民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

松くい虫の駆除

2017-06-22 17:39:56 | 政治

いつか松本盆地周辺に松くい虫の被害が広がっていることを書きました。この被害は、カミキリムシが媒介して松を枯らしてしまう虫というか線虫が、拡散していくもので、詳しくは知りませんが防除するには薬剤を樹幹注入するか、カミキリムシを殺すしかありません。樹幹注入は木ごとにやるもので、木に注射をするようなものですが薬剤が高く、庭木ならともかく森に生えている全ての松にするなど不可能です。かといって放置しておけば、カミキリムシが広い範囲に拡散して次々に松を枯らしてくれます。つまり、その地域の赤松が全て枯れて虫が生きられなくなるのを待たなければ、どうにもなりません。山全体が枯れるのを座視するわけにもいかず、行政が考えた手段は空中からの薬剤の散布です。山全体に薬剤を散布して、媒介するカミキリムシを殺してしまうということでしょうか。ところが、この薬剤の散布について市民から中止を求める提訴がありました。以下に本日の朝日新聞から引用します。

松本市による松食い虫防除の薬剤空中散布差し止めの仮処分を申し立てている市民団体「農薬による健康被害から子どもと市民を守る住民の会」は21日、記者会見を開き、来週中にも、散布差し止めを求めて、同市を相手に長野地裁松本支部に提訴すると発表した。市は23日と来月、本郷地区と里山辺地区の山林計約20㌶で無人ヘリコプターによる薬剤空中散布を予定していたが、仮処分申請後の15日、本郷地区での散布中止を決めた。19日には里山辺地区での23日の散布延期も決めたが、来月分については「実施する」としている。住民の会代表の安藤絵美子・弁護士は「本裁判の公開法廷で、空中散布の問題を徹底的に争う」という。

薬剤の空中散布の効果、そして散布された場合の人体への被害の実態、の争いとなるでしょうが、裁判で争うには難しい問題です。そんなら市は静観しますので、地元で好きなようにやってくださいと、行政はサジを投げてしまう方法もあるでしょうが、そこからまた他地区へと被害が広がっていきますから、面倒なことから手を引くわけにもいかないでしょう。徹底的に争うという人たちは、景観の問題はどのように考えるのでしょうか。何もしなかったら長野県の松はすべて枯れてしまいます。全部枯れて、次の植生が育つのを待てばいいのか、何らかの手を打つべきなのか。これといった駆除の妙案がないだけに、裁判所がどんな判断を下すのか注目されます。

 

 


NHKを見直しました

2017-06-21 11:38:22 | 政治

国会は閉会しましたが、加計学園問題は終わりません。まずは、NHKのクローズアップ現代+です。国谷さんをおろして、自前の女性アナウンサーを民放の女子アナみたいにそろえて放送する、ろくな番組ではないと思い見ていません。そこで19日に、未発表の文科省作成文書を報道したというのです。それで、文科大臣が翌日記者会見を開き、文書の存在を認めるという動きになりました。ここで問題にしたいのは、政府にとって不利になるような情報をよくNHKが報道したということです。おそらく文科省の役人からのリークがNHKにあったのだと思います。役人はよく握りつぶすかもしれないNHKを選んでリークしたものですが、おそらくそれは人間関係でしょう。絶対握りつぶさないという確信があったればこそ、NHKを選んだ。次に、文科大臣がよく公表したものですが、これは公表しなければ実名を出して記者会見するくらいの勢いが文科省の役人の間にあったのでしょう。文科省と官邸との対立は、抑えようがないところまでいっています。で、話にあがった萩生田官房副長官は、不正確な内容が書かれた文書だと、全否定したわけです。全否定というのが、自分のいうことは嘘だと証明しているようなものじゃありませんか。文書の出処が不明確が怪しい文書だからコメントできない、文書の存在が確認されれば内容が虚偽だという。では真実はどこにあるかといえば、私が言ってないというのだから、それ以上でも以下でもないと言い切る。都合の悪いことは全部嘘だといえばそれが通るとすれば、この国には真実はどこにも存在しません。権力者こそが真実だということになります。北朝鮮や中国を民主主義国ではないとかと、与党の議員はすぐ引き合いに出しますが、日本という国も負けないくらい独裁国家ではありませんか。そして、それが強化されようとしています。


