一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

チーム★アメリカ/ワールドポリス

2005-08-21 | キネマ
昨日ゆっくりしたので、チーム★アメリカ/ワールドポリスを観に行きました。
※以下ネタバレ注意です。

アメリカでも下ネタ、差別ネタ、暴力ネタで物議をかもしたアニメ「サウスパーク」シリーズの監督が手がけた劇場2作目です。
(サウスパーク・シリーズについては、日本でも公開されたサウスパーク 無修正映画版や、現在WOWWOWでもTVシリーズを放送している(子供が見ていいのかなぁ?)ようなのでこちらの解説をお読みください)


この作品も、タブーもなんのその、平和そうなキャラが放送禁止用語や差別用語、政治家・芸能人の悪口を連発する、というサウスパークの流れの中にあります。

そもそも登場人物がすべて操り人形、という人を喰った設定からしてサンダーバードのパロディになっています。(こんな感じです)

しかも、実在の人物・組織とは一切関係ありません、といった端からいきなりハリウッドの有名人や金正日などが実名で登場します。

ストーリーは、世界中のテロ組織を撲滅すべく日々活躍(=過剰な大量破壊)を続ける「チーム・アメリカ」という組織(民間団体らしい)に、ハリウッドの俳優組合("Film Actor's guild"="FAG"=ゲイの隠語)が反対運動を繰り広げるが、その背後に世界をテロ攻撃する金正日の陰謀を感じ取ったチーム・アメリカが反撃をする、というものです。

ただ、そこに出てくるのは、剥き出しの悪口(特にマイケル・ベイ監督、俳優だとベン・アフレックとマット・デイモンが嫌いらしい)や差別用語や下品なシーン(マリオネット同士のsexシーンはアメリカ上映時に大幅カットされたらしいですが、それ以外にも、マリオネットがひたすら嘔吐するところなどがあります)、残酷なシーン(マリオネットだからといって情け容赦なくやたら死ぬ)のオンパレードです。

今回はR-18指定なので(サウスパーク劇場版はR-15だったかな?)、まあ、こういうものに嫌悪感をもつ人には絶対にお勧めできません。


ただ、この監督は監督・脚本のほかに、声優役や音楽の作詞・作曲・歌なども手がける多才な人間である事は間違いないです。

マリオネットの質感や表情はよく出来ているし、残酷シーンなども、とてもリアルに表現されています(多分映像的には難易度がかなり高いと思います。)
また、CGをほとんど使わずに、セットの実写で撮っているところも相当手間がかかっています。

また、随所にあふれる他の映画のパロディやハリウッド俳優の口癖の真似にはニヤっとさせられます。
たとえば、テロリストの待ち合わせのバーはスター・ウォーズだし、細かいところでは金正日のラストは「ヒドゥン」(話は飛びますが、この映画はお勧め!)だったりします。


ということで、悪ふざけを笑って見過ごす度量のある方か、未だに悪ふざけのクセが抜けない方(たとえば僕)にかぎり、お勧めできる作品です。
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駒大苫小牧連覇

2005-08-20 | よしなしごと
駒大苫小牧、57年ぶり夏連覇 高校野球決勝
(2005年 8月20日 (土) 15:19 asahi.com)

決勝戦の後半を、スポーツクラブでマシンジムの合間に見てました。

「連覇」というけど、昨年優勝した3年生が抜けたて実質的には新しいチームになっているわけで、しかも「優勝校」というプレッシャーの中、立派だと思います。


それにしても、最近の高校生の投手はみんな球が速いのに驚き。

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となり町戦争

2005-08-20 | 乱読日記
今週は前半は休みの人も多く、仕事も暇だったので暑気払いと称して飲んでばかりいました。

週の後半に仕事が動き出しても、なかなかエンジンがかからなかったり、逆に力が余ってテンション過剰気味だったりと、なかなかペースがつかめない1週間でした。

今日スポーツクラブに行ったのですが、今日はプールはやめにして途中で切り上げてしまいました。
マシンジムのメニューを変えたせいもあるのでしょうが、やはりちょっと体調がよくないようです。
飲みすぎと睡眠不足でしょうね(反省)


まあ、こういう「ヘタレ」な一週間だったのですが、数少ない収穫が三崎亜記「となり町戦争」でした。

ある日僕の住む町がとなり町と戦争を始める、というお知らせが届きます。
しかしその後も日常に何の変化もないまま過ごしているうちに、いつしかとなり町との戦争に巻き込まれてしまう、という話です(あまり書くとネタバレになっちゃうのでここまでにしておきます)

