2024年8月22日(木) ストーンヘンジの謎
イギリスのイングランド南方にあり、世界文化遺産に登録されているストーンヘンジに関し、最近の研究で、新たな事実が判明したことが、TVのニュースで報道された。
○ストーンヘンジに関しては、以前、当ブログに、下記記事を投稿している。
環状列石とストーンヘンジ (2021/7/15) (S82)
この記事は、北海道、北東北の縄文遺跡群が、世界遺産に登録された時に、環状列石の、世界の大親分格に当たる、ストーンヘンジ(Stonehenge)を取りあげたものだ。
ストーンヘンジは、下図に示すように、ロンドンから西へ200kmの所の、イングランド南西部にあるようだ。
ここには、下図のような巨大な岩が、多数、建てられている。
ストーンヘンジの巨石群
ストーンヘンジは、いつ頃、何のために、作られたのか、使われた構築技術はどんなものだったのか、など明確にはわかっていないようで、巨大な石材を、どのように加工し、運搬し、積み上げたのか、謎は多いようだ。
年代的には、先史時代の紀元前2500~2000年頃で、目的は、祭祀場と推定されているようだ。
○今回の発見
今回の調査は、イギリスのアベリストウイス大学と、豪州カーティン大学の共同研究によるもので、英科学誌「ネイチャー」に発表されているようだ。
遺跡の中心部にあり、極めて重要な祭壇石(縦5m、横幅1m、厚さ50cm)は、これまでは、西部の地方から運ばれたとされてきたとされていた。
下図は、祭壇石の様子で、白っぽい石が載っていて,草の間から地表に見えているのが、祭壇石という。
(参照:ストーンヘンジ巨石、産地は750キロ先 驚く研究者、どう運んだ?.html)
研究チームは、岩石の成分組成(ジルコン、アパタイト、ルチル)について分析し、祭壇石の断片の分析結果と、各地から集めた岩石の分析結果とを比較した。
その結果、スコットランド北東部の岩石の成分と一致したという。
今回の発見を示したのが、下図である。
スコットランドから、イングランド南部まで陸上運搬は無理で、舟を利用した海上輸送
だったと推定されるが、それにしても、BC2500年頃に、このような事業をやってのけ
た先住民がいた、とは驚くばかりだ。
今回の発見で、ストーンヘンジの謎は、更に深まったようだ。