私のレコード・ライブラリーから

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私にとっては幻の指揮者ーグィド・カンテッリ

2009-01-20 20:34:49 | 交響曲
 ここに1枚のLPレコードがある。イタリアはミラノ近郊のノヴァラ市出身ー私にとっては「幻の指揮者」グィド・カンテッリ(Guido Cantelli/1920~1956)が遺したブラームス交響曲第3番とシューマン交響曲第4番がカップリングされたものである。(写真/仏パテ盤)オーケストラはイギリスのフィルハーモニア管弦楽団、ブラームスが1955年録音のオリジナル・ステレオ、シューマンが1953年録音でモノラルである。演奏はなんと表現したらいいのだろうか?溌剌とした中に彼の豊かな感性が伝わってくる名演とでも言えようか・・・特にシューマンの第4番の第3楽章から第4楽章につながるアタッカのパッセージは何とも表現しがたい。劇的なフルトヴェングラーの同1953年録音盤とは対照的な味わいがある。
 カンテッリは悲運の指揮者でもあった。1956年11月24日、ニューヨーク・フィルハーモニックに客演するためパリのオルリー空港から飛び立った彼を乗せた航空機が離陸に失敗・墜落し36歳で不帰の客となったのである。彼がオペラの殿堂ミラノ・スカラ座の音楽監督に任命された直後の事故だった。当時のイタリア、いやヨーロッパ音楽界のショックははかりしれない。彼が指揮する様子を撮影した映像はないのであろうか?私もいまだ彼の指揮ぶりの映像を見たことがない。録音は幸いEMI系を中心に多少の音源が遺されているのでそちらを楽しむことにしたい。