ある話し言葉

　何かにつけて「がんばる」と言うのは聞き苦しいと書いていた本がある。だいたいはインタビューを受けたスポーツ選手に多いだろう。
　大関を倒した幕内力士が「まずは勝ち越しができるようがんばります」、さよならヒットを打った野球選手が「明日もがんばりますから応援よろしく」てな具合だ。
　なんとも思ってもいなかったが、なるほど「がんばる」は多用されている。表現力が足りないというより、気構えを一言で放つ便利な言葉かもしれない。
　
　日本語に堪能らしい外国人が「そこをなんとか」の言い方に感心していると本に書いていた。相手方が無理だと言っても、「そこをなんとか」と頼んで一押し、二押しすると何とかなるとある。

　ユニークな日本の話し言葉論ともいうべきものでした。