*Rachel Louise Carson (1907.5.24-1964.4.14)
ウチの水道の水は大丈夫だろうか。東京都は金町浄水場の水は放射能汚染で乳児の飲料には禁止と発表しました。同じ江戸川、しかもより福島原発に近い上流から取水している、わが町にある埼玉県の庄和浄水場の放射能汚染の有無について、何ら発表されません。
まあ私ら世代への影響はともかく、まだ人生の長い若者のことを考えると、どうしたことでしょうと言わざるをえません。早く問題なしと発表してほしいのです。
そんなことを、ぼんやり思っていたら、野山に生き物がいなくなった春、死の春<沈黙の春=Silent Spring>の世界を思い出しました。化学汚染を鋭く告発したレイチェル・カースンの業績・生涯のことです。
<沈黙の春>は1962年の発表です。農薬など化学汚染の問題を鋭く指摘しました。
私ら世代は、殺虫剤DDTを頭からかけられた世代です。DDTをはじめとする化学汚染により、生物は死に絶えるという警告です。
レイチェル・カースンの警告に、当時の社会、産業界、学界、政界から激しい反発を受けました。しかし、米国ケネディ大統領の他、多くの国民は、環境破壊に目を向けます。市民は行動を起こします。その後始まった毎年4月のアースデーの精神的支柱になります。
(今年2011年の東京でのアースデーは4月23、24日です)
日本でも、田んぼの溝(用水路)の生物の多くは絶えてしまったかもしれませんが、1960年代から比べ、川や海の汚れはしだいにひどさは解消してきました。美しさを取り戻しつつあります。今は、地球環境、自然環境の保護は、誰もの常識のように認識されています。その先導者が、レイチェル・カースンです。
また今や、食べ物の安全にも誰もが気にかけます。無農薬野菜、有機栽培野菜を手にとる時代になっています。
そうした中での、今日の福島原発事故です。放射能汚染がそこに来ているのです。
私ら世代の多くは、原子力発電には危惧を覚えていました。国内外あちこちに反対運動もありました。それが、核の平和利用、地球環境保護、温暖化防止の決め手としての原子力発電というスローガンに許容してしまったのです。安全への技術の確立、進歩もあろうとも思ってきました。
しかし原子力・核の危険性、被害・影響の膨大さは解消されていたわけではなかったのです。
さあどうしますか。私らの子や孫の世代に、危険を先送りしたらいけません。安全な世界を、次の世代に引き渡さなければいけません。放射能汚染の水を、赤ん坊や子どもに飲ませたらいけないのです。
【おまけ】
*ウチの書棚のレイチェル・カースン
*このブログで、レイチェル・カースン生誕100年の時、2007年5月に書いています。http://blog.goo.ne.jp/geibunkyou/d/20070522
*ほんとに偶然です。今、<レイチェル・カーソンの感性の森>という新作映画の上映が始まったようです。レイチェル・カーソンの最後の著作は<センス オブ ワンダー>です。<センス オブ ワンダー>の世界を映像化しているようです。
http://www.uplink.co.jp/kansei/
*わが庄和町の埼玉県の庄和浄水場の水のこと
今朝(3月24日)の朝日新聞の記事“埼玉県生活衛生課は、23日午後、金町浄水場と同じ江戸川から取水している庄和浄水場(春日部市)からの水道水を越谷市の公共施設の蛇口で採取し、検査に回した(25面、埼玉面)”の情報しかありません。
【おまけー2;3月25日に追加】
*3月25日、庄和浄水場の水のこと続報
朝日新聞(3月25日朝刊25面);<埼玉県企業局は、新三郷から約18キロ上流の県庄和浄水場(春日部市)からの水を23日に採取し、24日の検査で放射性ヨウ素は35ベクレルだったと発表した>
乳児の飲み水の基準値は100ベクレル。
・・・・・問題なしのようです。
*埼玉県の発表(新聞記事の元データ)は、次の通りです。
水道水における放射性物質測定結果報告-平成23年3月23日(水)採水分-
江戸川から取水している埼玉県庄和浄水場(春日部市)の水道水の放射性物質の測定結果
は下表のとおりです。この数値は、国の指標を大幅に下回っておりますので、現時点では健
康への心配ありません。
なお、同じく江戸川から取水している新三郷浄水場(三郷市)から水道水を送っている
川口市の検査(3月22日12時採水)によると市の浄水場4か所のうち1か所で120Bq/kgの放
射性ヨウ素が測定されました。しかし、24日午前6時に採水した水道水の検査によると、
46Bq/kgに低下したとのことであり、川口市としては今後の推移を見守ることとしています。
県では、昨日の15時から開始した浄水処理過程での活性炭投入を本日から強化しまし
たが、当分の間これを継続するとともに、庄和浄水場に加えて新三郷浄水場、行田浄水場
の放射性物質の監視を継続して行い推移を見守って参ります。
また、検査結果につきましては、速やかに公表して参ります。
〈庄和浄水場測定結果〉
採水日時:平成23年3月23日16時
採水場所:越谷市千間台地内
測定結果 食品衛生法に基づく乳児の飲 原子力安全委員会が定めた飲
用に関する暫定的な指標値 食物摂取制限に関する指標値
放射性ヨウ素 Bq/kg Bq/kg Bq/kg
(ヨウ素131) 35 100 300
放射性セシウム Bq/kg
(セシウム134 0.59 - 200
及び137)
(測定機関:埼玉県衛生研究所)