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第3回WBCへの不参加!

2012年09月02日 15時40分13秒 | 日記

2012年9月2日(日)  第3回WBCへの不参加!

 

 

  ロンドンオリンピックも終わったが、前回の北京オリンピックで競技種目にあった野球とソフトボールが無かったことで、自分も含め、淋しい思いをしたファンも多かったのではないか。更に、残念なことに、次の、リオオリンピックでも、復活はしない事が決まっている。

  その代わりとして期待していたのが、2013年春に予定されている、 第3回WBC(World Baseball Classic:米国WBCIが主催)で、2006年の第1回大会、2009年の第2回大会で、日本チームは連覇しているだけに、期待も大きかったのである。

  だが、この第3回WBCだが、日本プロ野球機構(NPB)としては、参加を表明してきたのだが、肝心の日本プロ野球選手会が、現在の条件のままでは参加できないと、先月の7/20に決議したようで、世間を驚かせたのである。

報道等でも伝えられた、選手会の言い分は、特に、利益配分が納得できない、ということの様だ。 アメリカは、収益の66%も得ているのに、日本は、たった13%と言う点が、不満という。

ネットにある、選手会の下記サイト

   日本プロ野球選手会 公式ホームページ

には、不参加にした理由が、縷々、書いてある。日本の将来の野球の発展を考えて、不参加とした、など、言い方に飛躍があり、具体的な説明にはなっていないのだがーー。

 

  成功したと言われる、2009年の第2回大会での収益状況については、主催者側からは、データは公開されてはいないようなので、関係筋でも正確には分らないようだが、ネットで調べた範囲では、以下の様だ。(ワールド・ベースボール・クラシック - Wikipedia 他)

            

  収益全体は、1800万US$(約15億円)と言われる。 この収益の内訳として、選手会が問題にしている、各企業等からのスポンサー権料・商品化権料や、放映権料、入場料等がどうなっているのかは、少なくとも、調べた範囲では、不明である。

   一方、収益の配分としては、試合の成績で決まる賞金の総額は、1400万US$(約10億円)という。 優勝270万US$(2.2億円)、準優勝170万US$、準優勝敗退120万US$ーーーー、などの様で、日本は、優勝したので、この金を獲得している。

選手会の言い分では、関係国への報酬配分として、

    収益の66%  主催国アメリカ  

          13%  日本

          21%  韓国 他の参加国

などとなっているようだ。 が、これは、上述の賞金とは別で、収益全体から賞金総額を引いた残額の配分なのか、それとも、賞金も含んだものの配分なのか、はっきりしない。

 更に、ネットの、或る情報では、参加した選手数と収益配分について

     米国MLBチーム  260人 10億円

     日本NPBチーム   24人  2億円 (優勝賞金2.2億円は別)

といったデータもある。(これだと、選手一人当たりでは、日本の方が、良い!) 

加えて、優勝賞金を含めて、日本が手に入れたのは、約2億円という、矛盾する他の情報もある。

 

  要するに、正確な数字が分からない中で、あれこれ、憶測で物を言っているように見え、選手会の言い分にも、?マークが付きそうで、一般国民からは、何が何やら、さっぱり分らないのだ。報道関係者は、分っているのかな?

 

   オリンピックやサッカーワールドカップなど、主要な国際スポーツ大会では、未確認だが、選手会の言い分によれば、スポンサー料等は、各参加国に帰属するようになっていると言う。スポンサーは、その国の選手を支援している、というのだ。

然るに、WBCでは、日本の有力企業がスポンサー権や、商品化権を手に入れるため、多額の金を、主催元のWBCIに払ったようだ。この収益を、アメリカのMLBと選手会で作るWBCIが、都合いいように配分していると言う訳だ。

   アメリカ国内でのWBC人気は高くないようだが、それに比べ、日本では、優勝した事もあり、大変な人気で、これを反映して、日本の多くのスポンサーがつくのだ。このジャパンマネーが、全体の収益アップに大きく貢献しているようだ(と言うのが、選手会の言い分でもあろうか)。

 

 スポンサー料等の帰属に関する、一種の不公平性は、WBC設立当初からあった問題のようで、特に、来年の第3回に向けて、昨年秋から、日本側として問題としてきたようだ。日本側の窓口であるNPBは、WBCIに対して、改善交渉を行ったものの進展しなかったのだが、何と、見切り発車で、参加を表明している、と言うのは、お粗末極まりない。

