私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

コシュラーの「プロコフィエフ交響曲全集盤」から第3番ハ短調作品44

2009-11-01 18:33:05 | 交響曲
 20世紀ロシアを代表する作曲家プロコフィエフ(1891~1953)も筆者が日頃よく聴く好きな作曲家である。今日はその中でも普段のコンサートではあまり演奏される機会が少ない第3番の交響曲について書いてみたい。写真は日本で馴染みが深かったチェコの名指揮者ズデニェク・コシュラー(1928~1995)がチェコ・フィルと録音した全集盤(原盤/チェコ・スプラフォンー日コロンビアCOCO7006~9)のジャケットである。録音は1976年から82年にかけてプラハの「芸術家の家」で行われている。国内で全集盤の形として1991年ープロコフィエフ生誕100年を記念して初リリースされた。
 全7曲ある交響曲の中でも筆者が特に素晴らしい出来と感じているが第3番ハ短調作品44である。この作品は1927年に祖国に戻ったプロコフィエフが大作のオペラ「炎の天使」の全曲上演の目途が立たない中(1928年、パリで演奏会形式で抜粋で上演)でオペラの主題を転用して作曲にとりかかったのが第3番であった。しかしプロコフィエフ自身が述べているようにこの作品を「炎の天使交響曲」とは呼ばれたくなかったようである。つまりオペラとは全く切り離して純の交響曲作品として考えていた。コシュラーの演奏はそのあたりを充分に意識しながらプロコフィエフが持つ旋律美を巧みに表現しチェコ・フィルと息のあった演奏を聴かせているところが大きな魅力の一つと言えると思う。
 彼はどちらかと言えば地味な存在の指揮者だったが彼の真摯で堅実性から生まれる音楽造りはこのプロコフィエフの全集盤をはじめ自国のドヴォルジャークやスメタナの作品にも共通の魅力を感じるところである。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (atman)
2009-11-06 23:42:28
これ、いい演奏ですね。写真のジャケットほど変態的でなく、非常に堅実な演奏だと思います。
私はプロコフィエフの7曲の交響曲中、3番が個人的にいちばん好きです。全曲中どの部分をとってもテンションが極めて高く、緩徐楽章においても決して心休まりません。最近はこの手の曲を得意とする指揮者が多そうなので、これからどんどん名演奏が出てくればと思います。
返信する

コメントを投稿