小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

島の子供たちに伝える機会

2018年06月01日 | 大切にしていること
■私達が住む小笠原諸島。
この地域も多くの人の活動で支えられています。

島に住んで16年。
有償、無償を問わず、日々様々な仕事をしています。
そんな中、年に数回、母島の学校で子供たちに色んな事を伝える機会に恵まれてきました。

それは島の自然保護の仕事、消防団に関わる授業です。


元々、人にものを教えるのは得意ではないし、
教えれるほどのスキルを持っているとは思えないですが、
これからの世界を羽ばたいていく子供たちに伝えたいことは、
いっぱいあります。

最近、よく思うのは、
将来何になりたい、どんな仕事に就きたい、
いわゆる現代的な「夢」を持ってほしいわけではないのです。

やりたい事なんて、多感な感性の時期はどんどん変わると思います。
頭が固くなって、既存の価値観や先入観でしか物事を判断できない大人とは違い、
子供たちはとても柔軟で逞しいと思います。

自分なりの価値観を持って、
今、その瞬間興味があることに対して全力をつぎ込んでほしいと思っています。

「何になりたいか」ではなく、
「どう生きたいか」を見据えて生きていって欲しいと伝えていきたいと思っています。

授業以外でも子供会やKWNビデオコンテスト参加などでも、
色んな場面で島の子供たちと密に関わる機会があります。
それが僕にはとても有難いのです。


■自然保護の仕事では普段行っている、野ネコの捕獲と母島の海鳥の調査の仕事です。
この仕事について詳しくは「小笠原ネコプロジェクト」というHPがあるのでそちらを参考にしてください。

10年以上も続けて、近年は海鳥たちが少しずつ戻って来ていて、
嬉しい成果があらわれて来ています。

この取り組みを母島の小学生高学年に伝える機会。
座学をする日、校外学習として現地に行く日とあります。

色んな事に気を付けながらも、
子供たちには「外来種=悪」ではないと伝えています。
まずは命の大切さ素晴らしさを子供たちには知ってほしいと思います。

大人たちは今も悩みながら、活動しています。
今、絶対に正しいと言い切れないけど、
今、動かなければ、この目の前の希少な自然は確実に消失してしまう。
だから、頑張って、信じて活動しているのです。

でも、よく大人は間違いを犯します。
良かれと思っていたことが、その後裏目に出てしまう事は沢山あります。

でも、それを恐れずに今信じていることを頑張っている。と知ってほしいのです。

そして子供たちが当たり前に暮らしている、
この大自然に囲まれた母島の環境の素晴らしさ。
それに気付くのはきっと島を出てからなのでしょうが、
そのアカデミックな側面を超えた大自然の素晴らしさも伝えていきたいです♪

まだまだ伝えたいことは沢山あるけれど、
その時一番子供たちに伝えたいことを、
知ってほしいことを伝えているつもりです。

そして僕は、子供たちに多くの気付きを頂き、
沢山、学ばせてもらっています。

本当に子供の感性というものは凄いの一言に尽きます!


■また消防団として、学校や職場、保育園など色んな啓発や避難訓練など活動をしています。
先日は教員と中学生に救命講習を行う手伝いをしてきました。

看護師さんが主に講義を進めて、消防団員がその補助を務めます。

団員も上級救命講習の資格を持っており、
いざというときの為にAEDの使い方、心肺蘇生法を学んでいます。

多くの子供たちと関わる先生はもちろん、
これから島を離れて外の世界で活躍する中学生たちにも講義を受けてもらいました。

一番伝えたいことは、
いざ人が倒れている土壇場で後悔しない様に、
しっかりと自分に何ができるか考え、行動する人になってもらいたいという事です。
その為に救命のファーストエイド技術を伝えるわけです。
「ああ!もっとちゃんと学んでいれば、あの命が救えたのに!」と後悔しない為に!

子供たちの素直な姿勢に、
これもいっぱい教える側の私達も学ばされています♪
先生方も一生懸命講義を受けてくれていて、
本当に関わって良かったと思いました。


■他に消防団として小学生に授業を頼まれることがあります。
内地では当たり前の消防署がない地域。
そこでの消防団。
生業を別に持っている島の有志が集まって組織しています。

火災対応はもちろん、
台風警戒や、山岳救助、
日々機器の点検や訓練をしています。

島のみなさんの生命財産を守るために、日々活動しています!!

僕自身は十代の頃に海難で救助された経験があり、
その後、自分が救助していく側になることが恩返しと思って活動しています。

ここでも、もっと知っておけば救えたのに!と後悔しない為に、
訓練はもちろん、色んな事にアンテナを張っています。



■先日、またショッキングなことがありました。
それは今シーズンのウミガメの産卵が始まったばかりの母島の前浜。
上の写真のキャタピラみたいな跡がウミガメが産卵のために歩いた跡です。

学校が休みの早朝、母島の前浜で次女が何やら集めています。

よく見ると、それはたばこの吸い殻でした。

次女はこの安易に捨てられたゴミが自然に野生動物に悪影響を与えていることを知っています。
無責任なオトナの不始末を、子どもがしていることに、
同じオトナとしてとても胸が苦しい思いがします。

島の子供たちが将来大きくなって、
どこかにこうしてゴミを無責任に捨てる様になるのでしょうか?

自分の選んだ行動がどう世界に影響していくのか?
どうチョイスして生きていくのか?

これからの世界を生きる子供たちには、
大人の言うセオリー通りに生きるのではなく、
自分の感覚でシビアに見極めて、
どう生きたいのかをしっかりと感じとって行ける様に、
色んなエッセンスを伝えていければと思います。

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