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つれづれの記

日々の生活での印象

菖蒲湯とアヤメ科の美女たち

2012年05月04日 23時36分09秒 | 日記

2012年5月4日(金) 菖蒲湯とアヤメ科の美女たち

 

 五月の懐かしい行事の一つが、5月節句前後の菖蒲湯(しょうぶゆ)だ。先日、スーパーに、運よく、何本か束にした菖蒲(ショウブ)があったので、手に入れ、湯船に入れて楽しませて貰っている。

 菖蒲の葉は、アヤメ等に似て細長く、黄色っぽい緑で、茎は根元に行くにつれて、だんだん赤紫味を帯び、かなりの芳香がある。古来、この香りが好まれ、薬用にもされたようだ。湯船の中で、茎や根元を、ゆっくり揉みほぐしながら、香りを確かめてみた。

 3人の男の子たちは、もう、成人しているので、今年は、5月人形は飾らなかったが、菖蒲湯は、子供達の健やかな成長を願う、ささやかな、端午の節句の御祝いでもある。 

  

    湯船に入れた菖蒲                                       根元部分を拡大

 

 菖蒲は、生まれ育った田舎では、田圃の間を流れる、川の土手等に、たくさん生えていた。いぼいぼのある、ソーセージの様な、黄色い固まりが、花に該当するようで、綺麗な花とは、とても言えない代物だが、形が面白い。分類上は、全く別系統の、サトイモ科に属しているようで、そう言えば、滅多に見られないサトイモの花も、こんな感じで、橙黄色だったかな?

 菖蒲の花(ネットより借用)

 

 これから、6月の梅雨時にかけて、花を楽しむものに、アヤメ科の

    アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、ドイツアヤメ、ダッチアイリス

等がある。昔から、優劣つけ難い、美女の喩などに、

    いずれあやめか、かきつばた

と言われるように、アヤメ科は、区別が難しいグループの一つである。 かの有名な、尾形光琳の屏風絵は、カキツバタ と言われる。

植物学的には、正確に区別されるようだが、ここでは、これ以上の詮索は止めにしよう。

 

 ややこしい事に、言葉の上での混乱もある。漢字では、カキツバタは「杜若」だからいいが、ショウブも「菖蒲」、アヤメも「菖蒲」と同じなので、困ってしまう。

又、最近は、ハナショウブの事を、ただ、ショウブ と言うことが殆どのようで、近隣では

   ・東武鉄道沿線の、葛飾区 堀切菖蒲園

   ・足立区内の しょうぶ沼公園

は、良く知られた、ハナショウブの名所だ。 全国各地にある菖蒲園も、ほぼ同様である。

 この6月に、園芸愛好者の仲間で、葛飾区の水元公園に出かける予定で、都内随一と言われる親水公園の、ハナショウブがお目当てだが、イベントは、菖蒲祭りと呼ばれている。

 ハナショウブは、これまで、江戸や、伊勢や、肥後を中心に、盛んに品種改良が行なわれ、幾多の名花・名品が作出され、現代に至っているようで、貴重な、文化遺産でもある。

     ハナショウブ(ネットより)

 

 5月の節句に、菖蒲湯に使う、前述の菖蒲は、市場では、“匂い菖蒲(ニオイショウブ)”と呼んで、ハナショウブと区別して、取引しているようだ。元祖の菖蒲にしてみれば、すっかり、母屋を取られた格好ではある。

 

 もう一つ気になる言葉は、アヤメである。水郷潮来あやめまつり、山形県長井のアヤメ公園、等では、アヤメや、カキツバタもあるが、ハナショウブが主体のようで、ややもすると、混線してしまうのだ。  

 でも、植物分類学上は、これらは、全体が、アヤメ科に属していることから、この科名“アヤメ”を使っている、と考えれば、少しも、おかしくは無いとも言えるがーーー。 歴史的にも、アヤメ という言葉や呼称は、色々に、使われて来たようだ。

 

 とまれ、初夏のひととき、日本を代表する花の一つと言える、アヤメ科の美女たちの美しさを、静かに、観賞したいものである。


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