをやめたかもしれないですが、借りた以上、最後まで読もう、と…昨夜、一気読みでした。

もしかしたら… こういう夫… 結構いるかもしれません… 

しかし、夫だけでなく、結局は…というお話でした。?でしょうけれど、この辺で…💦

 

ところでー

【読書力】の記事で、読むべき本をリストアップしましたが、その中から2冊、図書館で予約しました。読むのが楽しみです👌

 

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