陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

高級魚 イワシ

2006-07-15 00:37:33 | 海の話
イワシ(鰯)と言えば、ちょっと前までは庶民の魚、
そんなイメージがあったが、今では立派な高級魚。

でも、今時期のイワシはおいしいですね。
刺身で良し、焼いても良し、煮ても良し、干しても良し。

昨年まで、イワシ漁を中心とした漁船に乗っていた僕でさえ、
ここ数年は滅多に、お目にかかる事は無かった。
(自分たちのオカズにする位は、網の中から拾ってこれたが)
普通、イワシと言えば、マイワシ(体の側面に黒点がある)のことを指す事が
多いが、他にはウルメイワシ、カタクチイワシがいます。

本当に今はマイワシ(ウルメも)はいないですね。
それに最近の燃料費の高騰が重なって、イワシを獲る漁船は青息吐息、
倒産している船会社もかなり多いようです。
豊漁の時には、かなりあった魚粉(肥料や飼料)の製造工場なども、
殆ど潰れました。
イワシがいなくなったのは40~50年周期の不漁、
20~30年周期の豊漁の繰り返しがあるからだとか、
海水温が高くなったせいで、
マイワシ、ウルメイワシが育たなくなったせいだとも言われています。
(反面、カタクチイワシは増えている?)
今までの獲り過ぎも、もちろん大きな原因の一つでしょう。
漁師町はどこも寂しくなっていくばかりです。

魚は自然に海の底から湧いて出てくるものではありませんから・・・。
魚の獲り過ぎや、産卵場所の変化など、増える要素がないのではないでしょうか?

しかし、人間は勝手なものです。
いくらでも安く買えた時には見向きもしなかったイワシを、
最近のグルメブームのせいかどうか、今は、みんなが食べたがるのですから。
かく言う僕も、魚屋に並んでいるイワシでは食べる気にはなりませんが。

因みに、刺身で食べるのなら、お奨めはマイワシより、ウルメイワシ。
でもウルメは鮮度が落ちやすいので、流通段階に乗った時点で、刺身ではもう無理かも?
もし、水氷などに漬けてあった新鮮なウルメイワシが手に入った時には、
是非、刺身で食べてみて下さい。
鮮度の落ちやすいウルメイワシは殆どミリン干しになったり、目刺になることが多いですね。
煮たり焼いたりするのなら、ウルメイワシよりマイワシのほうが、おいしいですね。
カタクチイワシは殆ど加工用に回されるでしょう(水揚げしてもお金にならない)
これも新鮮なものなら、刺身でもいけます。あまり食べると食あたりの可能性も高いですが。
煮付け、唐揚げなどにすれば、おいしいですね。
それと、イワシは包丁を使わず、手で捌いたほうが簡単だし、旨さも違います。

今では海の無い県に住んでいる僕にはもう目刺くらいしか食べられないでしょうが