日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

15日の金曜日(一昨年、2006年の話です)

2008-01-31 14:07:01 | Weblog

人生最大の不覚・・・だ。

とんでもない失敗をやらかしてしまった。

話は先週水曜日に遡る。

覚えておいでの方も中には いらっしゃるかもしれないが・・・。

水曜日。

大量の定番商品入荷に加え、冷凍食品も早朝から入荷され、荷出しに忙しかった あの日。

そう、副店長も乾物の荷出しを手伝ってくれ、どうにか時間内に発注までコギツケた、あの日・・・。

年末に向けて、倉庫に在庫を余分に発注し、売り切れたら、倉庫から補充するそうだ。

私は日本のスーパーで食品を扱った仕事をするのは、今回が初めてなので、 どのくらい年末に商品が動くのか、全く予想すら出来ない。

そこで、今回は、南副店長が年末用の発注をしてくれることになった。

その話があったのは、この日より二日前の月曜日。

「じゃあ、私は、その日は何も発注しなくていいんですね?

「はい、もし、カンが鈍ってなかったら・・・

「カン

そして迎えた先週水曜日。

漬物の荷出し終了。

冷凍食品、荷出し終了。

乾物の定番商品、荷出し中・・・ いっ、忙しい 

忙しい

途中、調味料を荷出し中の矢木さんに、つい、こんなことを言った。

「今日、副店長が発注してくれないかな。年末に向けてといわずとも、今

半分ジョーク、半分本気な私の愚痴?に、矢木さん、苦笑い。

今度は その南副店長とすれ違った。

「あっ、副店長、今日の発注、したいですか?

「えっ

(発注したい? 俺が) という表情である。

「荷物、いっぱいあるし・・・。出来るだけ、荷物 出してしまいたいし」

「乾物が・・・ですか?」

「はい。それに 今日、副店長が発注すれば、年末に向けて 発注のカンを取り戻すのに いいかと思って」

いきなり年末の発注を副店長がするよりは、カンを取り戻す意味で、今回の発注もお任せしてもいいですよ、という意味である。

本人も、先日、「もし、カンが鈍ってなかったら」と、おっしゃっていたし。

「いっ・・・いえ。それは、18日のことで・・・。今回は鈴木さんが・・・

「そんな、遠慮なさらずとも・・・

今回は・・・って言いました? じゃ、次回は、副店長が発注ね。

次回は金曜日。

私は休み。

そう・・・。

こんな ふざけたような会話をして、そう思ったのが間違いの元だったのだ!

副店長がカップラーメンの荷出しを手伝ってくれているので、 私は急いで、この日の発注をした。

翌日の木曜日分の開発商品の発注も、日付けを木曜に設定し直し、前倒し発注。

ぎりぎりセーフ。

今日の仕事は、これで終わり。

イエーイッ

そして、木曜日、金曜日、私は連休。

金曜日!

そう、金曜日に発注すべきだった人って、誰?

誰も気付くことなく15日の金曜日の夜は、不気味に静かに、ふけていく・・・。

誰も黒猫、見なかったよね。

クリスチャンでも13日でもないし。

そして、 悪夢は週末の土曜日に・・・。

静かに・・・とーても静かに、 訪れたのである。

次回へ続く!

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男前店長!

2008-01-30 21:16:48 | Weblog

今朝は6時半に自宅を出た。

まるで、たたられているかのように、雨、突風、雷!

帰りは霙。(福岡県の一部では、雪も

今朝は、御菓子担当の梅子さんと竹輪担当の花岡さんと仕事。

日曜日に このメンバーは初!

早く職場に着いた私は、着替えた後、休憩室で雑誌をめくっていた。

風邪がひどく、仕事へ来れるかなあ・・・と心配していたハマグリ君は、 私よりひと足 早く到着し、休憩室でコンビ二弁当を食べていた!

高校時代の早弁のような光景だ。

そうだった。彼はまだ、学生だったんだ。

次に到着したのは、花岡さん。

いつもより、ずっと早い お出ましだ。

「あっ、おはようございます、花岡さん。まだ、時間があるから、ゆっくりしようと思って・・。」

すると花岡さん、「そうね」と、笑顔でお財布を取り出し、コーヒーを買いに行った。

バスケ部員の息子さんの話、旦那さんの小使いの話に盛り上がった。

花岡さんと仕事以外の話をゆっくりするのって、今回が初めてのような気がする。

最後に登場したのは、梅子さん。

「さてっと、行きますか」

全員揃ったところで、売り場へ。

「あれ」 野球部の監督のような 見慣れない男性が私達スタッフより早く来て、 水物を荷出ししている。

手馴れた姿は新人とは思えない。

誰だろう。

とりあえず、挨拶した。

「おはようございます」

「あっ、おはよう」

顔を上げた男性は、さて、誰だったでしょう?

