民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

NHK次期会長人事から考える

2013-12-26 16:58:31 | 政治

籾井勝人という方が次期NHK会長となる。さまざまな報道を見るにつけ、NHKとのこれまでの付き合い方を変えていかなければいけないかと思う。
若いころはNHKの受信料を徴収に来た人に、自分はNHKと直接契約を結んだ覚えはなく、自動的に受信料を徴収するのは不当だなどと、本多勝一に感化されてたてつき、困らせたこともありました。ところが、ここ10年20年くらいでしょうか、民放の番組が やたらと安直なバラエティーに偏り、芸人が受け狙いの質問をして受け狙いの答えをし、おかしくもないのに笑ったり、人を貶めたりする番組ばかりとなって、反対にNHKは長期取材に基づく鋭い切込みで見せてくれるようになり、これはNHKしかないと思うようになりました。毎年ある8月の戦争を記憶しようとする番組、格差社会、貧困化に関する番組、3.11、反原発に関する番組。よくやってくれると思います。もったいないから、できるかぎり録画しています。これに対して、偏向している、会長が悪いといって特定の政党が横やりをいれるなら、自動的に受信料をとるようなシステムは、おかしい。政権政党のPR放送がNHKだとしたら、どうしてお金を払わなければいけないのですか。ナチスにならえばいいと思わず出た言葉のように、ナチスの宣伝相ゲッペルスを用いなければいけないと考えてでもいるのでしょう。ウィキペディアによれば、ゲッベルスは「宣伝は精神的認識を伝える必要もなければ、おだやかだったり上品だったりする必要もない。成功に導くのがよい宣伝で、望んだ成功を外してしまうのが悪い宣伝である」「重要なのは宣伝水準ではなく、それが目的を達することである」とし、その目的は「大衆の獲得」であり、「その目的に役立つなら、どんな手段でもよいのだ」と語っているという。都合の悪いことは隠し、目的を達するための宣伝は手段を選ばないという、恥も外聞もない政治手法がまかり通る世の中となるのでしょうか。知らないうちに限られた情報だけが刷り込まれて、正しい判断ができなくなることは、先の大戦で実証済みです。

何もかもが戦前回帰へと向かっていると思っていたら、靖国参拝です。北朝鮮の外交を、だだっこだとか、あえて緊張をあおる瀬戸際外交だとかいいますが、この国の首相のやっていることも全く同じではありませんか。あえて相手の嫌がることをして、対外緊張をあおり軍備を強化しようとする。そのうち、「将軍様」と呼びなさい、ということにでもなりはしませんかね。