第17回小説すばる新人賞受賞作、ということですが、着想も斬新なうえに構成も破綻してなくて、非常に面白い作品でした。

となり町との戦争という妙な形で戦争のある一面をリアルに描いています。
小説(フィクション)の醍醐味を味わわせてくれます。







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半落ち

2005-08-19 | キネマ
※ ネタバレしてしまうとつまらないので注意しながら書きますが、バレちゃったらごめんなさい


これは原作を読まずにDVDを借りて見ました。


テーマとしては重く、考えさせられる部分もありますが、登場人物の描き方が不足しているように感じました。

多分人それぞれに考え方や受け止め方が異なるテーマなので、登場人物の背景や考えや事件への思いを十分に描きこんだほうが魅力が増したと思いますが、そこが通り一遍だったために、極端に言えば
「こういうテーマは重いですね、以上終わり」
になってしまったような感じがします。


裁判官役の吉岡秀隆は例によってワンパターンの演技だし(役柄はそのワンパターンに「はまる」のですが、その安易なキャスティングが深みをなくしていると思います)
検察官と弁護士が、裁判の席上での役割分担に関係なく事実を明らかにしようとしていて、それぞれの思いや苦悩が曖昧になってしまっているし、
刑事や新聞記者は、組織との軋轢はわかるものの犯人への思いにうまくつながっていかない
というように、
「せっかくの素材なのにもったいないな~」
という印象が残りました。

法廷の傍聴席に、原作者が(元の仕事でもあった)刑事事件の取材記者役で座っているなどという楽屋落ちもありますが、それより前にすべきことがあったような気がします(これは八つ当たりかなw)


原作は紙数も多そうですから、十分に描きこめていると思いますので、そっちを読んだほうがよかったかな、というのが正直な感想です。







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Standing in the Shadows of MOTOWN

2005-08-18 | キネマ
邦題は「永遠のモータウン」などと味も素っ気もないタイトルがつけられていますが、上の原題(The Four Topsのヒット曲をもじった)の方が圧倒的にセンスがいいです。

マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、ダイアナ・ロス&シュプリームスなど数多くのヒット曲を送り出した“MOTOWN”の栄光を陰で支えたレコーディングバンド“The Funk Brothers”のドキュメンタリーです。

どんな音痴な歌手でも、彼らの作るgroovyなサウンドでヒット曲にしてしまった、と言われるくらいの凄腕のユニットだったのですが、今までスターの陰に隠れてずっと無名だったThe Funk Brothersにスポットを当て、なんと14年の歳月を費やして作った作品です。

メンバーのインタビューや当時の貴重な映像、それに再結集した彼らと若いミュージシャン(Joan Osborne、Ben Harper、Chaka Kahn(彼らに比べれば若いw))とのライブをおりまぜながら、彼らの実像を描いています。

僕はこの映画でThe Funk Brothersのことを初めて知りました。

彼らは「三度の飯より音楽が好き」な人たちが地下室のスタジオに集まってヒット曲を量産していた頃のことを
「こいつがキメのフレーズだけ作ると、最初にドラムがリズムを刻んで、次にベースがはいって・・・こうやって曲ができちゃうのさ。それを一発取りで録音して、はい、出来上がり」
などと楽しそうに語っています。


「陰に埋もれて」といいながら、恨みがましくもせず、楽しい思い出と音楽への情熱を語り、60年代から未だに現役でいる彼らはとてもカッコイイです。


そもそもR&B好きな事にくわえて、こういう「陰の・・・」というのに弱いんですよね・・・

思わずDVDを買ってしまいました






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茄子 アンダルシアの夏

2005-08-17 | キネマ
外出するのも暑いので、ビデオを借りためてきて見てました。
雑感をまとめて2,3回アップします。

まずは「茄子 アンダルシアの夏」

この作品はDVDより前に原作(コミック)を読んでました。
原作は「茄子」という茄子をテーマにした連作(!)の中の短編です。

原作者の黒田硫黄という漫画家は、中学生の頃思い浮かべたような「素直な空想」と「ドラマチックではないけど無為に過ぎていっているわけでもない」日常を混在させて、てらいのないストーリーを独特の画風(女の子の顔は確かにジブリのキャラクター風ですが、それ以外は全く違います)で描く人です。
(うまく表現できませんが・・・)