今日は休みの筈の店長でした

休日出勤!なので、私服だったのです。

だから、分からなかった・・・。

オープン前の荷出しを終えた後、気が付くと、店長は居なくなっていた。

梅子さんに、差し入れの お団子三人分を置いて・・・。

「鈴木さん、もう、終わった?店長が、これ女の子三人で分けてって。それぞれ種類が違うから、喧嘩しないようにって

ナニ?

喧嘩・・・

私達三人は、おやつを取り合うほど、ガキだと思われているのだろーか。

何はともあれ・・、 店長、ありがとうございます!。

(花岡さん)(梅子さん)(私)

実は、最近、男前店長の人気が本人の知らないところで急上昇中なのである。

このブログを読んだ知人が、「男前店長」を ひと目拝見しようと、 近所に店舗があるにも関わらず、わざわざ遠出したと聞いた。

チラシを見せ、

「これは何処にありますか」

と、質問したら、

「丁寧に答えてくれた、さすが、心も男前!

と、喜んでいる。

店長本人に教えてあげられないのが辛いところである。

う~ん。

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ロスナニちゃん

2008-01-29 20:20:49 | Weblog

ロスナニちゃん、30代。

三人の男の子のママ。マレーシア出身。

マレー語と英語、片言の日本語を話す、陽気で心温かい女の子。

私達は ここ、とあるスーパーで、買い物客と店員として知り合った。

そして、とっても仲良くなった。

そのロスナニちゃんが、日本での半年近くの研修を終え、今朝、マレーシアへ帰国してしまった。

寂しい、悲しい、I miss you,Rosnani,Ruby and Wahyu !!!

そう、ロスナニちゃんだけではない。

彼女が私に研修仲間を紹介してくれたのだが、フィリピン出身のルビーとインドネシア出身のワユも今朝、母国へ旅立った。

なんと、みんな一度に帰国!

「私達と、一緒に行こうよ!

と、言われて、

「うん、行くね!

と、いえるほど簡単なら どんなにいいだろうね。

二日前の最後のお別れシーンを思い出し、泣けてくる私である。

なんと、彼女からは、4回もメールが届いた。

国際センターから二度。 福岡空港から。 関西空港から。

今頃、母国に着いた頃かな・・・。

二日前、仕事を終えた後、彼女達と一緒に食事して、御喋りした。

女の子4人、それぞれ出身国も育った環境も違うのに、 なんと共通の話題が多いこと!!

三人とも、私にとって、かけがえのない友人だ。

こんな風に、リラックスして語り合うだけで、楽しい! 落ち着く! 癒されるのだ。

ただ一つ、困ったことは、

「いつ、何年、何月に自分の国へ遊びにきてくれるのか?」

と、具体的な回答を何度も迫ることだ。

わからな~い!休みがな~い!と、答えると、

「あの副店長さん、とってもSWEETで 優しそうだったじゃない!頼めば、一ヶ月の休暇をくれるよ!

と、いう。 甘い

「ナニ 一ヶ月の休暇辞職してから行きたまえ

と、なるに決まってるわよ。

ねっ、南副店長!

彼女達との一番の思い出は、私の家へ招待したとき。

三人の女の子のほかに、フィリピン出身のローランドという3児のパパを招くことに。

私を含め、5人で買い物をし、食料品を買い込んだ。

魚屋さんでは、愛ちゃんとロスナニちゃんが息投合!

一番大きな魚を持ち上げ、愛ちゃんとベストショット。

その すぐ後、梅子さんとバッタリ。

「梅子さんも一緒に記念写真、記念写真

「楽しそうで、いいね~」

と、梅子さん。 写真も喜んでもらえました!

次に会ったのは、矢木さん。

研修生を家庭へ招いたことがあるという矢木さんは、英語にも慣れている。

愛ちゃん、梅子さんも そうだが、すぐ、打ち解ける。

どちらかというと、社員の方が外国人を前にすると固まる傾向が・・・。(職場で英会話 参照)

このとき、撮った写真を後日、南副店長に見せると、

「パソコン買ったんですか。何か、始めるんですか?

