キッコーマン・おしょうゆさし(2006年9月2日)

2006-09-03 11:56:49 | Weblog

わが家の近くの、キッコーマン醤油のお話し、その2です。

ひとり暮らしをしていて、食卓兼勉強机兼パソコンデスクの上で使われる“しょうゆさし”で、いちばん多くの人が使っているのが、黒いお醤油に赤いキャップのキッコーマンの卓上ビンでしょう。なんでもポリ・プラ時代になっていますが、ガラスビンなのです。なんとなく愛着のわく、お醤油ビンです。

デザインは、なんと20代の頃の榮久庵憲司さん。1961年に世に出ました。しげしげ見つめるとしっかりと、G(グッドデザインマーク)がついています。

もっとも高名な“しょうゆさし”は、森正洋さんがデザインした、真っ白な“G型しょうゆさし(佐賀県の白山陶器)”でしょうか。形が美しく、お醤油がたれない。私のうちでも、使っていた。むろん、評判もデザイナーの名前も、知っていたわけではない。森正洋さんは、昨年(2005年)秋だったか、お亡くなりなったように思う。G型しょうゆさしは、40年前(1956)の作品です。

私の子どもの頃、おしょうゆさしは、どの家でも、うどん屋さんでも、ガラス、しかも切子細工のような、周囲にブツブツのあるものと、決まっていたように思う。いつのまにか、そんなしょうゆさしは、姿を消してしまった。

私のうちで、今使っているものは、ガラスのもの(上の写真の右側)である。キッコーマン卓上ビン、次がG型、そして三代目だろうか。このしょうゆさしは、デザイナーも、メーカーもわからないが、けっして悪くないと思っている。

いつだったか、銀座のデパート松屋で、ウィンド・ショッピングをしていた時に、G型しょうゆさしに再会し、“買っておこうか”と話したら、おしょうゆさしがいくつあってもしょうがないじゃない、とたしなめられた。1000円少々だったろう。そう、今困っているわけじゃない。おそらく家人は、私が、長崎のおみやげ屋で、なんとなくひかれて買ってしまった、しかも、ふたつもの、使われないお醤油さし(下の写真)のことを言いたかったのだろう。

雑器にしても、民芸にしても使われてこそ光る。そんなことは、わかっているのだが。