教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

文章とはトートロジーなのだ。ソレデイイノダ・・・?

2008-05-25 12:35:16 | 
知識だけあるバカになるな!
仲正 昌樹
大和書房

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☆これほどどこを開いても、「知識だけあるバカになるな!」をあからさまに飽きるほど書いている本も珍しい。

☆知識をたくさんもっていることが教養ではない。未熟なうちに権威を鵜呑みにするなというのもなんてトートロジー。未熟だから権威を鵜呑みにするのだ。

☆だからすべての人が権威をまずは鵜呑みにする。なるほど。教養とは鵜呑みにしていた自己の記憶の知識体系を組み替える・壊す・脱構築することだ。ではどうやって?権威ある本を読書することによって。ナヌ^^????

☆だからレベル6までの読解リテラシーを身につけなければだめなのだ。そこのところが日本の教育者や学者が表現できていないね。国際教育研究家の岡部憲治さんに教えを請うことが重要じゃないかい。

「若者論」を疑うことは大事なコト、そして次に・・・。

2008-05-25 12:22:22 | 
若者論を疑え! (宝島社新書 265) (宝島社新書 (265))
後藤和智
宝島社

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☆「今時の若いもんは!・・・」というのはいつの時代もあったけれど、最近のは困る。「今時の若者」を非難するのは今回だけは的外れだからである。彼らは確実に時代を拓く役割を引き受けているからだ。

☆もちろん、65%は従来の考えに従っているだろう。5%はそこには居辛く逃走しているだろう。しかし、この逃走は闘争を迂回しているだけで、創造の閃きがある領域だ。

☆さて残りの25%。この「今時の若者」はクリエイティブ・クラスで、団塊・断層の世代が理解できないライフ観を持っている。従来型の学校社会や企業社会に興味と関心を持っていないし、かといって、逃走も闘争もしない。迂回もしない。ワープしてしまうのである。すべてリソース。それだけである。新物好き、好奇心旺盛、刺激がなければすぐ飽きるという、人間の本性まるだしの新教養人なのである。

☆まずはそのことを理解するためにも、レッテル貼り「若者論」の幻想を打ち砕くのはよいことだ。

☆しかし、65%の中には、すでにその幻想の虜になっている、つまりオリエンタリズム化している若者もいることも確かである。大人の「若者論」の幻想を打ち砕くことも誠に重要だが、催眠術にかかっている若者の救済も肝要である。

☆本書の著者と対談している本田由紀さんが、それほど若者はこのレッテル貼りにメンタルにダメージを受けていない、迷惑は被っているがと語っている。「若者論」なんてそんなものと言いたいのだろうが、実際にはこの「若者論」を鵜呑みにしている教師の言動がダメージをあたえていることも否めない。

☆著者と本田さんは社会学者だからデータにないものは取り扱わない。しかしデータは、現象を造るが、すべての現象を分析できない。本書は重要な視点だし、検証の成果だが、現場に働きかける気概は感じられない。それでよいというスタンスなんだろうが・・・。

テストばかりでは学力向上に逆効果かも

2008-05-25 02:00:49 | 文化・芸術
☆ 「基礎活用の問題追加 新学力調査、12月予定(5月22日10時11分配信 琉球新報)」によると、

県教育委員会が全庁一体となって取り組む学力向上施策検討委員会(仮称)の第一回会合が21日、県教育庁で開かれた。昨年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を踏まえ、県が1989年度から毎年実施してきた達成度テストを発展させ、基礎的な知識を活用した思考力、判断力などをはかる問題を追加した県学力調査(仮称)を実施することを確認した。調査は12月を予定。小学4年生と中学2年生を対象に国語、算数(数学)、英語(中学のみ)で実施する。

☆意気込みはよーくわかる。しかし、何か違うのではないかな。知識を活用したり考えたりする力を養うには、むしろ沖縄の海洋を調査したり、サンゴ礁を保守するための提案をしたり、戦争回避の提案を過去の歴史から考えたりと、沖縄自身の体験学習こそ役に立つのではないだろうか。

☆同記事には、次のような文も載っている。

仲村守和県教育長は「子どもたちが県外でも劣等感を持つことなく、振る舞いができるような学力をつけてあげたいと考える。学力向上対策についてしっかり議論し、方向性を示してほしい」とあいさつした。

☆痛いほど教育長の思いは伝わってくる。しかし、この劣等感を持つような事態こそ解決すべきで、それを学力によって見返そうみたいな発想では劣等感そのものがなくなるわけではあるまい。

☆現場の苦労も知らずに何を言うと叱責されるかもしれない。しかし、どこかおかしいと感じるのは私だけだろうか。