国民主権とは何か

2017-06-17 11:01:18 | 政治

通常国会が閉じます。この間の国会の審議とは、何だったのでしょうか。選挙で国民から選ばれた国会議員が、行政からあるいは議員自身から提出された議案について、審議を通じてよりよいものに練り上げる場であるはずです。ところが、やってきたことは政府が提案した議案(法律)を、いかにも審議した形式をとって可決するかに終始していました。挙句の果ては、政府に都合の悪い内容は追及されないように国会をあせって閉じてしまう。国民は馬鹿にされたものですし、そうした議員を選んだのは我々です。私たちに残されているのは、選挙で鉄槌を下すことだけです。ですが、こうした憤懣やるかたない思いを、人々はいつまで持ち続けられるでしょうか。有権者は選挙までにはどうせ忘れる。少し甘いものをしゃぶらせれば、また自分たちの思いのままだと政権与党の皆さんは高をくくっているのでしょう。先の戦争もこうやって知らないうちに進行していったのでしょう。民主的な政策と右翼的な政策が同時に進行するのは不思議だと、歴史を学びながら思ったのですが、現実はアメとムチでいつも進んでいくのですね。国民主権でありながら、主権を放棄しているのかと疑ってしまいます。かくいう私も、何もできないのですが。ヒトラーがオリンピックを目くらましに使ったように、東京オリンピックも同じように使われることが明らかになってきましたね。美しいオリンピック精神に酔っていたら、自分たちの立ち位置はとんでもない場所に移動していた、なんてことになりそうですね。

物事をはっきりいう落合恵子さんが、長くやっているNHKラジオの番組に、絵本の時間というやつがあります。日曜日の7:30ころから皆が聞きやすい時間でした。何でも言う落合さんですが、この時間には政治的話はしません。ところがこの番組が土曜日に移動したと思ったら、今度は朝の5時台という、一部の人しか聞けない時間帯になりました。この番組はファンも多いでしょうから、やめたら抗議がおこるから、やめはしなくて聞きにくい時間帯に移すという手を使いました。こんな姑息な手段を、NHKのアナウンサーたちはどう思っているのでしょう。「今日が皆様にとっていい日でありますように」などといった、歯の浮くような定型句をしゃべりつつ、宮仕えのむなしさを思っているのでしょうか。


共謀罪

2017-06-09 09:07:38 | 政治

どれがテロ集団化わかないとき、テロ集団と認定するためには、その時点でどうなのかわかない多くの人々に網を張り、情報を認定する必要があります。そのためには、一般人(この定義もあいまいですが)を捜査の対象とせざるを得ません。これは少し考えれば誰でもわかることです。

私は活動家でも何でもない、いうところの一般人です。ですが、なかなかそうはみられず反抗的で、危ない人間とみられたようです。就職したころのことです、目上の者の命令は素直に聞くべきだ、聞いて当たり前という雰囲気が好きではありませんでした。職場で自由にものを言えというので、本当にこの雰囲気ではいけないという発言をしたら、それが問題となったようでした。校長に呼ばれて真剣にこういわれました。「京都で学生運動の活動家がつかまった。そのメモに君の名前があった。だから、これからの行動は十分に自重するように」 私はひ弱なノンポリ学生で、学生運動に加わったことはないし友人にも活動家はいなかったです。それでも、メモにあったと真顔で言えば、そうかなと思います。後で考えれば、管理職のいうことを聞かない若造を、何かの力で脅してやろうという姑息な手段であったと思います。その管理職には、飲み会の席でお前のようなズクナシ(このあたりの方言でやる気のない者とでも訳せましょうか、厳密にはニュアンスを伝えにくいですが)には、担任は持たせねえ といわれたこともありました。これも噴飯ものの発言ですね。若者はみんな担任したがっているが、それを持たせないと脅したのですが、できるなら担任はもたないで楽をしたいと今は思われていますし、当時の自分にとっても何の脅しでもなかったのですが。共謀罪が施行された場合、活動家のメモから君の名前がみつかったという発言が、現実に検挙されるかもしれないという具体性を帯びた脅しになります。政治や社会にたいして批判精神を持った人間を実際に排除する、あるいは怯えさせて自制させる手段になることは、目に見えています。そんな世の中はいやです。年が上、社会的地位が上の人に対しても、間違いは間違いとして意思を表明できる、そうした世の中でなければならないと思います。忖度が横行する世の中はいやです。