と、何故だか、一オクターブ低い声で尋ね、私を下から見上げるような目線を向けた。

何かに脅えているようだ。

きっと、彼は、こう考えていたのだろう。

(鈴木さんと関わると、何を書かれるか、分からんわい。おお、怖っ

退職した平っちへの手紙の内容に、南副店長は懲りたようでして・・・。

実は、ブログで紹介した手紙(ラブレター公開!参照)には続きがあり、副店長の話題が書かれてあるのだが、本人が気に入らないようなので、ここでは省いたのだ!

心の中を見透かされたようで、素直にマイプランを述べることは出来なかったのであった。

(職場日記をブログで・・・勿論、副店長も登場することでしょう。ウッヒッヒ

私って、悪趣味かしら?

 

さて、話題をロスナニちゃんに戻し・・・。

 私達は、買い物の後、バスに乗り、私の自宅に到着。

私の家族に紹介し、写真やアルバムを見せた。

その間、私は急いで夕食の準備。

メニューは、キムチ鍋と手巻き寿司。

ロスナニちゃんたちは、アルバムを見た後、庭に出て、写真を撮ったり草木を眺めたりしていたが、まず、インドネシアのワユがキッチンへやって来た。

「手伝いたいんだけど、いい?インドネシアでも和食を作りたいから」

そこで、最初は巻き寿司の予定だったのだが、彼女の意見を聞き、 手巻きに変更。

全員、食卓に揃ったとき、目の前に並べられた具材を皆、しげしげと眺めていた。

「これ、まだ、途中・・・?」

と、ルビー。

「そうよ。レッツ メイク スシ!

「オーケー!

こうして海外からのお客様4人は寿司作りにトライ。

かんぴょうを見て、

「これは何で出来ているのか?」

とか、英語で即答出来ない質問に、多少、おたおたしながらも、 手巻き寿司作りは大いに盛り上がった。

「まず、海苔を広げて・・・ ご飯を乗せて・・・ きゅうり、卵焼き、かんぴょう、しいたけ、サーモン、ツナ、コーンetc 好きな具を乗せて・・・ お好みで、マヨネーズを・・・ 最後に巻き巻きして・・・途中、ぎゅっと、抑えてね、ぎゅっと・・・ 出来上がり!

一番上手だったのは、男性のローランだった。

ロスナニちゃん、ご飯を詰めすぎ、選んだ具も欲張りすぎ、パンクした!

「あ~あ

私のアドバイスで?二度目は成功。

それでも、みんなと比べ、一回り大きい手巻き寿司を見て、 ルビーが鋭いコメントをした。

「作った人に似た寿司が、それぞれ出来たね。 ロスナニのは、太めだし、私と すずの お寿司はスリムよ!

「・・・・

ロスナニちゃん、ショックです!

しかし、ここは前向きな彼女。

「一番大きな寿司が食べれてラッキーよ

早くも立ち直ってました。

わいわい、がやがや、賑やかな食事でしたね。

お隣の浦島さん宅にも笑い声が聞こえていたそうである。

「お客様だったの?複数の楽しそうな笑い声が聞こえてきたわよ。あら、外国から・・?私も参加したかったわ

と、お隣の浦島さん。(近所の浦島さん、もし、これを読んでいたら、コメントさんに、『読んだぜ、浦島』と、御記入願います

寿司作りに挑戦した時のスナップ写真を渡すと、皆、大喜び!

日本での体験を母国の家族に話すぞーっと、大張り切り。

日本の乾麺やソースなどの食材を 「とあるスーパー」で購入し、母国へ持ち帰った彼ら。

今頃、異国の地での食卓に和食が並んでいるかなあ。

See you again, and I love you all!!!  

