今週末はクリスマス・イヴ、今年もいよいよ大詰めをむかえた。クリスマスに因んだ音楽は数多くあるがチャイコフスキーの舞踊音楽「くるみ割り人形」もその一つだろう。この作品については全曲盤も含め多くの名盤があるが今日はちょっと珍しい「語り」つきのものを取り上げてみたい。
写真CDは「NAXOS」レーベルから10年ぐらい前にリリースされた1枚でカップリングされたリムスキー=コルサコフのオペラ「クリスマス・イヴ」からの「組曲版」にも英語による「語り」がついている。語り役は女優のプルネラ・スケールズがあたっている。演奏は「くるみ割り人形」組曲がミヒャエル・ハーラス指揮スロヴァキア・フィルハーモーニー管弦楽団、後者の「クリスマス・イヴ」はイゴール・ゴロフスチン指揮モスクワ交響楽団によるものである。この二人の指揮者は日本でほとんど馴染みがないがハーラスはハンブルクの国立歌劇場等で活躍するオペラ指揮者、一方のゴロフスチンはモスクワ出身でエフゲニー・スヴェトラーノフ時代の「ロシア国立交響楽団」のアシスタント指揮者を務めていた。両人ともこの「NAXOSレーベル」を中心に多くの録音がある。
私は後者のリムスキー=コルサコフのオペラは未聴だが1894年から95年にロシアの文豪ゴーゴリの「ディカーニカ近郷夜話」から題材をとったものでチャイコフスキーにも同題材のオペラ「チェレヴィチキ(小さい靴)」(1885)というオペラがある。