非行少年の論理

2017-06-08 05:44:20 | 政治

勤めているときには、たくさんの問題行動を起こす少年・少女たちとつきあってきました。彼らには彼らの事情があって、問題行動を繰り返すのですが、総じて言えるのはよほどのことが無い限り自分の非は認めないということです。大人がいうのだから、先生がいうのだから、警察がいうのだから改心して本当のことをいうだろう、などと甘く考えたら痛い目にあいます。それどころか、指導の途中で腕をつかんだとか、胸倉をつかんだとか、そんなことを先生がしていいのかとすごまれます。たとえば、A君が見慣れぬ物をもっており、万引きに違いないと思って話しても、人からもらったとか借りたとかいう話になります。それはB君の物であることが明らかで、今持っているA君がかすめとったに違いないとしても、俺がとったとこを見たのか、すぐそうやって俺を犯人にしたがるといいます。暴力行為にしても、C君がA君に殴られたと訴えてきてA君を呼んで話すと、俺はやってない、どうしてCの言い分ばかり信用するのか、先生は俺が殴るところを見たのか、といいます。要するに現行犯でない限り、言い逃れはいくらでもできると高をくくっているのです。今政府のやっていることは、この非行少年と同じ幼稚な論理ではないでしょうか。明らかに政府が関与したと判断されることであっても、現行犯でなければしらを切り続ける。やったことでも、やらないといえば、現行犯でない限り通ってしまう。こんな恥ずべき行為を国の先頭に立つ人々がしていて、子どもの教育ができるのでしょうか。非行少年たちに、良いモデルを与えているようなもので、もちろんこの場合のヨイは彼らの論理にとっての「良い」なのですが、学校でまっとうなことを教えることはできません。真面目な大人の論理、世の中の常識を政治家に教えなければなりません。


首相のとりまき

2017-06-03 17:23:50 | 政治

今は学歴ということを、さほど問題にしなくなりました。というか、表立って学歴を話題にすると何となく差別者であるような雰囲気で、極力学歴の話題は避けるような傾向にあるといえるでしょうか。そうはいいながら、受験競争は激しく、少しでも偏差値の高い大学へ入ろう、入れようと受験産業は衰えを知りません。また、同期に偏差値の高い大学を卒業した者の横の結びつきがあり、大企業やマスコミに勤める会社員、官僚が顔見知りだったり飲み仲間だったりしています。自分は三流大学出身ですから全くそんなことはないのですが、子どもたちの交友関係をみると、ある程度以上の者たちは実は結びついているんだと思わされてしまうのです。

昔は政治家の多くが東大の出身でした。だからおそらく、所属の政党を超えて政治家同士は顔見知りであり、情報を共有している部分も裏ではあったのではないかと思います。ところが、安倍さんは政治家の家系ではありますが、東大卒でも早慶卒でもありません。三流大学卒の私が思うに、安倍さんにはここに大きなコンプレックスがあるのではないかと思います。学歴差別みたいになるのでマスコミは書きませんが、首相の学問への軽視や司法よりも行政を重んずる、私が総理大臣なのだから私のいうことが正しいという姿勢が、学歴コンプレックスが根っこにあるのではないかと思うのです。そして、東大卒を側近に置かない。官房長官も副首相も東大ではありません。麻生さんは政治家の家系ではあっても教養は感じられず、菅官房長官は着実な実務家としてのしてきた人です。3人とも政治経験で人脈を作り今の地位を築いてきたから、同窓としての人脈はないはずです。

官房長官は着実な実務で政権を支えてきたように見えました。ところが、今回の前川文科事務次官に関する会見では、その本性を見せました。前川氏が出会い系クラブに通っていたといった時の「下卑た」表情は、この人の品性のなさを日本中に知らしめるものでした。おまけに、その情報は本人の人格を貶めるための裏付けをとらないいいかげんなもので、いつもは政治家を不倫でたたく『文春』が取材して前川氏を擁護するという、官邸にとって恥ずべき内容でした。それだけをとれば、訴訟問題です。それにひきかえ、前川前事務次官の筋の通ったものいい、教養ある受け答えはどうでしょうか。政治家がいかにつまらん人間で、官僚がいかにまっとうかをテレビで示してしまったのです。