ストーリーはプロの自転車レーサーが主人公の話です。
原作に忠実に(原作が短編なのであまり変える余地もないのでしょうが)進みます。

僕は自転車レースはニュースで「ツール・ド・フランス」を見るくらいで詳しくないのですが、アニメでは、レースの実況中継を描きながら、ルールやチームの構成やかけひきの醍醐味をうまく伝えてくれます。

レースもいろいろな視点から(レーサーの眼から、路肩から、先導車から、またヘリから隊列の変化をとらえるなど)リアルに描かれ、それだけでも十分楽しめます。

「茄子」の2巻目のあとがきに、監督の高坂希太郎氏(「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の作画監督)が
「ダンシング(立ちこぎ)しながら(ペダルの)回転数を上げつつシフトアップして、チェーンが小さいギアに移って行くところを前から描くのはけっこうムズかしいですね」
ととてもマニアックなことを言っていたという逸話がのってますが、もともと自転車レースが好きな原作者と、メカや乗り物を描くのが好きなジブリの組み合わせが魅力的な映像になったようです。
(上のシーンはゴール前の市街地でのデッドヒートに生かされています)

レースのゴール直前のスパートのシーンのレーサーの必死の形相だけは、ジブリの画風を捨てて、黒田硫黄の画風にしたところなど、いいコラボレーションになってます。
その意味では原作を先に読んだほうが結末はわかってしまいますが、楽しめるかもしれません。


元が短編なので、DVDも60分くらいであっさり終わってしまいます。
なので、劇場で観たり、DVDを買ったりした人(で自転車レースファンやジブリのファン以外の人)には不満も残るかもしれませんが、レンタルで借りて窓の外の夏の日差しを感じながら、画面の中のアンダルシアの青空の下に繰り広げられる自転車レースを見るのはお勧めです。
※その際のお相手は、ビールでなくワインにしてください(楽屋オチ)


(こちらがDVD)







(こちらが原作)








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地震とか航空機事故とか

2005-08-16 | 天災・人災
宮城県南部で震度6弱、5都県で重軽傷58人
(2005年 8月16日 (火) 22:19 朝日新聞)

今日の地震は初期微動が長く、しかも本震も大きくて長時間揺れたので、遠いけどかなり大きな地震だと感じました。
宮城県でも一部が震度6弱ということで、規模の割には比較的被害も少ない方だったのではないでしょうか。

今のところ余震はないようですが、できれば今のうちにたまったエネルギーを小出しになった方がいいんじゃないかと思います。



それより気になるのが飛行機事故

飛行機事故ってなぜか続くんですよね
JAL系機から金属片落下 福岡、5人けが
(2005年 8月13日 (土) 01:59 共同通信)

に続いて

キプロス機墜落、121人全員が死亡
(2005年 8月15日 (月) 07:49 ロイター)

が起きました。
これは原因が不明でさまざまな意見があるようです。

そうこうしているうちに
ベネズエラで旅客機墜落 乗客152人絶望か
(2005年 8月16日 (火) 22:53 共同通信)

という事故まで起きてます。


理屈はないですが、しばらく要注意かもしれません。
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終戦記念日

2005-08-15 | よしなしごと
ここ2,3日の「きちんと敗戦することの難しさ」ということから、終戦記念日にあたって考えたのは、日本は「きちんと負けた経験」を自らの強みとして評価してもいいんじゃないだろうか、ということです。

つまり、日本が(ドイツと並び)「きちんと敗戦を認め、戦争を終結させ、しかも復興を果たした」という事をそれなりに評価してよいのではないか、ということです

もちろん、第一次世界大戦の反省から戦勝国側も過大な賠償金を課さなかったことや、朝鮮戦争等その後の東西冷戦が追い風になったという幸運もあると思います。
また、戦前の統治システムが結果的に維持されたり、戦後の混乱期に占領軍に取り入って不当な利益を得た人々がいる、等決して手放しで自慢できるものでもないとは思います。


しかし、その後の戦争は

ベトナム戦争における米国やアフガニスタン紛争におけるソ連のようにそもそも負けることのない戦争ではあるものの勝つこと、戦争遂行にこだわったあげく「勝てなかった」ことで大きなダメージを負ったり

