諜報に無頓着な国

　以下は、本から読み拾った話を我流に脚色した。

「敵の陣営の裂け目をこじ開けよ」というレーニン推奨の戦術を忠実に実践化しているのが中国のようだ。その例が靖国である。国論が賛否で割れ、かの国の思うつぼとなっている。歴史教科書問題もこれに近い。しかし、尖閣諸島のいちゃもんは声を大にしない。中国への非難の国論がひとつになるだけで得にならないからだ。あの中国大好き新聞もこれには反対せざるを得まい。

　さらに言えば、古典的なハニートラップ（色仕掛け）なる工作は、今もお盛ん。性スキャンダルの弱みに付け込んで機密漏洩を迫るというわけ。国家の美人局といえる。上海の総領事館の電信官もこの手でやられて自殺に追い込まれた。元首相にもこの手の話題があったが、いつの間にか立ち消えた。ポリティカルなマッチ・ポンプだろう。この間に、国益を損ねたかもしれない。
　
　本を読むと、思わぬ合点がいく。