ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

チンネ左稜線 ~ 早月尾根から ~

2022-09-12 | 山登り

22・9・9 Fri 

数か月前からチンネ左稜線への計画を立てその度に天候に恵まれずその
機を逸してズルズルと今日まできましたが、今回何度目かの仕切り直し
の末にようやくその機会をえることができました。

 

 

雨の止みそうにない景色を眺めながら馬場島を出発(7:20)雨天の中を
剱岳山頂を経てベースの地点へ。

 

 

 

 



朝から続いている雨天の中での行動を終えて狭いテントの中に荷物を入れて
一息つくと、今度は自分の衣服をはじめ何もかもがベタベタに濡れて不快極
まりない状況への不満が募り始めました…、着干しをしながら夕飯を食べ多
くの睡眠を得ようと湿った体で寝袋にもぐり込んでも暖かくないし不快だし
臭いし、それに2900mに近い今回のベースは結構寒い…、そうして初日は過
ぎてゆきました  

 

 

 

 

22・9・10 Sat 

3時前に起床して朝食を食べてチンネへと向かう準備を整えて出発
(5:20)。二枚岩(6:25)を経て池ノ谷尾根の頭から同ガリーへと
下って三ノ窓(7:07)へ。

 

 

 

 

雪渓をトラバースしてチンネ左稜線の取り付きへ。全12Pある1P目を
僕が登らせて貰うことになりましたが高所恐怖症の僕にはなかなかの
高度感です…。それより怖そうな2P目や難しそうな所は全部Ⅰ垣さん
にお任せです…💦

 

 

 

 

8P目を終えて左稜線核心部の鼻を眺めながら岩稜上で休憩(11:35)。
何か音が近づいてくるな!?と思ったら池ノ谷側からかヘリが飛んでき
ました。そんなヘリが頭上を何度と旋回していのを眺めたりしながら
僕達は稜上での眺望を楽しみました。

 

 

 

 

クライマーの視点から見ればなんてことのないグレードなんだろうけど、
そうではない僕には十分に絶望的な景色に見えるし、困難を強いられそ
うな威圧をそこに感じます。そんな中を粛々と攀じ登ってゆくⅠ垣さん
の姿はとても頼もしい。

 

 

 

 

 

鼻から続く核心部辺りのピッチが終わってホッと一安心です。
岩稜を一つ一つ越えて行く毎に山頂が近づいてくる心地よさ
は格別です。

 

 

 

 

最後はゆるやかな岩稜をしずしずとトラバースしてチンネの山頂
(13:50)へ。ガスが消えると八ツ峰や池ノ谷尾根の頭の眺めが印
象的な山頂へと変わりました。

 

 

 

 

 

チンネの山頂から懸垂50m×1回で池ノ谷ガリー(14:53)へと降り立っ
て、再び北方稜線からベース(16:02)へと戻ります。今日は天候が良い
ので夕飯を食べる前にテントの中の物を全てを外に出して装備を乾かす
ことにしました。おかげで不快さがずい分と解消されました。

 

 

 

夕飯を食べながら、ふと自分が高山病であることに気付いて気怠さや少
食なのはきっとそのせいなんだなと合点しました。とはいえ、それをリ
カバーするために必要な大気の圧力や豊富な飲み水がここに有るはずも
なく、ただそれに耐えつつ眠るのみ…(19:50)

 

 

 

 

22・9・11 Sun 

翌日は5時に起きて朝食のラーメンを食べてからベースを発ちました。
大勢の登山者たちで大賑わいの剱岳山頂(7:40)で休憩。その後、早
月尾根を下って馬場島(13:40)へ。
金沢に戻った僕達は、前回の赤岳山行の打ち上げを兼ねて浅ちゃんと
三人で焼肉食べ放題のお店で夕飯を食べてから解散しました。

いつも思います、Ⅰ垣さんや皆の支えのおかげで今回はチンネの山頂
に立つことができた僕は果報者です。あらためて、ありがとうござい
ました。