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みんなの歌

2008-01-28 21:18:06 | Weblog

定番商品を補充しながら、バッタリ売り場で遭遇した高田さんと話した。

「カトちゃんの18番、北島三郎の「風雪流れ旅」って、知ってましたか? カトちゃんには、ちょんまげ姿が似合うだろうって矢木さんと話してたんです

すると、高田さんは、ちょっと驚いた顔になり、

「き・・・北島三郎・・・。若年寄りやね、あいつ・・・

「まあ、何でも歌うって、言ってましたが・・・

「梅子さんなんか、カラオケ行ったら面白いよ!あの人、ピンクレデイとか、 山本リンダとか、歌うからね。あの人をノセたら、イメージ変わるよ」

梅子さんの山本リンダ・・・

ウララ~ウララ~ウラウララア~

み・・・見てみたい。梅子さんの山本リンダ。

それで、高田さん、梅子さんに悩殺されたんでしょーか。

ちょっと思い出に浸り、自分の世界へ入ったようです。

はっと、我に返った高田さん。

「忘年会しようって鈴木ちゃんが言ってたって、梅子さんに言っとくね~」

ルンルン気分で去って行った。

「私の18番は、「涙そうそう」よ!鈴木さん、私の歌、聞いたら、きっと泣くわよ

次に荷出し中に出会った岸辺さんは言った。

「涙そうそう・・・かあ。いい曲ですよね。岸辺さんの「涙そうそう」、聞きたいなー

「貴方の18番は何? えっ?無い 私も普段は歌わないんだけどね。 それじゃ、今から練習しとかないと

今から練習・・・

みんなの歌、今から楽しみです。

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じ~っ!

2008-01-26 22:43:42 | Weblog

社員不在の日曜日の朝から一夜明けた今日、月曜日... 南副店長にバッタリ会った。

「あっ、おはようございます」

「おはようございます

副店長の顔を見たとたん、前日の矢木さんとの会話が鮮やかに よみがえった。

(矢木さん曰く、女装が似合うよ・・・

よりによって、彼はヘアスタイルを変えていた。

髪を切ったようである。

ここで、彼の顔を見るなり笑ったりしたら、 髪型が変だから笑ったのだと、誤解される事、間違いなし。

私は、挨拶だけして、事なきを得た。

ほっ

次に南副店長とすれ違ったのは、調味の荷出しをしている時だった。

彼は、お米の台車を引っ張り、私の真横を横切った。

「ちょっと、いいですか」

そう、言いながら、重い台車を引っ張って通り過ぎる間の

た~っぷりの時間を最大限に活用し、 私は頭の中で、シミュレーションをしてみた。

副店長にロングヘアのカツラを・・・メーテル風に、金髪がいいかな? それとも、香取慎吾君のように「ニワさん・・」とか?)

 

一時間後にすれ違った時、私は発注中だった。

そこへ、南副店長が台車を引いて、私が居る通路へ曲がってきた。

私は、思わず、発注していた手を休め、じ~っと副店長の顔を見た。

(マツケンサンバのカツラとか、いいかもねえ

私がそう思った瞬間、副店長は、急に、方向転換し、回れ右して別の通路へ行ってしまった。

 

勤務時間終了間近か。

私は一番下段の棚に小麦粉を一生懸命補充していた。

結構、夢中で・・・。

ふと、後ろで人の気配を感じた私は、振り返った。

すると、ぎくっとした表情の南副店長が、

そお~っと通り過ぎようとしている最中だった。

まるで、私に気付かれぬよう、最大限の努力をしているかのように・・・

私に気付かれ、焦っているように見えた。

「すみません・・・後ろ、通ります・・・」

「はい、どうぞ

(岸辺さんも、南副店長は、餅肌だから、女装が似合うといっていたっけ。う~ん、 )

