今日は中学の英語の教科書の話です。
教育基本法が強引に改定されそうだからでもなく、小学校から英語を教えろ(!)論議も関係ありません。先日、ウチの書庫をさすらっていた時に見つけて、ブログ・ネタ切れの時に使おうと思っただけのことです。
中高年、いや高老年が、中学時代に使った英語の教科書は、“ジャック アンド ベティ”だったのです。写真は、私が使った教科書です。昭和29~36年頃に使われたものです。
表紙のボーイ(ジャック・ジョーンズ)とガール(ベティ・スミス)の美しくて、颯爽として、そして親しげな男女の姿をみて、あるいは自動車、芝刈り機のある庭の生活に、私ら日本の中学生の多くは、わが身との大きな違いを感じながら、誰もが素晴らしい国・アメリカに憧れをいだいたのです。
私が大事に、この教科書を持っていたわけではありません。平成4年に復刻出版されたのを買ったのです。この復刻版の付録に、教科書“ジャック アンド ベティ”のシリーズを解説した小冊子がついています。
そこから、昭和24年から始まって、昭和40年頃まで使われていた教科書の表紙を引用しました。およそ56歳以上の人は、ほとんどが“ジャック アンド ベティ、シリーズの教科書を使っていたのです。
昭和38年に、教科書が無償になりました。それに合わせて、それまで学校単位で先生が自由に教科書を選んでいた時代から、教科書統制時代に入っていったと、小冊子は書いています。“ジャック アンド ベティ” を出していた出版社“開隆堂”は、「New Prince」シリーズの教科書に変えていったようです。
その時、日本は、もうアメリカへの憧れの時代ではなくなっていたのかもしれません。
私は、“ジャック アンド ベティ” で英語を習ったどうかで、意識に大きな違い、世代間の意識の違いがあるのではないかと、思うのです。
今ごろ、こんなことを書くからといって、英語の成績が良かったかといえば、それはまた別の話しです。英語って、習うより慣れろかもしれません。私は、アメリカのフォークソングやロックを聞きながら、歌詞が聞きとれていたわけではありません。でも歌詞の意味は、知りたいと思って聞いていました。それが“歌”というものです。
こんな本も読んでいます。日本が、新しい自由と民主主義の国に変わっていく時期に、それにふさわしい英語の教科書を作ろうと、燃えて“ジャック アンド ベティ”を作っていった人たちの話(写真右)です。
残念ながら湾岸戦争直前に他界されました。
とても日本を愛しておられた、人間愛いっぱいのかたでしたよ。
たくさん出てきました。知らなかったのです。
しばらく読んでみようと思っています。
ご存知の、お知り合いの方だったのですか?
(f)
発音の仕方が英語よりもっとわからない記号で書いてあり苦手でした
私の場合は中2までイギリス英語のJack and Betty で 3年からアメリカ英語の New Prince Readers に替わったと思います。昭和39年か40年だったと思います。
私は英語が得意で英語の教師を50年近く勤めました。