一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

半落ち

2005-08-19 | キネマ
※ ネタバレしてしまうとつまらないので注意しながら書きますが、バレちゃったらごめんなさい


これは原作を読まずにDVDを借りて見ました。


テーマとしては重く、考えさせられる部分もありますが、登場人物の描き方が不足しているように感じました。

多分人それぞれに考え方や受け止め方が異なるテーマなので、登場人物の背景や考えや事件への思いを十分に描きこんだほうが魅力が増したと思いますが、そこが通り一遍だったために、極端に言えば
「こういうテーマは重いですね、以上終わり」
になってしまったような感じがします。


裁判官役の吉岡秀隆は例によってワンパターンの演技だし(役柄はそのワンパターンに「はまる」のですが、その安易なキャスティングが深みをなくしていると思います)
検察官と弁護士が、裁判の席上での役割分担に関係なく事実を明らかにしようとしていて、それぞれの思いや苦悩が曖昧になってしまっているし、
刑事や新聞記者は、組織との軋轢はわかるものの犯人への思いにうまくつながっていかない
というように、
「せっかくの素材なのにもったいないな~」
という印象が残りました。

法廷の傍聴席に、原作者が(元の仕事でもあった)刑事事件の取材記者役で座っているなどという楽屋落ちもありますが、それより前にすべきことがあったような気がします(これは八つ当たりかなw)


原作は紙数も多そうですから、十分に描きこめていると思いますので、そっちを読んだほうがよかったかな、というのが正直な感想です。







コメント
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