結局、NPBは、アメリカに対しても、国内の選手会に対しても、何ら、有効な手を打てず、事態は少しも改善されず、非力さ加減を露呈した形で、ズルズルと来てしまい、デッドラインの、8月末を迎えている。

  NPBは、ごく最近の8月29日も、足元の選手会に対して、参加するように説得したが失敗に終わったという報道だ。日本のNPBは、選手会の気持ちを理解して、一枚岩になって交渉に当たっているとは思えない。WBCIから、日本の国内問題だ、などと言われるとは情けない限りである。

WBCというロゴを使わなければ、スポンサー料等を、WBCIでなくNPBに入れる手もある、やに言われているが、本末転倒だろう。

 

 スポーツ大会の運営やスポンサー料等については、自分は、全くの門外漢だが、野球ファンの一人として、今回の騒動についての率直な意見・感想を、以下に述べたい。

 

①日本抜きのWBCが現実に

 

  来春の第3回WBCは、日本抜きで開催されることが、ほぼ、間違いない状況だろう。 プロ選手会が切り札として不参加を表明すれば、WBCIも折れて、日本の要求を呑んで来るだろう、という選手会(やNPB)の思惑は外れたようだ。

連続優勝国である日本が、参加しないWBCなどあり得ない、と言った国際的な世論も盛り上がらなかったようで(むしろ、喜んでいる国もあるだろうか)、日本の主張に同調して、不参加を表明する国も無かったようだ。

 選手会としては、日本の将来の野球の発展のために、として、条件が変わらなければ、不参加と、実力行使に踏み切ったが、相手側は、要求には答えずに、スト破りの様に、日本抜きで実施することとなるようだ。

日本で、予選リーグを開催する予定も具体化していただけに、各方面への影響は大きいだろう。

 大会参加をボイコットして、外野席から声を挙げても、その声が届く訳は無い。不満があっても、今回も参加した上で、今後に向けての改善要求を出してこそ、交渉権も確保できるだろうにーー。

プロ選手の不参加で、日本の参加が無い可能性は非常に高いのだが、過去のオリンピックの時の様に、プロに頼らないアマの選手だけでチームを作って参加する、という、ギリギリの道はあるだろうか。

次次回の第4回WBCは、更に4年後の、2017年に開催されるが、全ては、それに向けての作戦となり、今後は、兎にも角にも、外野席から、大声をあげて行くしかない。

 

  国際野球連盟(IBAF:International BAseball Federation)がよく見えないのだが、1BAFとしてこれまで実施して来た、ワールドカップを止めて、WBCを、野球の世界一を決める国際大会と認定したようだ。 それなら、なぜ、IBAF自身が、WBCを主催しないのだろうか。野球界での、MLBの力の大きさ故だろうか。

WBCに不満があれば、日本は、それを、外側から変えて行くしかない。野球の大先生、大先輩であるMLBを向こうに回して、WBCに代わるものを作って行く等は、到底考えられず、IBAFを盛りたてて行く手しか無いのだろう。 

 

 今回の日本抜き開催の事態に対して、国内での、責任問題もあろうが、それ以前に、反省として、国際的なコンセンサスを作る努力が足りなかった、ということだろう。

日本として、NPBと選手会とが一体となって、外向きに一枚岩で取り組めば、状況はもう少し変わったのではないか。NPBとしては、選手会は何でも言うことを聞く、と、内向きに、軽く考えていたのかもしれない。

 又、日本の大手のスポンサーはどう考えているのだろうか。日本が参加しなくても、グローバル企業として、国際的な野球の発展のためには、金を出すというなら、それはそれで、立派なものだ。

 

 責任問題としては、選手会、NPBとも、言い訳けはしたいだろうが、結果に対して、責任を取って貰う必要がある。土壇場で、不参加を決めた(決めざるを得なかった)選手会が、金の猛者の様に悪く言われているが、最も、責められるべきは、NPBとそれを構成する12球団だ。選手会を、実力行使に追いやったのだ。

アメリカ相手の交渉ごとは、特に、難しい面もあるが、NPBは、相手に良い所を見せるために、選手会を説得します、などと言って、参加を表明したのではないか。

 NPBだけでなく、選手会も含めて責任はあるが、単に、首をすげ替えれば済む問題ではなく、日本が意図するような方向にWBCを持って行くとともに、国際的な野球のステータスを高めるための戦略を練ることが肝要だ。国際的なセンスと交渉力を備えた、人材の確保と育成も課題であろう。

 