フォークランド紛争におけるイギリスのように、勝ったものの戦争の意義自体で国内の論議を呼んだり

ボスニア紛争における欧米中心の国連平和維持軍やソマリアにおける米軍ののように、誰もが正当性を主張し、しかも自らが滅びるまで戦争を止めない、という政府に対する武力介入の困難さを経験したことで


結果、小国同士の紛争を除けば、米国のような強者ですら「勝てない」リスクにおびえ、米軍のイラク侵攻のように「大義名分を過剰なまでに主張し、しかも圧倒的な軍事力で蹂躙する」、いわば「必ず勝てる戦争」しか行われなくなったように思われます。

結局それで大国がリスクを取ってまで介入する価値(意味)がないとされた地域紛争(スーダンの内戦)や大国の圧倒的な軍事力に対抗するテロはかえってひどくなってるわけです。


日本は「ごめん、やっぱり間違ってた」と敗戦を認めたから偉い、とは言いません。

ただ日本とドイツの、(遅きに失したと言う非難はあるものの)無条件降伏を決断し、戦後も(多少の異論はあるものの)周辺諸国との関係回復を図りながら、国家として立ち直ったという事実は、国としても過ちを認めることの重要さの教訓になりうるのではないか、と思います。


各国が、自国の無謬性に頑なにこだわる先には、あまりいい結果が待っているとは思えません。


「軍備がないから土下座外交になるんだ」というような短絡的な発想ではなく、極端な話「わが国は世界一のヘタレでござい」と堂々と胸を張る、ということは出来ないのでしょうか・・・


外交の実態に無知な人間のとりとめのない発想ですが、せっかくの終戦記念日を通り一遍で終わらせないとしたら、こんな考えもあるのかな、とふと考えました。
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昭和20年8月14日

2005-08-14 | よしなしごと

実は日本がポツダム宣言を受諾したのは8月15日ではなく8月14日です。

 国立国会図書館の[ポツダム宣言受諾に関し瑞西、瑞典を介し連合国側に申し入れ関係] というサイトを見ると、 8月14日11:00東郷外務大臣から在スイス加瀬公使宛てに以下の電信が発せられています。

 米英蘇支四国ニ対スル八月十四日附日本国政府通告

「ポツダム」宣言ノ条項受諾ニ関スル八月十日附帝国政府ノ申入及八月十一日附「バーンズ」米国国務長官発米英蘇華四国政府ノ回答ニ関聯シ帝国政府ハ右四国政府ニ対シ左ノ通通報スルノ光栄ヲ有ス

一 天皇陛下ニ於カセラレテハ「ポツダム」宣言ノ条項受諾ニ関スル詔書ヲ発布セラレタリ
二 天皇陛下ニ於カセラレテハ其ノ政府及大本営ニ対シ「ポツダム」宣言ノ諸規定ヲ実施スル為必要トセラルベキ条項ニ署名スルノ権限ヲ与ヘ且之ヲ保障セラルルノ用意アリ又 陛下ニ於カセラレテハ一切ノ日本国陸、海、空軍右官憲及官憲ノ指揮下ニ在ル一切ノ軍隊ニ対シ戦闘行為ヲ終止シ、武器ヲ引渡シ、前記条項実施ノ為聯合国最高司令官ノ要求スルコトアルベキ命令ヲ発スルコトヲ命ゼラルルノ用意アリ

ポツダム宣言受諾の詔書の発布は8月14日に済んでいたわけです。
ということは、大日本帝国が終戦を正式決定したのは8月14日になりますね。

ちなみに、連合国側の回答は8月15日4:42分ベルン発16日8:15東京着の以下の「米国務長官メッセージ」ですので、連合国側からの確認通知の到達を基準とすると、日本時間ではも8月16日になります。

昭和二十年八月十五日〇四、四ニ ベルン発
十六日〇八、一五東京着
在瑞西
加瀬公使
東郷外務大臣

第八八四号
十五日午前三時半外務次官ハ本件ニ対シ米国国務長官ハ在米瑞西公使ニ対シ十四日附帝国政府通告ハ「ポツダム」宣言並ニ十一日附四国回答ニ対スル完全ナル受諾ト認メ米国大統領ノ命ニ依リ別電第八八五号ノ「メッセージ」ヲ帝国政府ニ伝達方依頼セル旨ヲ伝ヘ直ニ帝国政府ニ電報方ヲ求メタリ(了)

