本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

旅日記39

2018-04-24 09:19:30 | Weblog
 5月6日 ナポリからカプリ島、ソレントを経由してローマへ

「ナポリを見てから死ね」という言葉がある。「日光を見ずして結構と言うなかれ」と同じ語意である。
 死にたくないが、そのナポリの街をうろつき、ナポリ港に出た。遠くにベズビオ山が眺望できる。かのポンペイを地上から消し去った火山である。
 サンタルチア海岸通りには高級ホテルが林立している。泊まった安ホテルとはすごいギャップだ。ナポリには貧相と美貌、高級と庶民性が混沌としている。
 
 ふいに船着き場に出た。看板に「カプリ」の文字がある。1,500リラを払って水中翼船に乗る。カプリ島行きは思ってもいなかったが、場当たりもよいだろう。なんたって紺碧のナポリ湾に繰り出せるのだ。
 やがて、カプリ島が姿を見せた。島の背後に切り立った岩山が連なり、その裾野から海辺に向かって白やアイボリーの瀟洒な館が建っている。この島は紀元前から貴族たちの別荘地があったとか。

 カプリ島に上陸してすぐに「青の洞窟(グロッタ・アズラ)」を見物することにした。350リラの乗合モーターボートに乗船して、30分ほどで洞窟に至る。この洞窟前はモーターボートと小舟で混雑している。入口は狭いので小舟に乗り換えるのだ。入場料に75リラ必要だが、船頭にチップがいる。100リラが相庭らしい。
 頭を低くして入口を通り抜けると洞窟は思いのほか広々としている。入口からわずかに差し込む光によって海面は透き通るような藍色とぞっとするほどの濃紺に分離する。まさに青の洞窟である。素晴らしい。

 再びアナカプリの船着場に戻る。以下続く。