私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ガブリエル・カスターニャ&ベルリン交響楽団 メンデルスゾーン「スコットランド」

2014-01-01 21:19:30 | 交響曲

  メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲についてはこれまでクレンペラー、カラヤン、バーンスタイン等々、数々の名盤を取り上げてきたが普段あまり耳にしないマイナー・レーベルの中にも結構興味深い演奏がある。今回はその中から1枚、イタリア「AGORA Musica」レーベルからガブリエル・カスターニャ(Gabriel Castagna)指揮ベルリン交響楽団の演奏を紹介したい。(写真ー伊AGORA Musica AG112) ガブリエル・カスターニャはアルゼンチン出身の指揮者で馴染みがないがこのほか「CHANDOS」レーベルに「ピアソラ管弦楽作品集」等の録音がある。さてこの「スコットランド」の演奏はテンポを遅めにとり第1楽章の主題提示部の繰り返しも行っているため全体の演奏時間も45分近くを要している。この作品の優美性、抒情性をタップリと聴かせている。録音は1994年6月、余白に並行して録音されたリストの「前奏曲」が収められている。

 

 


エードリアン・ボールトのシューマン「交響曲」(1956年ステレオ録音)

2013-12-25 12:08:25 | 交響曲

  エードリアン・ボールト(Adrian Boult/1889~1983)はどうしてもエルガー、ヴォーン・ウィリアムズ、ホルストなどイギリス音楽のスペシャリストとしてのインパクトが先行してしまう。しかし一方では今回紹介するシューマンやブラームスなどの演奏でも定評があった。写真のLPは1956年に「ロンドン・フィル」とステレオで録音したシューマンの「交響曲第1番<春>」・「第3番<ライン>」がカップリングされた1枚である。(国内盤ーテイチクULS-3081 原盤ー英PYE)因みに彼は当時、「ロンドン・フィル」と同時に「第2番」並びに「第4番」もレコーディングしており交響曲全集録音を完成している。こちらも当時(1977年ごろ)テイチクから同シリーズでリリースされた。(ULS-3082)最初期のステレオ録音なので音質は良好と云い難いが超快速テンポで推し進める(「ライン」は演奏時間30分を切る)ボールトの鋭角的でスタイリッシュな演奏が印象的だ。

 


フリッチャイのシューマン/交響曲第1番ロ長調「春」

2013-12-19 18:01:01 | 交響曲

  ハンガリーの名匠、フェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay/1914~1963)が当時首席指揮者を務めていた「ベルリンRIAS放送響(現、ベルリン・ドイツ響)とドイツ・グラモフォンに遺したシューマンの交響曲第1番変ロ長調作品38「春」である。1955年のモノラル録音で彼の唯一のシューマン交響曲録音となった。筆者所有のLP(写真)は1962年リリース、当時のグラモフォン廉価盤シリーズ「英ヘリオドール(HELIODOR)」盤」でレコード第2面の余白にベルリン・フィルとのスメタナ連作交響詩「わが祖国」から「ボヘミアの森と草原から」(1953年録音)が収録されている。(英ヘリオドール, 478141 HI-FI) 当時、このシューマンの国内盤はずっと未発売のままだったが1990年代になってCDでほぼ同時期にモノラル録音された同RIAS放送響とのドヴォルザーク交響曲「新世界から」とのカップリングで発売された。録音に時代を感じさせるがしっとりとした深い味わいを持つシューマンが魅力的だ。

 

 

 


セル、「ルツェルン音楽祭」ライヴ盤

2013-11-28 13:26:30 | 交響曲

  先ごろ「独audite」よりジョージ・セルの未発売音源としてCD化されたライヴ盤である。これはセルが1962年、69年に「ルツェルン音楽祭」に客演した際のライヴ録音で、ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」(1969年)、ブラームス「交響曲第1番作品68」(1962年)の順に収録されている。オーケストラは前者が「チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」、後者が「スイス音楽祭管弦楽団」で共にステレオ録音で音質も大変良好、またどちらもセル十八番の作品だけあり緻密で完璧主義のセルらしさが出た名演といえるだろう。(独audite 95.625)

 

 


フランス古楽オーケストラ「レ・シエクル」の「幻想交響曲」

2013-11-27 14:00:41 | 交響曲

  今日は最近入手したCDから写真のフランソワ=グサヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)率いるフランスの古楽オーケストラ「レ・シエクル(Les Siècles)が演奏するベルリオーズ「幻想交響曲」を取り上げてみたい。(仏Musicales Actes Sud-ASM 02) この演奏はベルリオーズ生誕の地、南フランスのラ・コート=サンタンドレ(La Côte Saint-André)で8月に開催される「ベルリオーズ音楽祭」に於けるライヴ録音(2009年8月30日)である。指揮はもちろんフランソワ=グサヴィエ・ロト、会場はこの町のシンボルで音楽祭のメイン会場でもあるルイ11世の居城(Château de Louis XI)内の特設会場と思われる。(写真・下) 筆者もベルリオーズ生誕200年記念の年、2003年に音楽祭を覘いたことがある。演奏はやや速めのテンポで進めるロトの指揮だが第1楽章の提示部の繰り返し、並びに第4楽章「断頭台への行進」前半部の繰り返しも指示通り実行しており演奏時間は50分を優に超える。またひとつ興味深い点をあげるならば第3楽章の遠雷を描写するインパクトあるティンパニーの叩かせかたが強く印象に残った。ライヴ録音だが演奏終了後の聴衆の拍手はカットしている。