国民に広く知らしめられたのが8月15日の玉音放送だ、ということから、8月15日が終戦記念日になったのでしょう。
僕個人は所詮決め事だし60年間の実績もあるので今更変えるよりは8月15日でいいと思ってます。
ちなみに「正式」という意味では戦艦ミズーリでの調印の日(9月2日)のほうが国際法的には正しいという議論もあるかと思います。



実はこの昭和20年8月14日は、埼玉県熊谷市が「太平洋戦争最後の空襲」を受けた日でもあります。

私の母親は熊谷の出身で、小さい頃にこの空襲に遭いました。
母の実家は幸い犠牲者はなく、家を焼け出されただけで済んだ(これを「幸い」というのであれば)のですが、市民には多数の犠牲者が出ました。
(空襲の概要はこちら、体験談はこちらこちらをご参考。また、市立図書館では60周年を機に回想展が開かれているそうです。)

空襲は深夜に行われ、母は着のみ着のままで焼け出され、翌日焼け跡の中で戦争が終わったと聞いた(玉音放送は子供には難しくて意味がわからなかったそうです)そうです。

不運という一言で片付けるには釈然としない思いがあるようで、終戦をめぐる昭和天皇の「ご英断」に関する番組があると、「もう1日早く決めてくれてればねぇ」とぼやいていました。

もっとも米軍も、上の受諾の電報がスイスについてから翌朝本国に送られ、さらに前線に指令が届くまでは時間がかかったでしょうし、サイパンやあたりから飛び立つB29の飛行時間を考えると、いずれにしろ間に合わなかったのではないかと思いますが・・・
(なので、母にはあえてこの話はしてはいません。)


昭和20年8月14日はそういう日でした。

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ヒトラー ~最期の12日間

2005-08-14 | キネマ
久しぶりに映画館に行きました。観たのは「ヒトラー ~最期の12日間」

ヒトラーの秘書をしていた女性の著書を基にした映画です。
※以下、ネタバレ注意です。

映画としての完成度はかなり高いと思います。
ただ「ヒトラーを描く」ことを期待していると、ちょっと期待はずれかもしれません。


ヒトラーの実像に迫る、というような映画かな、と思っていたのですが、ヒトラーについて何らかの評価or再評価を下すというものではなく、陥落直前のベルリンの地下壕内に設けられた指令本部での、ヒトラー(もちろん彼が中心なのですが)を含めたドイツ軍幹部たちを群像劇として描いた映画でした。
とはいっても、多分上の著書にあった事実をベースにしたものなので、現実にも近いのだと思います。
(秘書がヒトラーの遺言をタイプしているときに、ゲッペルスが自らの遺言の口述筆記を依頼しに来て「今、総統の遺言をタイプしてますから」「あ、そう・・・。後で来るわ」などというやり取りなど、妙にリアルでした。)


現実を認識すること
現状認識から敗北を内心で認めること
それを他人に対しても認めること
どういう敗北の仕方、終結の仕方をさせるかを考えること
そして戦争を終わらせる最終的な意思決定をすること
動いてしまっている現場を実際に終わらせること

そして、こういう状況の中で、自らの身の処し方を決めること

これらのことは(特に追い詰められた)人間にとっては難しいことで、その結果、組織としての意思決定が遅れて結局事態がより混迷し、個人にはますます逃げ場がなくなってしまいます。


ヒトラーが(自らの夢破れ、後は野となれと)自殺したあとも、将軍たちの意見が対立してすぐには降伏を決断できないところや、降伏の過程で予想外の人まで自決してしまうところ、市民兵の暴走などは、個人個人が大きな状況の中に置かれたときにいかに善悪、正邪の判断を維持するのが難しいかを考えさせられました。


理念とか理想とかは強い精神の支えにはなりますが、それが否定されたときのダメージは大きいです。また、ダメージが大きいからこそ、否定されたこと自体を認めない、という精神状態になりがちです。
多分、追い詰められた状況でも強いのは「死んだらあかん」とか「命あっての物種」とか非常にシンプルな考えなんじゃないかと思いました。


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ユニマットとシグ片山(南西楽園余談 後編)

2005-08-13 | よしなしごと
(ちょっと間が開いてしまいましたが前編から続きです)

ではシグ・片山氏はどこに行ってしまったのでしょうか。


改めて調べてみると、もともと、ユニマットという自販機営業は、やはりユナイテッド・スチール社の一事業部として1963年に創設されていたようです。
ただ、その後その営業は日本たばこ産業(JT)に売却されたようです。
こちらをご参照ください。)

