夜中から降り続いていた雨が今、上がり、周囲も明るくなってきた。
・・・と同時に、「チュン、チュン…」
姿は見えないけれど、スズメの鳴き声。
そういえば ここ数年、道端や庭で昔程には たくさんのスズメを見かけなくなった。
大量のスズメ達が道端で何か餌をつついているのだけれど、ちょっと近付くと、バタバタバタッ~~~~! と一斉に飛び立ってしまう。
そんな光景は毎日のように目に映っていたけれど、最近はスズメがいても、ほんの数羽のような気がする。
何処へ行ってしまったのかなぁ、スズメたち。
最近は…特に九州では東側からの大気汚染が酷く、渡り鳥達にとっても試練だろう。
夏休みに福岡へきた甥っ子も、「工場の匂いがする!」と言っていた。
鳥達もこんなご時世。 鳥インフルにだって、なってしまうよ・・・ほんと。
そうだ、スズメ。。。
スズメの色も都会と田舎では幾分違う気がする。
工業地帯である北九州に住むスズメのなんと、すす汚れて黒いこと! と母もこちらへ引っ越してきて思ったらしい。
言われてみれば私が2歳まで過ごした大分や熊本のスズメは薄い茶色で、お腹は漂白剤で洗濯したかのように真っ白!
ちょっと離れていても、何処に目があるかよく分かる(メジロ程ではないけどね…苦笑)
北九州のトカゲは茶色なのに、水俣のトカゲは鮮やかな緑色!
これが初めて自分の足元に登場したとき、テレビで見たカメレオンの赤ちゃんのように見えて、急いで母親に報告へ行ったものだ。まだ、ピンク・レディーが歌う「カメレオン・アーミー」が流行する前だったけれど。
これが保護色なのか、スズメの場合は空気の違いが色の違いを生むのか、分からないけれど。
むたゆうじさんの『僕の昭和詩』を母が読んでいて、大笑いした場面の一つ。そこに登場するのが「スズメ」
実は私達親子も 幼少のころの むたゆうじさんと同じく、「スズメを捕まえよう」としたことがあったのだ。
しかも、同じ方法で!!!
母と むたゆうじさんが使ったのはお米だったようだけど、私はインコの餌をバラまき、丸カゴを棒でつっぱり そお~っと置く。
その様子を見ていた母が、紐を持ってきて、棒に結びつけるのを手伝ってくれてねぇ。
まさか本気でスズメを捕まえてペットにしようとは、流石に母は思ってはいなかっただろうけど。
スズメたちは賢くて、側へ寄ってはきてもカゴの中には入らない。
その時、母から聞いた話が 「酔っぱらいスズメ」
お主も なかなか、悪よのう・・・でも、、、「お母さんもスズメも両方、面白~いっ!」と小学生の私は思った
母曰く、炊いたご飯をお酒に漬けて、それを地面にバラなくと、スズメたちが寄ってきて食べたらしい。
食べたあと、「酔っぱらって ちどり足で ふ~ら、ふ~らと歩くスズメを見るのが可笑しすぎて!」
さすがに私はこれを実行しようとはしなかったけれど、「ちどり足」と聞き、当時大人気だった加藤茶のコント、お土産を片手に ふ~らふらと歩く姿を想像し、あの歩き方とスズメを重ねながら大笑いしたものだった。
もうすっかり忘れかけていた母と子の、それぞれの時代の「スズメ」との戯れ?体験。
むたゆじさんの本をきっかけに、再び話に花が咲いたのだった
あの頃は、スズメの数も子供達も多かったなぁ~
午後から出かけるとき、こっそりスズメを探してみようかな・・・
すず