事実は小説よりも奇なり

2017-05-26 09:24:19 | 政治

森友学園の籠池前理事長が国会の証人喚問で、「事実は小説よりも奇なりと申します」といいました。芝居じみた発言を好む人だと思いましたが、あまりこの発言についてマスコミはヒットしませんでした。今、「小さな巨人」というドラマが話題になっています。警察組織の本流から外された個人が、巨大組織にあらがうという物語で、組織の理不尽に対して個人が筋を通すという話は、半沢直樹もそうでしたが人々の琴線に触れ話題を集めます。しかし、所詮はドラマだと思っていましたが、実際の話が高級官僚の間であることが、今回の加計学園の認可もんだいでの文科省事務次官の記者会見でわかりました。小説以上の暗闘が霞が関でなされているのです。事務次官の個人攻撃をする読売新聞は、マスコミの使命をどう考えているのでしょう。政権が次官を記者会見しないように脅すために情報をリークして記事を掲載させたとすれば、というか、そうとしか考えられませんが、次官の腹の据わりように感服するとともに、読売の記者たちの腐敗ぶりは際立っています。

怪文書、文書の存在は確認できない、証人喚問はできない、こんな政権のご都合主義を許してよいのでしょうか。選挙で落とす以外に国民の怒りを向ける場所はないのでしょうか。


テロルの時代

2017-05-25 13:18:25 | 政治

イギリスのマンチェスターのコンサート会場をねらったテロで、多くの若者が犠牲になりました。テロを起こしたのも犠牲になったのも若者というのは、やりきれないことです。これでヨーロッパにおけるテロ対策が、一層厳しさを増すことが考えられます。しかし、力で封じ込めるという方法では、芽を摘むことはできませんから、ますますどこでテロが起きるかわからないという恐ろしい時代を迎えてしまいます。実行犯の青年は、将来に何の希望も感じられず自爆テロ以外に道はないと、突き進んでしまったのでしょう。中東からの難民、移民、イスラム教徒にも描ける将来像がなければいけません。

みながヨーロッパに視線を向けている今だから、注意が緩む南アジア・東南アジアでの事件が心配だと思っていたら、やはりインドネシアで起こってしまいました。イスラム教徒が最も多く暮らすのが、実はインドネシアなのです。そのインドネシアに下の息子が月末から1か月出張することになっています。ラマダンと重なり、治安の危ない時期の出張で心配です。今度のテロ事件を受けて、渡航禁止となってくれればいいと思うのですが、ビジネスは止まってくれませんから、そう簡単には禁止措置はとらないだろうし、安全は自己責任だといわれてしまうのでしょうか。


信州安保法制違憲の会 第2回裁判参加

2017-05-12 15:19:59 | 政治

新安保法制が施行となり駆けつけ警護やアメリカの空母の護衛が実施されています。安倍総理は国会外で改憲の日程について明らかにし、詳しくは読売新聞を読めといっています。森友問題の目くらましの意味もきっとあるでしょうが、国会をなんだと思っているのでしょうか。選挙で落ちればただの人なのに、この国の支配者は自分だと信じて疑わないようです。だからこそ、国民の声を上げなければ、ワイマール憲法の二の舞となってしまいます。

5月12日、長野地方裁判所大法廷で、第2回裁判が開かれ傍聴してきました。授業で生徒を引率して刑事裁判を傍聴したことはありますが、関係者として参加は初めてです。珍しいことなので、順を追って書きます。裁判は10時半開廷ですが、9時半に裁判所近くの弁護士会館に参加者が集合しました。参加者というのは、法廷内に入れる人と、あぶれて傍聴を希望する人です。私は予想以上に道が混んでおり、9:30には間に合わず裁判所の駐車場に着いたのが30分で、弁護士会館に着いたのは35分をまわっていました。参加者は70人くらいでしょうか、皆さん4回の会議室に座って説明を聞いていました。そこでは、これからの予定について説明がありました。これから、弁護士会館の前に並んで列を作って裁判所まで行き、傍聴者は傍聴券の抽選をするということでしたが、本日の参加者数からして、抽選なしで全員傍証できそうだということでした。

