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カーター・ファミリーの故郷への入口の街ブリストル(Bristol)の名は、カントリー・ミュージックの歴史に<特別の意味のある>街であることは知っていました。
*左下のBristol sessionsのCDは持っていたが、この旅で、左上のCDを買った(内容は同じでしょう、でも買うのですね)。右の本も買いました。
いうならば山の音楽家、カーター・ファミリーが世に出るきっかけとなったのが、近年、ブリストル・セッションといわれている、今風にいえば、新人オーディションがあったのです。
1927年です。円盤型レコードができたばかりの頃のことです。 RCAビクターの録音技術者(ディレクター)であるラルフ・ピアが、録音機(カッティング・マシーン)持ってブリストルに滞在し、録音しレコードにするチャンスを与えますと、新聞広告を出したのです。
周辺地域の声自慢、腕自慢が応募してきました。その中に、カーター・ファミリー、後で、カントリーソングの父といわれたジミー・ロジャースがいたのです。
レコードというメディアができて、そこに新しい“音楽の広まり”ができたのです。山の、田舎の音楽好きが、一気に全国的な人気者になったのです。なれる時代が来たのです。さらに、このレコード・メディアと合わせて、これまた始まったばかりのラジオが、全国的な広がりに大きな役割を果たしていきます。
ブリストルでの録音は、一過性のものです。しかし、この録音は、歴史に残ったのです。だから、ブリストルの街は、Birth-place of Country Music(カントリーミュージック誕生の地)として町おこしを進めているようです。
3日間滞在した私は、小さいけどなかなかいい町だったな、と思っています。“地球の歩き方”風に街を紹介します。
長距離バス(グレイハウンド)バスの停留所は、街中心部にあります。その近くを通っているステートロード(州道)を境に、北側がバージニア州で、南側がテネシー州です。このステートロードの両側が中心部です。
*壁の絵;左から、ラルフ・ピア、カーター・ファミリー、右端に、ジミー・ロジャース。
音楽広場あります。“カントリー・ミュージック誕生の地”は、ここにある壁に書かれた絵でしか確認できません。録音した場所(ビル)はとっくに取り壊されています。この広場では、毎年9月に、マウンテン・ミュージック・フェスティバルをやっているそうです。気をつけて歩いていると、通りには、カーターファミリー・ストリート、ジミーロジャース・ストリート、ラルフピア・ストリートの名前が読めます。
*ユニオンステーション(鉄道の駅)
*往時の街並み
この街の、東の端に、鉄道(アムトラック)の立派な伝統的な駅がありました。おそらく今は、一日数本の発着でしょうが、往時からの街の隆盛がしのばれます。駅前には古風なビルの銀行があります。中心部に“史跡的”な劇場(Paramount Center for the Art)がありました。場内見学もできるようです。
*左に劇場、右端が、カフェ・レストラン
通りには、いくつかのおしゃれな店がありました。マウンテン・エア・ミュージック、CD屋さんというより、この街の若者向きの音楽拠点のように感じました。しばらく話し込みました。壁に、カーター・ファミリーのレコード。
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食事をしたのは、パラマウント劇場の隣のソウルフードの店。若いウエートレスさんがとても気持ちのいい店でした。結婚式の2次会パーティ案内のチラシがおいてありました。
日曜のお昼を食べたのは、上海料理店。日曜ブランチはバッフェです。どんどん家族連れが入ってきました。人気のお店なのでしょう。お箸を持ってきてくれた娘さんが、“9月のフェスティバルはとてもにぎやかですよ”と。
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*古レコード、古ギター、古ライフル、古ピストル(真ん中下);骨董品屋さんのショーウィンドウ。
通りの北側は、アンティークのお店が並んでいます。古い田舎町らしい。きっと掘り出し物があるに違いありません。旅をはじめたばかりで、ここでいろいろ買い込んだら大変だったでしょう。さいわい日曜の午前中で、まだ開店前でした。
通りのずっと西のはずれ、私が泊まったモーテル(Night inn Bristol)の近くに、ショッピング・モール(Bristol Mall)がありました。地域の人々の買い物は、昔の街の中心部でなく、ここでも郊外に移っているようです。
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このモールの中に、マウンテン・ミュージック博物館(BCMA:Birthplace of Country Music Allianceが運営)がありました。ほんとに一部屋だけでしたが、カーター・ファミリーを中心として、とても素朴な、この世界を大事にしているなと感じさせます。CDや関連書籍を買うこともできます。まもなく街中心部の新しい施設に引越しするようです。
【おまけ】
*帰りのバスは、日曜の午後1時45分発車です。その後は夜行バス。日曜は、停留所は閉まっています。ちょっと不安げに表で待っていましたが、無事バスに乗ることができました。