また、オフィス用コーヒーマシンの㈱ユニマット・オフィスコの株主は
 ユニマット・ホールディング 37%
 日本たばこ 18%
となっています。

一方、貸金業のユニマット・ライフ も、今やシティバンク系列のCFJ株式会社の1ブランドになっているようです。

また、南西楽園の㈱ユニマットフューチャーの経歴を見ると
 昭和 47年 : 4月 銚子観光開発株式会社設立
 平成 7年 : 10月 株式会社ユニマットトレイディングと合併し、
        株式会社レインボー開発に商号変更
 平成 13年 : 9月 ユニマットキャピタルに商号変更
 平成 13年 : 9月 株式会社南西楽園に商号変更
 平成 13年 : 10月 株式会社ユニマットリバティーより
        宮古島ホテル・ゴルフ場等営業譲受
 平成 13年 : 11月 南西楽園小浜島リゾート開業
 平成 16年 : 2月 株式会社ユニマットリバティーより
        レストラン&ブライダル事業等営業譲受
 平成 16年 : 7月 南西楽園西表サンクチュアリーリゾート
        ニラカナイ開業
 平成 16年 : 9月 株式会社ユニマットフューチャーに商号変更
とあります。


これらを見るとユニマット・グループというのは、M&Aを繰り返す一方で、事業や会社を適宜売却してキャピタルゲインを得、業態を変幻自在に変えながら業容を拡大しているようです。


ここからは推測ですが、シグ・片山氏のユナイテッド・スチール社と今のユニマット社は次のような関係にあったのではないかと思われます。


シグ・片山氏はユナイテッド・スチール社を貸金業を営む高橋洋二氏に売却した。
高橋氏はユニマットのブランドを前面に押し出し、貸金業やその他のグループ会社を商号変更した(※)。
一方、ここ数年は自販機事業や貸金業子会社を売却するとともに、不動産・リゾート開発などに業容を変更しようとしている。
(※この辺は、買収した会社の商号だった「ライブドア」を使ってしまうホリエモンと同じ発想ですね)


ということで、結局南西楽園とシグ・片山氏がつながったら面白いな、という連想ゲームは成立しなかったようです。

しかし、類は友を呼ぶ、というのか歴史は繰り返す、というのか、「ユニマット」ブランドを引き継いだ高橋氏も、シグ片山氏同様かなりきわどいことをやっていると見受けられるところはそれなりに興味深いものがありました。
(ただ、この10年で業態を変えつつ成長してきたという戦略性・先見性の部分は、評価すべきだとは思います。)


何か妙な思いつきで小ネタをこねくり回しているだけ(しかも立花隆氏のように徹底して調べる根性もないw)で終ってしまいましたが、夏の夜の暇つぶしとしては結構楽しめました。
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受精卵に関する権利

2005-08-12 | よしなしごと
「政見よりも夫婦の絆」でふれた野田聖子議員の話の続きです。

テレビによると、野田議員は不妊治療に取り組み、ようやく体外受精に成功したものの、今回の総選挙で多忙なため、受精卵を子宮に着床させるのはしばらく待って、当面受精卵は凍結保存しておく、ということらしいです。


実は、彼女の選挙の当落よりはこっちの方が大きな問題をはらんでいるように思います。

人工授精自体は、不妊症治療等に有用だと思うのですが、「受精卵を凍結して保存する」
=着床・妊娠・出産の時期をコントロールする、というのが「仕事の都合」でそんなに簡単にされちゃっていいのかな、というところに素朴な疑問です。


①技術的に可能かもしれないけど、やはり冷凍保存って何らかの劣化を招きやすいのではないか。


②受精卵の法律的な立場は不安定なので、このような状況に長く置くのはよくないのではないか

現行法では子宮内の胎児であれば、損害賠償請求権や相続権等若干の権利が認められますが、体外にある受精卵では何の権利も認められません(「人」=権利の主体ではなく「物」=権利の客体です)
そうすると
受精卵の状態のまま母親が死亡し、「代理母」により出生した場合、誰の子になるのか?
(そもそも出生日より前に母親が死亡している、という出生届が戸籍上受理されるのか)
その場合、母親の遺産を相続できるのか
などといろいろ問題が出てきそうです。