整理券をまずもらい、ロビーのような所で待機していて10:10ころ、傍聴者が締め切られ抽選なしで全員に傍聴券が渡ることが告げられました。そして、整理券と引き換えに傍聴券が渡され、10:15ころから7人ずつ法廷に案内されて入りました。

法廷に入る前に、写真と録音をとってはいけないこと、帽子をとることが告げられました。法廷内に座ってしばらく待っていると3人の裁判官が入廷しました。40~50代前半とおぼしき男性の裁判官が中央で、左右に若い女性の裁判官が座りました。下の段の左側には原告である我々の会の面々、左側には被告である国の役人が10人くらい座っていました。後で聞いてみるとそれは、東京法務局、長野地方法務局、内閣官房、防衛省んどの法制担当者だそうです。違憲訴訟は全国で21裁判がおこなわれており、原告総数は5958名だといいます。こんごも提訴が予定されており、それらの全てに対応するのでなかなか忙しいようです。

さて、本日は2名の原告から意見陳述があり、続いて原告代理人の安藤弁護士から準備書面の結論が法律的に述べられました。二人の意見陳述は、一人は満州で生まれて命からがら帰還した方と、19歳の若者とでした。満州からの帰還者の陳述はとりわけ胸を打つもので、絶対に戦争をしてはならないと思わされるものでした。安藤弁護士の法律論は、後でわかりやすい説明をお聞きすると、逃げ腰で合憲違憲の議論からは逃げたがっている国に、逃げるなといいたかったのだといいます。

今後の進め方について、まるで私語みたいに裁判官と国側が話すのを聞くと、陳述書について次回は国側が答弁してくれと裁判官に言われた国側は、全部陳述が終わってから答弁するつもりですと答えました、要するにいちいち対応してられません、といった感じでしたが、裁判官からは出たものについては答弁してくれといわれ、仕方なくかどうか国側は、答えられる範囲で答弁しますといっていました。裁判官が割合公平で感心しました。2人の女性の裁判官は一言も発せず、どんな声の人かもわかりませんでした。

最後に次回の裁判の日程をすり合わせて終わりとなりました。30~40分ほどの法廷でした。私たちはまた弁護士会館に戻り、本日の報告会をしました。そこでは、こうした運動はどうしてもジリ貧になるから、どうやって運動を広報し盛り上げていくかが問題となりました。


豊洲・森友・戦後処理

2017-03-24 19:24:36 | 政治

連日の予算委員会での森友問題の審議に注目が集まっています。同時進行みたいに、豊洲移転の問題もあります。ワイドショーではネタに困らないでしょうし、番組の構成しなくて、ライブで国会審議を流したほうがむしろ面白いような状況です。政治への国民の関心が高まっていいという見方もできますが、ワイドショー政治でいいのかとも考えてしまいます。

豊洲の市場長などの発言や、昨日の籠池発言、今日の担当役人の発言を聞いても、残念ながら何もわからないだろうという予想が立ってしまいます。みんな知らないとか、言われるとおりにしたとか。石原元知事が際立っていたのですが、既定の路線に抗うことができず、自分はそれに従っただけだと。森友問題の忖度の問題も、誰も賄賂をもらうとか何か見返りを約束してもらったとかは今のところありません。事実なかったのかもしれません。あったのは、忖度合戦です。いかに上司のいうことを先取りして気に入ってもらうか。上に立つものは、そうした行為がわかっていても、絶対それについて口にしない、公になったら部下がかってにやったことだというでしょう。北朝鮮の官僚がやると、ひどい将軍様のご機嫌とりだとかと解説するマスコミが日本の役人がやるとそうはいいません。

いったい誰が判断して最終的に決裁したのか、なんとなくはっきりしないままに終わってしまいます。豊洲も森友も今のところそうです。それは、あの戦争責任の取り方や戦後処理の在り方についても全く同じです。誰が決裁したのかはっきりしないままに、いたずらに時間が経過してうやむやになってしまう。全くこの国の人間は、責任者をいつまでたってもはっきりさせないのです。だから無能な管理職がはびこってしまう。