結局、今日は、副店長の顔を見るたびに、 女方副店長のシミュレーションを頭の中でしていた私・・・。

思えば、こんなに南副店長の顔をじ~っと見つめるのは今回が初めてだ。

「いったい、どうしたんだ。 何か、俺の顔についているのか

と、思ったでしょうね。

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社員不在の朝

2008-01-25 23:58:50 | Weblog

日曜日の朝。

社員は、酒担当の川石さんを除き、お休み。

南副店長だけ、午後出勤だが、早番8時出勤の私達は 今日、顔を合わすことはない。

店長、副店長、チーフの三人そろい組不在の朝は、お気楽なような、寂しいような・・・。

心中、複雑である。

いつもなら、オープン前でもユーセンが流れているが、何故か、今朝はミュージックすらない。

店内、シーンと静まりかえり、ガサガサ、シャカシャカ、ドズン!!などと、作業をする音だけが、聞こえてくる。

オープン前に愉快な店内放送をする西村チーフも居なければ、

 「この曲、歌ってるの誰だか分かる?」

と、クイズを出す南副店長も居ない。

ハマグリ君は納豆を

カトちゃんはパンを

花岡さんは竹輪や かまぼこを

岸辺さんはチーズとデザートを

矢木さんは牛乳を

そして私はジュースとヨーグルトを 皆、無言で出していた・・・。

「今朝は音楽すらないですね

私が そういうと、矢木さんは コクンと頷いた。

「うん、なんか暗いね、今日は・・・。朝が早いし、眠気が襲ってくるよ

バックへ戻った矢木さんは、ドアから店長室を覗き込んだ。

「確かね、ここら辺よ、音楽。ねえ、カト君?」

すると、カトちゃんと、ハマグリ君が二人で店長室に入り、操作を始めた。

頼れる社員不在の今朝、二人共、初の試みである

・・・と、ここまでは、良かったのだが・・・。

なんと、まだ、開店5分前だというのに、

チャン、チャララン・・・」

という「只今より、開店致します!」の音楽が流れ始めた・・・

 「ち・・・違うよ!これ これは、オープニングの曲」 

店長室からは、カトちゃんの焦った声が聞こえてきた。

珍しい。

カトちゃんが落ちつきを無くすなんて。

そして・・・聞こえてきたのは、ユーセンに変わって一週間前から流れているクリスマスソングだった。

店長室から出てきたハマグリ君とカトちゃんは、急に、げんなりと痩せたように見えた。

「万が一、音楽が かからない時は、あんた達二人で、カラオケでもしなきゃいけんね~って言ってたとこよ」

と、矢木さん。

「俺、カラオケ駄目っすよ。歌えないっす」

と、ハマグリ君。

「嘘ばっかり。相当、歌い慣れてるくせに」

と、矢木さん。

すると、数日前まで風邪で体調が悪かったカトちゃんが、

「僕、ほんの2時間前まで、カラオケコロッケに居ましたよ!」

 私と矢木さん、ほぼ同時に

「エエーッ

と、叫んだ。

2時間前って、6時まで

「あんた、病み上がりやろ? ところで、どんな曲、歌うの?」

矢木さんったら、カトちゃんの体調を心配しながらも、興味の対象は、すでに曲目へと移行している。

「何でも歌います。演歌でも」

「たとえば、氷川きよし・・とか?」

「はい、北島三郎とかも」

「さっ・・・サブちゃん (*注意 目が輝く矢木さん)じゃ、風雪流れ旅とか? やっぱ、紙吹雪とか、するわけ?」

これ以上、話についていけない。

「俺、与作しか、知らん

ポツリと、ハマグリ君が呟いた。

その一方で、矢木さんはカトちゃんと最高潮に盛り上がっていた・・・。

カトちゃんとの会話が一段落すると、矢木さんは私に囁いた。

 「ねえ、鈴木さん。カト君に ちょんまげのカツラをつけてサブちゃんを歌わせたら、似合うと思わない?」

カトちゃんに、ちょんまげのカツラ・・・

19歳で、すでに、おっちゃんの雰囲気も合わせ持つカトちゃんなら・・・。

にっ・・・似合う  似合いすぎる

「そ・・・想像したら、笑えるう~っ

私と矢木さんは共に想像力が豊かなのである。

場所も忘れて大笑いした。

「ねえ、ねえ、年末のカラオケかなんかで、グロッサリーの男の子達、全員、女装させたいよね。 川石さんが一番、似合わんよ、絶対」

と、矢木さん。

自分の名前が聞こえたのか、まじめでお堅いイメージのおじさま、川石さんが「ん」と、一瞬、こちらを振り向いたことに、矢木さんは気付いていない。

「南副店長が、絶対、一番、女装が似合うよ あの、可愛らしい顔立ちといい・・・。化粧して、ドレス着せたら・・・」

ここで、私と矢木さんは、共に、空想の世界へ入った。

「・・・・

(*注 僕ちゃん、副店長・・・これが、こう・・・)

私と矢木さん、同時に

「ぶっはははあ~

「お・・・おなか痛い」

「笑いすぎて、涙が出てきた!」

南副店長、今頃、耳がカユイって。

明日からまじめに仕事します!

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君は食べたか?男前豆腐

2008-01-24 21:39:44 | Weblog

夕方5時。

日付けが明日までの豆腐に割引シールを貼っていると、岸辺さんが手伝いにきてくれた。

ほんの数メーター先では、店長がマイクを持ち、豆腐の店頭販売をしている。

初めて この豆腐の名を聞いた時、私は危うく ズッコケそうになった。

風に吹かれて豆腐屋ジョニー、男前豆腐の販売を致しております」

初めてこの豆腐の店頭販売があった日、私は御菓子の荷出しをしていたのだが、 店長の声が店内に響きわたると、お客さんのクスクス笑う声とコメントが聞こえてきた。

「風に吹かれて豆腐屋ジョニーだってよ!!