③受精卵の管理権限は受精直後でも卵子の提供者にのみ管理権限があるのか

②のように、受精卵は現行の法律上は「人」ではなく「物」です。
そうすると、誰の所有物かが問題になります。
卵子と精子それぞれが別個にあれば出した本人の所有になりますが、受精卵のように一体になっている場合、民法では

第243条
 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。
第244条
 付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。

とあり、主従としたら(遺伝子の数以外の物理量は)卵子が主でしょうから、卵子の所有者である女性のものになりそうです。

この結論は、男性としては直感的に違和感があるのですが、たとえば着床前に精子提供者と離婚してしまったとき男性側から受精卵の廃棄要求が出たらどうするのでしょうか(これは人工授精の契約の問題かもしれませんが、そういう契約が生命の尊厳からいって認められるのか、という問題もありますね)

受精卵は「人」か「物」かについては、アメリカでも議論があるようです。


「女性は出産・育児のために仕事を犠牲にしなければいけないのか?」という反論もあるとは思うのですが、それは社会が出産・育児をサポートする体制の不足が問題であって、
「受精卵さえ手に入れてしまえば、あとは自分の思うがままのタイミングで自分の子供を手に入れられる」という考え自体は、あまり健全でないように思うのですが・・・


野田議員はせっかく本まで出して、不妊治療への理解をひろげようとしている(のが目的ですよね?)のに、今回の行動は逆効果になりはしないだろうか、心配です。
コメント (2)
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政見よりは夫婦の絆?

2005-08-12 | 余計なひとこと
賛成したのに“婦唱夫随” 鶴保氏「妻を応援」
自民党の鶴保庸介参院議員は十日、参院議員会館で記者会見し、郵政民営化法案に反対して衆院選で非公認となる妻の野田聖子元郵政相について、「夫として妻の応援に向かわねばならない。(党から禁止されても)あえて行く」と述べ、執行部方針に反しても野田氏を支援する考えを表明した。鶴保氏は参院本会議採決で同法案に賛成している。
(2005年 8月11日 (木) 03:02 産経新聞社)

これが朝のテレビでは「美談」のように取り上げられていて、開いた口がふさがらなかった。

そもそも夫婦であろうがなんであろうが、一政治家として有権者の付託を受けた以上は、自らの政治信条に基づいて行動するのが「イロハのイ」ではないか。
「奥さんだから主張は違っても応援するよ」というのでは「世帯収入が半減すると困るからこの際主義主張は置いておこう」というようにしか思えない。

もし自分が自民党の幹部であってもこういう行動をするんだろうか?


さらに夜になって夫婦愛優先で野田聖子氏援護、鶴保氏が派閥脱会
( 2005年 8月10日 (水) 23:53 Yomiuri Online)
、「私の連れ合い(野田聖子・元郵政相)が衆院岐阜1区で、自民党ではない立場で戦う。夫として応援に向かわねばならない。(派閥に)迷惑がかかる」と述べ、所属する二階グループを脱会する意向を示した。


この鶴保某という参議院議員は「自分の支持者の迷惑」は考えなかったのだろうか?
ここまでくると議員としての見識・資質に欠ける、というか、それ以前のレベルに思えてくる。


<余談>

財務省課長の片山さつき氏、静岡7区で自民擁立の方針
(2005年 8月11日 (木) 21:58 Yomiuri Online)
ということですが、前夫(片山氏は再婚済み)である参議院議員の升添要一氏は、逆に「主張は同じだが女としては許せないから足を引っ張ってやる」と言うべきなんでしょうかね、マスコミ的には(笑)
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「対立候補」という言葉の定義が間違ってませんか?

2005-08-11 | 余計なひとこと
ただでさえ暑いのにいちいち目くじらを立てたくはないのですが、「自民党が造反議員に対立候補を立てる」というのは言葉の定義がおかしいと思います。

自民党としては党議に反して公認を取り消したために、公認候補不在の選挙区が出来てしまうため、政権党としては当然そこにも候補を立てざるを得ないわけです。
しかもそこには無所属に転じながら依然として有力な候補がいるわけですから、自党の候補者を当選させるためには、集票力のある有力候補を立てる必要があるわけです。

自民党から見れば「対立」しているのは、反対派議員の方です。
対立候補がいようといなかろうと、自党候補者者を立てるのもあたりまえです。

何でこれが「道義にもとる」とか「奴隷を猛獣と戦わせるローマ皇帝」になっちゃうんでしょう?
こういう文句って、ベースに「自民党は自分の面倒を見るべきだ」という前提があるから出るんですよね。
でも、マニフェストに反する行動をして、なおかつ面倒を見ないと文句を垂れている方がおかしいと思います。