(ラ・コート=サンタンドレ、ベルリオーズ音楽祭2003) (音楽祭のメイン会場のひとつ、「ルイXI」の居城) いずれも筆者撮影(2003年8月)

 

 

 

 


スヴェトラーノフ&ソヴィエト国立響 - ショスタコーヴィチ交響曲第7番 

2013-11-25 18:18:47 | 交響曲

 名匠エフゲニー・スヴェトラーノフ(Evgeny Svetlanov/1928~2002)はショスタコーヴィチ「交響曲第7番ハ長調<レニングラード>」をスウェーデン放送響(1993年)、ハーグ・レジデンティ管(1995年)等のライヴ録音を含め数種の録音を遺している。今回紹介する写真の「第7番」は「メロディア」に彼が「ソヴィエト国立交響楽団」の音楽監督時代に最初にステレオでスタジオ録音したものである。(露メロディアーC1693-96  2LP) レコードには録音年月の記載はないが1968年ごろのものと推定される。彼は1960年代、70年代にかけ集中的に「メロディア・レーベル」に数多くのレコーディングを行っている。しかしその音質は良好とは言い難いが演奏はエネルギッシュである。この「第7番」も例外ではなくやや速めのテンポをとった「第1楽章」から彼の豪快な指揮ぶりが目に浮かび個人的には好きな1枚だ。

 

 

 


オッコ・カム&ヘルシンキ放送響 - シベリウス交響曲第1番・交響詩「吟遊詩人」

2013-11-17 18:03:08 | 交響曲

 1969年第1回カラヤン指揮者コンクール優勝者、日本でもおなじみのフィンランドの名指揮者オッコ・カムが1972年に「ヘルシンキ放送交響楽団」と「ドイツ・グラモフォン」に録音したシベリウス交響曲第1番&交響詩「吟遊詩人」のLPである。(独グラモフォンー2530 455) このドイツ盤は確か1973年にはリリースされていたと思うが日本盤の初出は現在でも名盤として定評あるベルリン・フィルとの「第2番」(1970年録音)並びに「第3番」(1972年録音/ヘルシンキ放送響)とカラヤン&ベルリン・フィルによる「第4番」から「第7番」を組み合わせ「交響曲全集」としてリリースされた。(1974年) 


メロディア盤のアバド&ウィーン・フィル -ブルックナー「交響曲第1番」

2013-11-14 21:24:01 | 交響曲

  写真のLPはクラウディオ・アバド&ウィーン・フィル、ロシア・メロディア盤の珍しい1枚である。旧ソヴィエト時代の1982年にリリースされたもので「ブルックナー交響曲第1番ハ短調」のライヴ盤で1972年のコンサート・ライヴとの記載がある。詳細な録音年月日、場所は記されてないがふと思いつき手持ちのFMエア・チェックテープと比較しながら聴いてみるとおそらく「ウィーン芸術週間」、「ウィーン楽友協会大ホール」におけるコンサート・ライヴ音源(1972年6月11日)ではないかと思われる。因みにこの演奏は1972年12月4日NHK FM放送「海外の音楽」で放送されている。アバドは「第1番」をウィーン・フィルとこの演奏と同様「リンツ版」で1969年に「デッカ」にスタジオ録音していた。(写真ーメロディア C10-16751-2 ステレオ)

 

 

 


ジョルジュ・エネスク 「交響曲第3番ハ長調作品21」

2013-11-12 16:08:38 | 交響曲

  ジョルジュ・エネスク(George Enescu<仏表記Georges Enesco>1881~1955)はルーマニアを代表する20世紀の音楽家である。彼はパリ音楽院で学んだヴァイオリンの名手でもあり同時に作曲も手掛けピアノ、指揮もするといった多芸多才な人物だった。作品の数はそれほど多くはないがルーマニアの民俗音楽の要素を取り入れたものが多く因みに交響曲は3つの完成した作品を書いている。今回はちょっと珍しいルーマニア国営レコード・レーベル「エレクトレコード(ELECTRECORD)」から写真の「第3番ハ長調作品21」を紹介したい。(LP ECE-0152 モノラル盤) 演奏はエマヌエル・エレネスク指揮ルーマニア国立放送交響楽団である。録音年代等はジャケット解説に記載がないので不詳だがモノラル録音なので1950年代から60年代初頭のものと推定される。曲は前作の「第2番」と並び演奏時間約45分前後を要するもので全3楽章から成り第1楽章モデラート、ウン・ポコ・マエストーソの冒頭はブラームスの「第1番」を彷彿させる。第2楽章ヴィヴァーチェ、マ・ノン・トロッポ、リズムも激しく動き変化に富んだ楽章、続くフィナーレ第3楽章はレント、マ・ノン・トロッポの美しい楽章で混声合唱のハミングも加わりファンタジックな世界が広がり最後は鐘の音ともに静かに曲を締めくくる。

 

 


イーゴル・マルケヴィチ&ベルリン・フィル - ベルリオーズ/交響曲”イタリアのハロルド”

2013-11-11 16:47:03 | 交響曲

  イーゴル・マルケヴィチのベルリオーズ「交響曲”イタリアのハロルド”」録音はドイツ・グラモフォンに遺したこのベルリン・フィルとのものが唯一のものである。(写真LPー独グラモフォン、DGM 18299) 1955年12月、ベルリンの「イエス・キリスト教会」でのモノラル録音でヴィオラのソロは当時首席を務めていたハインツ・キルヒナーがあたっている。今、針をおろすとさすがに録音に時代を感じさせるが「幻想交響曲」(1953年録音)と共にベルリン・フィルとの数少ないグラモンフォン録音からの貴重な1枚である。