ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

世界経済危機の影響・・・・

2009年07月15日 | 女性の自立

「世界経済危機がカンボジア経済に及ぼす影響は?」ってタイトルのセミナー、やたら多いんだよなあ。


でも今回は、「経済危機が農業に及ぼす影響」ってことだったので、職場の同僚といっしょにセミナーに顔を出してみました。


農業はカンボジア人女性の63%が従事する産業。

農業で働く人たちは、いわゆるインフォーマルセクターで働く人たちと数えられてて、実態がどんなかんじなのかよく分からないという課題があるのだ。
漁業の専門家にいわせると、農業統計には漁業に従事している人が入ってない!という指摘まであったりして。



さてさて。
ジェンダー観点からの話だと、経済危機でまず話題になるのは、縫製工場の閉鎖。


30万人の若いカンボジア女性が縫製工場で働いているとう統計があるのだけれど、どんどんレイオフされているのだ。
最近の情報では、5万人以上の若い女性が職を失っているらしいのだけれど、仕事を失った女性たちが現在どうなっているのかの実態は不明。

経済危機の影響で、かなりの数の縫製工場が閉鎖されたけれど、同じ数くらいの新しい工場が新オープンしたという情報もあり、なんだかよく分からない。



それでは、農業は?
ってことで、今回セミナーでは、まじめにお話を聞くことに。
でも、先生方の説明を聞いてると、農業への影響はあまりたいしたことないらしい?

キャッサバの値段が下落したままなので、苦しむ農家がおおいらしいけれど、農業全般ではそれほど大変な状況ではないらしい(少なくともそういう説明があった)。


ところが、どっこい。
さて帰ろうとしていた私たちを引き付ける発表者が!!

コンポンチャムからセミナーに呼ばれたやせ細った農民男性が、経済危機について涙ながらに語ったのであった・・・・彼の話は以下。

(発言)
わたしは58歳で、子どもは10人もいる。妻は長く病気で寝たきり。
娘が3人いて、18歳の娘が縫製工場に出稼ぎにいってくれていた。毎月60ドルの月給で(約6000円)、2-3ヶ月に1回25ドルから30ドル程度(3000円程度)仕送りしてくれていた。現金収入がないので、ありがたいと思っていた。
でも経済危機のせいで、娘は仕事を失った。それで生活は大変になった。
以前は、生活は苦しくても時々肉を食べれていたけれど、今は肉なんてとても食べられない。1日2回白米を食べるだけでも精一杯。
生活が追い詰められているので、17歳の息子には学校をやめてもらった。
将来が不安だ。政府になんとか助けてほしい。
(了)


数百人いた会場、しーんとなっちゃって。

こういう声が届いたら、行政には何ができるんだろう??
政府も予算がないから、正直つらいよなあ。


貧富の差がますます広がっているというカンボジア。
都市にいるとランドクルーザーばかりで豊かだなって思うけれど、田舎では食べ物も困っている人がいるんだよなあ・・・・