② 提案者の権利と利益

  WBCが始まった経緯は良くは知らないが、物事には、提案者・言い出しっぺの権利と利益と言うものがあり、提案者・主催者側に有利にするのは、ごく、当然のことだ。遍く公平に、などの前に、この指止まれで、気に入らなければ、参加しない、でいいのだ。

 第2回大会での大会運営や、利益配分については、言われている範囲で判断すると、アメリカに都合のいいように運営されている、というのは、そのようにも見える。

でも、注目したいのは、最初の、第1回の時だ。成功するか、失敗するかよく見えない中で、大会を立ち上げるのは、大変なことだが、参加する選手達を納得させるために、失敗した場合は、リスクを負う、と約束している、というのは、或る意味当然だが、立派である。言い出しっぺの覚悟と決意である。(ワールド・ベースボール・クラシック - Wikipedia

 大会が更に定着し軌道に乗れば、大会の運営や利益配分は、より、客観的で、公平で、透明性の高いものに、徐徐に変わって行くものと思われる。

 選手会のHPでは、第2回大会でも、日本が主張するように、スポンサー料等を参加国に帰属させたとしても、数百万US$ほどの収益が出た筈だ、と言っているが、可なり、性急過ぎる言い分ではないか。

もう少し様子を見ながら、提案者の利益も許容しつつ、参加国のコンセンサスも得る努力をしていく中で、参加条件の改善を考えるべきだろう。

 

③ 野球に対する親しみ

 野球に関連する企業サイドから見れば、この種イベントは、金儲けの場にしか映らないのだろうが、一般大衆にとっては、嬉しい楽しみの場でもあるのだ。

 日本では、今では、サッカーや、バレーボールや、マラソン・駅伝などが、メジャーなスポーツになっているが、戦前・戦後の可なりの間は、メインのスポーツは、野球と大相撲しか無かったのだ。一頃、

野球、大鵬、卵焼き

などと、言われたこともあり、我が国では、野球は、国民的なスポーツ、国技ともいえるもので、現在も人気は高い。

 

 日本プロ野球も、色んな経過はあるが、2リーグ制でのペナント争いと、日本シリーズを軸にする中で、人気に胡坐をかいているだけではなく、最近は、

  ・セ・パ交流戦が始まったこと

  ・クライマックスシリーズを導入したこと

  ・ボール、ストライクの順序をMLBに合わせたこと(当然!)

  ・球団のフランチャイズ制を強めたこと

など、面白さを増す工夫が行われている、のは嬉しい事だ。

春夏の高校野球大会も、フレッシュなプレーへの人気は高く、プロリーグへの登竜門としての存在感も大きい。

 一方、日本から、MLBへ移籍する選手達の活躍が注目される。最近は、TVのBS放送で見られるようになったことが、MLBをより身近にしている。

MLBという新天地で、一人前に活躍するのは並大抵ではないだろうが、イチローの、マリナーズ時代の活躍と大記録は立派で、移籍したヤンキースでの今後が注目される。松井、松坂など、他の選手の活躍も見ものだ。

 

 日本が、WBCで2回優勝したとはいえ、言い気になり、天狗になってはいけない。WBCでは、アメリカチームには、有力プロ選手は必ずしも参加していないし、日の丸を背負って、必死に戦う日本の選手達に比べて、彼らのモチベーションは余り高くないのだ。MLBは、通常は、多国籍選手の集合だが、WBCで、米国籍の選手たちによる米国チームが本気になれば、日本は、到底、敵にはなれないだろう。野球については、米国は、やはり、大先生、大先輩であるのだ。

 

 自分自身も、中学生時代は、野球部に入ってしごかれたし、職場や地域では、ソフトボールや、軟式野球等を、楽しんできた。勿論、プロ野球の観戦で、球場には、何度も足を運んでいる。最近は、サッカーも十分に楽しめるようにはなったが、やはり、野球は、身近で親しみが湧き、ルールがよく分かっているだけに、気楽に観戦できるスポーツなのである。 

 

 今回のWBC不参加で、自分も含めた庶民の大きな楽しみが無くなり、東日本大震災からの復興を支援する、又とない場を失ったのだが、まだまだ先はある。謙虚に反省しつつ、次に期待したい。

 WBC不参加になった穴埋めとして、思い付きだが、日本一と、アメリカ一とによる、日米対決を企画するのは面白いかも。サッカーではおなじみだが、ホーム、アウェイで、各、1~2試合づつやるのは、どうだろうか。

更に、野球のプロリーグがあるのは、世界で10か国と言われるが、各々の国内リーグの優勝チームが、一堂に会して戦うのも、面白いかもしれない。


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