これは、就業規則違反をして解雇になった会社員が、会社が再就職先の面倒を見てくれないのは冷たい、と文句を言っているようなものです。

過剰接待疑惑で辞職した大蔵省官僚が、ほとぼりが冷めた頃に天下り先を世話されている事を批判していたのは、マスコミや国会議員の方々だったのではないでしょうか?
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ユニマットとシグ・片山 (南西楽園余談 前編)

2005-08-11 | よしなしごと
今回は、一昨日の南西楽園(ユニマット)からの連想ゲーム・憶測・与太話ですので、西表島とは全然関係はありません。

※「シグ片山」という名前が記憶の片隅にある方は、それなりの年齢の方に限られると思います。「ああ、あの人ね」とすぐにピンと来た人はかなりマニアックな方だと思います。


閑話休題


ユニマット・グループ、とういうのは昔からちょっと気になる会社でした。


昔から、「ユニマット」という独立系の自動販売機ベンダーとオフィス用のコーヒーマシンの販売をしている会社はあったのですが、当初は「ユナイテッド・スチール」という会社名でした。
僕がその会社を知ったのは、ちょうどアメリカでUS Steelとマラソン・オイルが合併してUSXになったころで、紛らわしい会社名だな、と思っていました。

レスリングの金メダルを紛失してしまった小林さん(一時期テレビにも出ていた)の所属がこの会社だった、という小ネタもあります。


その後、たまたま立花隆の「田中角栄研究-全記録」を読みました。

そこで出てきたのが、ロッキード事件でロッキード社の日本政界への裏金に対し領収書を発行していた「ID社 シグ・片山」という人物でした。
当時テレビや新聞報道で有名になった名前の一つです。

このシグ・片山氏の経歴について、立花隆氏によると

日系2世の49歳(昭和51年当時)、ユナイテッド・スティール社(鉄鋼輸入および自動販売機による飲料販売業、年商44億円)社長。
戦後来日し、占領軍に勤務した後CIAの仕事にも手を染めていたといわれる。
ユナイテッド・スティール社はベトナム戦争時米軍の公認の屑鉄商4社のうちの1社として大きな利権を享受していた。
他の屑鉄商はベトナム政府高官系2社、韓国系1社であり、日本の会社でここに食い込めたのは片山氏の経歴から米軍に太いパイプがあったことが想像される。
※前掲書下巻P55,56
ということです。

これを読んで、単なる自販機ベンダーでなく、社名にはそれなりの由来があるんだなぁ、と妙に感心しました。


その後ユナイテッド・スチール社は、バブルの頃から、オフィス用のコーヒーベンダーの営業を積極的に展開しました。
当時オフィス街を歩くと、ビルの前にワゴン車を止め、中からタイトなワンピースに派手目の化粧に高いパンプスの若い女性がコーヒーマシンを台車に積んで、いろんな会社にモニター営業をしているのが目に留まりました。
(キャバクラの「OLコスプレ」のような、ちょっと場違いな派手さがあったため妙に目立ってました)
オフィス街でそのような「イケイケ」系の営業をする会社も珍しいので、記憶に残ってました。


そのうち、新橋などを歩くと、ユニマットのロゴマークがついたサラ金のティッシュが配られるようになりました、上の記憶から「歩合制の若い営業マンの尻を叩いて強力営業で業績を伸ばした会社」というイメージがあったので、消費者金融も風土に合うのかな(取り立てられる側には回りたくないけど)などと考えてました。
会社名も、ユニマット・ファイナンスとか「ユニマット」を前面に押し出すようになっていたと思います。


ユニマット・グループはバブル崩壊も追い風にしたようで、青山にカッシーナのショウルームの入ったビルを建てたり(実はカッシーナ・ジャパンの親会社だったりもします)と今度は不動産業にも進出しました。


僕は、「田中角栄研究」を読んで以来、ずっとユニマット・グループはシグ・片山氏(またはその一族)が経営していると思っていたのですが、今回、ネットで調べた範囲では、現ユニマットグループは前回出た高橋洋二氏が一代で築いた、とされています。
こちらをご参照ください。)


ではシグ・片山氏はどこに行ってしまったのでしょうか。


(ちょっと長くなってしまったので以後は次回にします。)







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