この豆腐に命名した方って、どんな人なんだろう?

一度、聞いたら忘れられない商品名である。

さて・・・。 私と岸辺さんは、店長の店内放送を聞きながら、好き勝ってなコメントをした。 (豆腐の値引きも同時進行で!)

豆腐屋ジョニーですって! ジョニーだなんて、豆腐屋のイメージじゃないですね。外人の名前だもん。豆腐屋なら、太郎か次郎じゃなきゃ・・・。そこが、ウケるんでしょうけど」

と、私。

そうねえ、ジュリーか、サザンを連れてこなきゃね!」

と、岸辺さん。

ジュリーかサザン 

なるほど。

彼らなら、確かに横文字が似合う。

岸辺さん、さすがである。

テレビでも放映され、今、話題の男前豆腐。今回、御試食を御用意致しました!」

「店長、頑張ってるね!」

岸辺さん、店長の熱心な呼び込みに感心しきり。

「この豆腐を食べたら店長のように、男前になります!って言わなきゃ。店長が言えば、説得力がありますもん

と、私。

ちなみに、店長は、ホークスの斉藤和己投手にイメージが似ている。

背が高く、スラリとしていて、なんと言っても、高校球児ですから。(「ニューヘアスタイル」参照のこと)

値引きが終わり、バックへ引き上げると、 その後すぐに、店長もバックへ戻ってきた。

「岸辺さん、鈴木さん、試食をどうそ!」

私達は、「風に吹かれて~豆腐屋ジョニー、男前豆腐」(ホントに長~い商品名だこと!)を初めて試食した。

ツルンとした食感で、何もつけなくても美味しい!

「豆腐というよりは、プリンみたいですね!」

と、私は感想を述べた。

「うん、美味しいですよ、店長。これから どの豆腐が美味しいかと聞かれたら、これをお勧めしよう!

と、岸辺さん。

「この豆腐を食べたら、店長のように男前になりますって店内放送で言わなきゃねって、さっき岸辺さんと話してたんですよ」

と、私が言うと、

「えっ!?何?」

と、岸辺さんが素早く反応した。

店長は、

「またまた、そんな・・・

と、照れた様子。

そんな店長を見ながら岸辺さんは言った。

「やっぱり、自分で言うのは照れるよ!

う~ん。そうですね。では、こうしましょう。

次回は、店長の隣で岸辺さんを助手にして、マイクで叫んでもらう。

こちらに おられる お方を何方と心得る! 男前豆腐を食され、その名の通り、男前になられた店長であられるぞよ」

・・・とまあ、こういう感じでは、いかがでしょうか 

店長・・・いや、お殿様! 

岸辺さん、宜しくお頼み申し上げまする。 完

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可愛いお手伝い

2008-01-23 18:56:46 | Weblog

ある日、納豆の補充をしていると、5歳くらいの女の子が話しかけてきた。

「何してるの?

「納豆を並べてるのよ

「ふう~ん」

女の子は、しばらく物珍しそうに眺めていたが、 納豆を手に取り、手伝ってくれたのである!

なんと、まあ、感心な。

「ありがとう、上手ね!

すると、女の子の表情がパッと明るくなり、 更にスピードアップして、納豆を並べるじゃない!

何処からか、3歳くらいの妹さんもやってきて、お姉ちゃんと同じように、 納豆を並べ始めたのであった。

私は、しばらく手を休め、かわいい姉妹を眺めていた。

積み木みたいで、面白かったのか、褒められて嬉しかったのか・・・。

肉売り場から彼女達の母親の

「邪魔しちゃ駄目よお~

という声が店内に響くまで、子供達は納豆並べを続行。

かわいいお手伝いに心の芯まで ほんわか。

ほんとに、微笑ましい時間をありがとうって言いたい。

母親に止められた後、女の子達は母親の元へ走って行ったものの、 まだ、納豆並べに興奮冷めやまぬ様子で、こちらを見ている。

母親と目が合った私は、思わず一礼した。

あちらも軽く会釈した。

すくすくと優しい女の子達に育ってますね、お母さん!

 

また、ある日・・・。 入荷商品を積んだ台車を売り場へ引っ張って行く途中、70歳くらいのおじさまに、声を掛けられた。

「ありゃー。 女の子が一人で大変だねえ。なんなら、わしが手伝ってあげようか」

一瞬、目が点になったが、冗談を言っている風でもなく、 お客さまの目は結構、真剣だったのである!

