※以下ネタバレ注意です。
アメリカでも下ネタ、差別ネタ、暴力ネタで物議をかもしたアニメ「サウスパーク」シリーズの監督が手がけた劇場2作目です。
(サウスパーク・シリーズについては、日本でも公開されたサウスパーク 無修正映画版や、現在WOWWOWでもTVシリーズを放送している(子供が見ていいのかなぁ?)ようなのでこちらの解説をお読みください)
この作品も、タブーもなんのその、平和そうなキャラが放送禁止用語や差別用語、政治家・芸能人の悪口を連発する、というサウスパークの流れの中にあります。
そもそも登場人物がすべて操り人形、という人を喰った設定からしてサンダーバードのパロディになっています。(こんな感じです)
しかも、実在の人物・組織とは一切関係ありません、といった端からいきなりハリウッドの有名人や金正日などが実名で登場します。
ストーリーは、世界中のテロ組織を撲滅すべく日々活躍(=過剰な大量破壊)を続ける「チーム・アメリカ」という組織(民間団体らしい)に、ハリウッドの俳優組合("Film Actor's guild"="FAG"=ゲイの隠語)が反対運動を繰り広げるが、その背後に世界をテロ攻撃する金正日の陰謀を感じ取ったチーム・アメリカが反撃をする、というものです。
ただ、そこに出てくるのは、剥き出しの悪口(特にマイケル・ベイ監督、俳優だとベン・アフレックとマット・デイモンが嫌いらしい)や差別用語や下品なシーン(マリオネット同士のsexシーンはアメリカ上映時に大幅カットされたらしいですが、それ以外にも、マリオネットがひたすら嘔吐するところなどがあります)、残酷なシーン(マリオネットだからといって情け容赦なくやたら死ぬ)のオンパレードです。
今回はR-18指定なので(サウスパーク劇場版はR-15だったかな?)、まあ、こういうものに嫌悪感をもつ人には絶対にお勧めできません。
ただ、この監督は監督・脚本のほかに、声優役や音楽の作詞・作曲・歌なども手がける多才な人間である事は間違いないです。
マリオネットの質感や表情はよく出来ているし、残酷シーンなども、とてもリアルに表現されています(多分映像的には難易度がかなり高いと思います。)
また、CGをほとんど使わずに、セットの実写で撮っているところも相当手間がかかっています。
また、随所にあふれる他の映画のパロディやハリウッド俳優の口癖の真似にはニヤっとさせられます。
たとえば、テロリストの待ち合わせのバーはスター・ウォーズだし、細かいところでは金正日のラストは「ヒドゥン」(話は飛びますが、この映画はお勧め!)だったりします。
ということで、悪ふざけを笑って見過ごす度量のある方か、未だに悪ふざけのクセが抜けない方(たとえば僕)にかぎり、お勧めできる作品です。