*この夏に買ったディラン本2冊
先週、昔働いていた所の大先輩で、ノーベル文学賞のフォークナー研究者さんからメールをいただきました。<ノーベル文学賞の賭け屋の予想の第2位がボブ・ディランですね>と。先輩と、アメリカ南部の風土と気質、文化といった話をした時に、ボブ・ディラン好きと話したのでしょう。ずいぶん前のことです。
*日経ですが、共同通信の配信記事です。
ボブ・ディラン;ノーベル賞の話は、10年以上前から、ときどき話題になります。ワタシ、ディランの詩を読んでも理解できませんので、文学に相当する詩作であるか、全くわかりません。プロテスト・ソングを歌っていた時代の曲は、辞書片手に理解しようとしていました。
今は、訳詩すら読みません。歌の意味なんて気にかけないロックとして聞いています。
今日は、この夏に買ってしまったボブ・ディラン本を紹介します。
買っても読まないのですが、<ボブ・ディラン>の新刊となると買ってしまうのです。
ひとつは、<ボブ・ディラン読本> 2012年7月6日発行
表紙に、<ディラン、レコード・デビュー50年>とあります。
訳詩者の片桐ユズルさんの原稿が再録され、中川五郎さんの原稿が載っています。まず読みました。久しく本屋の書棚でお会いすることのなかった三浦久さんが、<ディランとアップル・コンピュータのスティーブ・ジョブスさんの接点>に言及されており、興味深かった。
もうひとつは、<ザ・バンド&ボブ・ディラン> 2012年8月14日発行
表紙に、<追悼・レヴォン・ヘルム>とあります。
ここでは、ディランのブートレッグを書かれていた鈴木カツさんに触発され、ディランの海賊盤集めに夢中だったことを書いてみます。
書き出せば、軽く一冊になるでしょうが、少しだけ書きます。
ノーベル文学賞級の文学であるかはわかりませんが、日本にさえ、大学の先生が研究対象とされていたようです。アメリカ文学研究であるのか、余暇の雑誌向き原稿であったのか、面識がないのでわかりません。ワタシ自身は、授業の宿題のようにディランに接していました。いや、今の言葉でいえば、オタクでしょうか。
1960年代初頭、アメリカの公民権運動の先頭で歌っていた20歳少々の若者ディランが、運動から次第に遠ざかっていきます。1965年夏のニューポート・フォーク・フェスティバルで、ロックンロールを歌います。歌った・・・と、4,5年たって聞こえてきます。そのことは、日本の音楽雑誌の記事(それも米国の雑誌記事の翻訳が頼りだった)、から知ります。
ライブレコードや、ライブ映像で知ったわけではありません。
・・・・ずっと10年か、20年もたって、その時のライブがレコードになって出ます。公式盤ではありません。誰かの録音を、誰かがレコードにして、秘かに?売り出すのです。ブートレッグ、海賊盤と言わる、オフィシャルでないレコードです。
今では、コンサートがあると、すぐにネットに、映像が流れるでしょう。その昔のコンサートの、誰かが撮影した映像もネットに流れています。誰でも、ネットに流すことができそうです。CD-Rに焼いて<売り出す!!>こともできるでしょう。
40年前の話です。CDもない、レコード盤(ビニール盤)の時代の話です。
ディランは、1966年7月29日に、オートバイ事故を起こし、音楽世界から遠ざかります、公式レコードの発売も止まります。世間では憶測が飛び交います。そのころ、ディランは、ウッドストックで、静かに暮らして、時おりザ・バンドの連中とセッションをつんでいたのです。
そのセッションのテープから、レコードが作られ売り出されます。もちろん海賊盤です。
レコード・ジャケットは、真っ白でした。レコード真ん中のレーベルにも何も印刷されていません。
その通称<グレート・ホワイト・ワンダー>は、新聞や雑誌にも取りあげられ大評判になっていくのです。
*ワタシの持ってる最も古い部類の海賊盤レコード一番上は<GWW Live1961 >・・・・ただし買ったのは1990年12月、ニューヨークです。15$でした。むろん中古です。
その後、ディランのライブや、公式盤の未使用曲(アウトテークス)など、ありとあらゆる音源からレコードが作られ、さらに、それをコピーして新たなレコードが作られます。正確には知りませんが、数多くの会社が作り、アメリカだけでなく、規制がない国?でしょうか数多くの国で作られていきます。
*この<ボブ・ディラン=アン・リリースド・レコーディング(Paul Cable著)>を頼りに買っていました。
日本でも次第に買うことができるようになりますが、なかなか見つけることはできません。ディランの海賊盤を求めて、西新宿あたりをさすらっていたのです。1980年代になっていたでしょう。
今では、いや1990年になると、完全にCDの時代です。海賊盤も公式盤と同じように、きれいなカバーのかかった、音源がきちっと書かれ、ライナーノーツも入った海賊盤です。いくらでも買える時代になりました。
ワタシ自身、ボブ・ディラン60年代70年代の音源は、海賊盤としてほぼパーフェクトに揃ったかなと思い始めました。急速に、興味を失っていきました。
そうして今、インターネットには、なんでもありでしょうか。ネットで探してみたことはありません。今でも、西新宿にあたりのレコード屋があるのかどうかも良く知りません。