「いえ、これは仕事ですから・・・

お客様も優しい とある街の とあるスーパーです。

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お客様の声

2008-01-22 11:42:30 | Weblog

豆腐屋ジョニーに大笑いした私と岸辺さんだったが、 この日は これで終わりではなかった・・・

仕事を終え、休憩室へ向かう途中、私の目はお客様専用出入り口の近くにある 掲示板に釘付けになったのである!

私が見入っていると、岸辺さんも声を出して、読み始めた。

「何なに?70代女性。広告の品が何処に出してあるか分からず、店員に聞くと、 なんと、定番商品が置いてある場所へ連れて行かれました!ブルーキャベツ(仮名のスーパー)では、広告の品は分かる所に積み上げてあります!社員の教育を徹底してください!」

最初は目が点になり、 次に言葉を一瞬、失い、 そして、最後は笑い出してしまった私・・・。

当店でも広告の品は、売り場中央に積んである。

一人 何個限り!が多く、いくら積んであっても売れれば当然無くなる。

完売と知っていれば、まっすぐ定番が置いてある場所へ御案内する。

或は、聞かれた場所が特設コーナーよりは、定番の方が近ければ、 そちらへ真っ直ぐご案内している。

そういう訳で、これまで、いったい何人のお客様を定番商品が置かれてある場所へ ご案内しただろうか。

数えきれぬほどである。

断っておくが、これまで紹介してきたように、 9割のお客様は、 「お忙しいところ、すみませんが・・・」

「ちょっと、お聞きしても、よろしいですか?」

と、声を掛けてから、場所を聞く方が圧倒的だ。

ご案内した後は、

「忙しいのに、手を止めさせて、ごめんね。ありがとう」

「どうも、ありがとう、ございます」

「すみませんねえ」

などなど、こちらが逆に恐縮してしまう程、腰が低いお客様ばかりなのだ。

まれに、案内しても、ブスッとして無言だったり、

「これ、返しといて!」

と、こともあろうに 荷物を抱え、小走りの私を呼びとめ、 カートを押し付ける30代女もいた。

これには、私だけじゃなく、周囲にいたお客様も仰天した様子で、女の顔を眺めていた。

しかし、本人は、一向に気にすることなく、それどころか周囲の空気も読めず、自分で返そうと、思い直すどころか、 更に、私に

「返しておいて!」

と、命令した。 カート置き場は、私が居る場所からは遥か彼方である。

しかも、私が今、向かおうとしている場所からは逆方向・・・。

ここが、

「お客様は神様です!」

の日本でなければ、

「足が不自由な高齢者でもないのに、自分で返して来い!

と、叫ぶところだ。

私は客の召使か

さすがに私もムッときて、無言でカートを返してきたのであった。

繰り返すが、これはわずか一割程度の常識はずれの客であって、 何処の世界にも非常識な人間が存在するのが世の常だ。

そういう訳であるからして、 このような お客様の声が舞い込むのも理解は出来る。

私も岸辺さんも、読み終えて すぐにはコメントの仕様がなかったが、 まず私が口を開いた。

「私ですよ、定番へ案内したの。でも、ほとんどのお客様は、 忙しいのに すみません、とか、ありがとうって笑顔で言ってくれますけどね」

「私も、何度も定番へ案内したよ!いつも置いてある商品が安くなる方がいいと思うけどね・・・」

私は岸辺さんに、あるお客様とのエピソードを話した。

「いつだったか、特設コーナーには一つも商品が残ってなくて、もしかしたら定番の方にまだ あるかもしれませんから・・・ってご案内したんですよ。そしたら、それが最後の一つで・・・。 おじさん、大喜びで、わざわざ奥様まで呼びに行って、このお嬢さんのお陰で最後の一つが買えたんだ、と言ってくれましたよ! わざわざ来店して、なかったらがっかりですもんね、良かったですね!って言ったら、ほんとにありがとう!って笑顔でした・・・

私の話をうん、うんと聞いていた岸辺さんは、しみじみ言った。

「ほんとにねえ。全く同じことをしても、人によって、受け取り方は様々よね。お尋ねして、放ったらかされたっていうなら、怒るだろうけど、ちゃんと案内してもらってるんだから・・・。 一言、ありがとうって言う方が、気持ちいいだろうにね。 この お客様の声に「お答え」した南副店長も、笑ってたかも・・・?」

