つれづれの記

日々の生活での印象

節電の夏  その1

2011年07月09日 22時53分38秒 | 日記

2011年7月9日(土) 節電の夏 その1


 今回の巨大地震により、東京電力や東北電力の受けた打撃は、極めて大きかった。 規模では、世界一の電力会社とまで言われていた東電の、電力供給能力は、震災前は、或る情報では、
   6800万kW/h
程だったようだが、福島第一・第2原発の事故等による運転停止、火力発電所等の被災による運転停止で、能力の半分以上が失われ、震災直後は、供給能力は  
   3100万kW/h
程に低下してしまったが、その後、火力発電の修復、増強などの懸命の努力で、現在は、かなり、回復しているようだ。 夏場に向け、供給能力は、5520万kW/hまで増強されるようだが、でも、今後予想される、需要は、到底賄い切れず、積極的な節電策が講じられている訳だ。(昨年夏は、最大需要 5700万kW/h!) 
 節電対策として、当初は、大事業所、中小事業所、一般家庭別に、それぞれ、目標が示されたが、その後、一律に、15%削減になり、大事業所(500kW/h以上)については、強制力のある電力使用制限令が、7月1日から、実施され(37年振り)、9月末まで継続される予定だ。 中小事業所、一般家庭については、強制ではなく、努力目標となっている。

 かなり前から、各方面で、さまざまな節電の取り組みが、なされているが、特に、事業所関連では、一般照明の削減、昼間から夜間への操業時間帯の変更、夏休みの長期化、電車の運転本数の削減、等々が行われている。
 サマータイムを導入し、始業時間を繰り上げているところもある。このことから、アフター5ならぬ、アフター4のビジネスも現れているようだ。
 重要なことは、電力のピークを如何に減らすかという、ピーク減、と言うことだから、節電、とは少し違うのだが、全般的な節電指向が、ピーク減にもつながる面はあろう。
 電力需要は、平日に比べて、休日はかなり少ないので、操業日・営業日を休日に変更することの、ピーク減効果は大きい。 自動車業界全体として申し合わせ、木・金を休日とし、代わって土・日に稼働する、というパターンを、7月1日以降から、整然と実施している。 曜日を変えて工場等を稼働するのだから、工程が同じなら、節電にはならないのだが、社会全体の電力需要のピークを、平準化する効果は極めて大きい。部品等を供給する関連企業も含めた変更なので、相当な量になると思われる。関係している従業員や家族の皆さんの、ご苦労に感謝したい。
 一方、自動車関連工場の周辺では、飲食業の営業日の変更、土日の保育所の開設なども必要になる等、影響は大きいのだが、震災後の部品のサプライ問題を既に克服し、電力平準化問題にも、生産力を落とさずに、敢然と取り組もうとしている、わが国の自動車産業界に敬意を表しながら、何としても、ここは乗り切って欲しい、と願っている。

 就業日の変更は、各方面で行われているようだ。NTTドコモは、土・日に仕事をして、月・火を休みにしたようだ。ドコモの場合、通信設備は、24時間に亘って稼働しなければならないので、オフイスでの節電等が、主体となろうか。
 確か、海老名市役所だったと思うが、節電のため、来所者数が比較的少ない、水曜の午後を休みにしたようだ。
 又、NTTグループでは、曜日を決めて、通信を利用した在宅勤務を、本格的に行うようだ。これにより、在宅での電力需要は幾分増えるが、オフイスでの電力需要が減り、通勤のための交通機関の利用も減るので、社会的な省エネ効果は大きいだろう。

 最近のTVに、天気予報ならぬ、「電気予報」が登場して、今や、すっかり定着している。
 東電管内の電力について、当日の、予想される最大使用電力と、計画している供給能力とを数値で表し、両者の比:最大使用電力/供給能力=使用率% を示している。この所は、使用率が80%程度に収まっているので安心だが、夏場の冷房需要増で、今後はどうなるだろうか。今日になって、例年よりかなり早い、関東地方の梅雨明けが発表されており、いよいよ、正念場を迎えようとしている。
 東京電力のHPでは、リアルタイムに近い形で、数値が公表されている。
 7/8朝 NHK―TVより

 使用率が高くなった時は、どのようなアクションになるのだろうか。はっきりした数値は聞きもらしたが、使用率が高くなり、95~97%位が想定される時は、黄色信号レベルで、時間的な余裕を持って、計画停電が予告されるだろうか。更に、99%程に達すると想定される時は、危険域の赤信号レベルで、計画停電が実施されることとなろうか。
 大震災後、この3月に実施された、東電管内の計画停電では、対象地域や時間が、ぎりぎりまではっきりせず、交通信号が停まったり、医療機関や老人福祉施設も停電になるなど、社会的に、かなりの混乱があったが、貴重な社会実験だった、とも言え、多数の問題点・要改善点が明確になった。
 今後、止むを得ず、計画停電を実施する場合は、これらの反省を踏まえて、混乱なく、しかも効果的に、実施されると思われるし、そう願っている。

 大震災を乗り切る今回の節電運動は、忘れかけていた、協調的な日本人の国民性を、発揮する機会であるとともに、これまで、殆ど自覚することなく、使い放題だった電力消費を見直し、エコライフも考える、一つの切っ掛けになるのではないか。
 我が家の節電については改めて触れる予定だが、一般家庭では、最も電力を使う、エアコン冷房が問題で、冷房を控えたために熱中症になってしまった、などと言う、悲劇も起こっているだけに、注意が必要だ。
 

コメント
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