カンボジア人の間で流行した歌謡曲「ムアイポアン・リアートレイ」。
直訳すると「一千の夜」。
明日、2年の任期を終えて日本に帰ってしまう仲良しの友達が、送別会でこの歌をクメール語で見事に披露!!
うーん、メロディーもいいし、なんだかロマンティックな曲だなあ・・・と心を動かされるところがあったりして。
そこで、大学生たちと、この歌をジェンダー的に分析してみました。
歌の内容は、女性が歌うという歌詞で、だいたい以下のようなかんじ。
好きなボーイフレンドと楽しい生活をおくっているわたし。
ある夜、素敵なディナーの場で、彼が薬指にはめる指輪をプレゼントしてくれた。
でも、受け取れないってことわっちゃった。
がっかりした彼は、店から黙って出て行って、そのまま交通事故にあって死んでしまったの。
わたしは、彼とずっといっしょにいたかったから、とってもかなしい。
(了)
「ずっと一緒にいたい」というのが、クメール語では「千の夜を一緒にすごしたい」となるのだ。
計算してみると、えらく短くないかえ?たった3年だよなあ。
いや、そういう問題じゃないとは分かってるんだけど・・・・
で、この歌を使うと、いろいろおもしろい議論ができちゃう。
ある男子学生は、「この歌はアイとは何かを完璧に伝えている歌だ!」って自信を持って言うものだから、「ねえねえ、アイってなになに、この際ぜひ教えて!」ってつっこむと、はずかしがってうつむいちゃうし。
しっかりしろよー。
なかでも盛り上がったのは「彼女はなぜ指輪を受け取らなかったとおもう?」って質問。
なんと、男子学生が「安物だったから!」って即座に発言したのにはみんなで超爆笑。
「やっぱりダイヤモンドでないとね!」って叫ぶ男子学生までいる始末。
他方、「彼女は将来外国に行くことになっているような雰囲気だったから、指輪を受け取って彼に何かを約束することができなかったんじゃないか」という女子学生の鋭い指摘も。
でも圧倒的に多かったのは、「分からない」。
うーん、分からんでも想像しろよお。
歌詞にある比喩がいまいちわからないわたしには、いったいなぜ彼女が指輪を受け取らないのか疑問。
若者の間にいろんな意見があって、集約できないし。
そこで、職場の女性たちに同じ質問を投げかけると、全然違う答えが!!
「あの歌では、実は男性には本命の彼女が別にいることになってるので、彼女が彼を信じられなくって指輪を受け取らなくって当然」とのこと。
うーん。いろんな解釈ができるものだ。
フレキシブルでいいか。
解釈なんて、心の在り方次第ってところもあるしなあ。
ま、ともかく、日本に帰る友達は、3年後にはカンボジアに戻ってきたいらしい。
カンボジアは、いろんな意味で過ごしやすいし楽しい国だからねえ。
千の夜を日本で過ごして、戻ってこれるといいね。
お勤めお疲れさまでした。