これに、まじめに答えなければならなかった副店長も、大変だ。

社員教育をしろ!とまで、書かれてあるのだから。

日本では、何でも上司が悪い!となる。

私も、しみじみ言った。

「こういう事を書く人は、きっと心が貧しいんですよ。 人に対しても、物事に対しても、感謝するって心が全くなくて、いつも文句ばかり言ってるんじゃないですか?かわいそうな人・・・」

私は岸辺さんに、こういいながら、ふと、買い物から帰宅して、 ぷりぷり怒り、これを書いている70代の女性を想像した。

すると、自然と笑いがこみ上げてきて、

「ぎゃははははーっ

大笑いしてしまった

同じく岸辺さんも、最後は笑い出したのである。

だって・・・ねえ。 こんなことで、本気で怒る人には、心の平穏なんて訪れないわよね。

二人で大笑いしている時、ふと、南副店長の姿が目に入り、我に返った。

「あっ、しまった!こんな出入り口で、しかも お客さんが多い時間帯に、掲示板の前で大ウケしてたら、目立ちますよね」

「うん、夕方6時に店員二人が笑い転げてたって、また、クレームになるかも」

と、岸辺さん。

「特に、これ書いた人が、もし私達を見てたとしたら・・・相当、怒るでしょうね!あそこの店員は、お客様の声を真摯に受け留めず、こともあろうか、掲示板を読みながら、ケラケラ笑い転げてたって・・・」

「・・・

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花園バイヤー登場

2008-01-21 10:35:52 | Weblog

岸辺さんと午後出勤。

二人で更衣室から出て、階段を下りようとしている時、 一人の男性社員が私達の前を横切り、一階へ降りて行くのが見えた。

なんと、彼の名札には、「花園」と、書かれてあった。

花園さんが二人いなければ、きっと、あの方が乾物のバイヤーだわ。

実は わたくし、まだ一度もバイヤーの花園課長にお会いした事がないのだ!

今、売り場にいるなら、チャンスである。

商品を前にした方が質問もしやすい。

バックへ行くと、店長がいた。

「こんにちは。先ほど、花園バイヤーが、ここへ来られませんでしたか?

「いや。見かけてないけど

「もし、売り場にいらっしゃるなら、二、三、お聞きしたい事があるんです

「今?

「はい。もし、一階に居るなら・・・ですけど

店長は、さっと携帯電話を取り出した。

もしもし、今、どちらに おられますか? スタッフが売り場で お見かけしたと話していたもので・・・。 今日、一階へ降りてくる予定はありますか? 乾物の担当者が、二、三、お聞きしたい事があるそうで・・・はい、6時までおりますので」

店長は電話を切ると、私の方へ向きなおした。

「今から会議があるそうです。後ほど・・・(以下、略)」

私って、すごい?

ヒドイ?

初対面の課長を聞きたい事があるからと、わざわざ売り場へ呼び付けてしまった。

そして、5時半。

岸辺さんと豆腐の値引きをしていると、不意に、店長が私を呼ぶ声がした。

「鈴木さん!」

振り向くと、店長の真横に乾物のバイヤー、花園課長が立っていたのである。

急だったので?私は一瞬、焦った。

「お疲れ様です。鈴木と言います。宜しくお願い致します」

簡単に自己紹介し、海苔売り場へ急いだ。

花園課長は、一つ一つの質問に丁寧にお答えして下さり、即答できない件については、取引先に問い合わせ、確認して下さった。

結局、二度も、売り場へ足を運ばせたことになる。

入荷されなかった商品については、早急に入荷するよう手配してくださった。

感謝、感激である。

すべての質問に答えられるという南副店長の言葉は正しかった。

しかし、 まじめそうな課長を目の前にして、いきなり、

「何故、Typhoonというのか」 

といったような質問は出来なかった。

この手の質問は、やはり、南副店長の専門だからね。

そのまた翌日・・・。

南副店長の方から私に聞いてきた。

「有明の海苔は、結局どうだったんですか?」

「終売だそうです。商品差し替えで、販売通知がくるそうです」

「了解」

電話して「発注したけど、入ってこんのよお~・・・とは言いませんでしたが、 もっとすごい事をしてしまいました。

なんと、

「聞きたい事があるから、売り場へ降りて来い!」

って、 課長を呼びつけたんです。

面識がないというのに。

上司なのに・・。 南副店長の想像を超えてましたね。

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