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カルロス・クライバー、貴重な「ミラノ・スカラ座」ライヴ盤!ヴェルディ「オテロ」(1976)

2009-11-01 02:33:35 | オペラ
 イタリア・オペラの殿堂、ミラノ・スカラ座の新シーズンの開幕は毎年12月7日(ミラノの守護人として崇拝されている聖アンブロージオの祝日)に開幕することが通例になっている。筆者も最近では2000年シーズンの開幕を聴きに「スカラ座」を訪れた。普通、オープニングのプログラムは「イタリア・オペラ」の代表作を取り上げることが慣例になっているがこの年は珍しくリッカルド・ムーティのベートーヴェンの「フィデリオ」で幕が開けた。おそらくこれは1975年シーズンの幕開けにカール・ベームが同作品を振って以来のことだったと思われる。
 話を本題に戻し1977年シーズンの開幕(つまり前年1976年12月)は当初から当時「音楽監督」を務めていたクラウディオ・アバドがこの「オテロ」を振ることになっていた。(キャストも主役にヴィッカースとカバリエが予定されていた)ところがその年の夏にアバドが突然辞表をだしたためスカラ座音楽監督のポストが空席になる緊急事態が発生した。しかも1978年には「スカラ座創設200年祭」を迎えることになり大混乱を招きかねない重大な事件になるところだった。事の発端は当時のイタリア経済の大ピンチで「スカラ座」への政府補助金削減の問題への抵抗が目的だったらしくその後解決しアバドも元のさやにおさまったという経緯があった。そんな折に「白羽の矢」がたったのが当時46歳のカルロス・クライバーだった。おそらく当時としては誰もが予想だにしていなかったに違いない。
クライバーは前年の1975年にR.シュトラウスのオペラ「バラの騎士」で「スカラ座」デビューを果たしたばかりでまだ「イタリア・オペラ」の指揮は経験していなかった新鋭であった。写真はその開幕初日のライヴを収録した3枚組のLPである。(原盤ワルター協会/日コロンビアOB7372~4BS/モノラル/1981年発売)主役オテロ:プラシード・ドミンゴ、デスデーモナ:ミッレラ・フレーニ、イアーゴ:ピエロ・カップチルリと豪華キャストで固め公演は大成功をおさめた伝説の録音となっている。1976年の録音にしてモノラルなのが残念だが演奏は文句のつけようがない素晴らしい出来になっている。そこはさすがオペラ指揮者としての隙間のないカルロス・クライバーの底力が充分に発揮されていたからであろう。



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