教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

朝日の中高一貫校@首都圏特集

2006-04-01 10:05:41 | 学校選択
◆朝日新聞では昨年来、「中高一貫校のいま@首都圏」を連載している。

◆女子校、公立、大学附属、教育費など多角的な側面からコンパクトにまとめているので、現状把握には便利だ。しかも回を重ねるごとに、記事の内容が教育の本質の一歩前まで進んでしまうときがしばしば。紙面の都合と新聞の性格からいって、思想的なことは書けないのだろうが、私立中高一貫校を取り扱っていると、教育理念に触れざるを得ず、自然と筆が引っ張られるのだろう。

◆共立女子の「進学についての自由を尊重してきたのも共立ならでは」というパンフレットの抜粋や平野校長先生の「女性の多様化は女子大の枠を超えた。それぞれの将来設計にあった大学に進ませてあげたい」という言説を紹介している箇所。

◆立教池袋と新座の記事で「キリスト教的な自主・自立の精神」「自由で勉強ばかりじゃないのが立教新座のよさ」という言説を載せている箇所。共立も立教も、一般的な教育言説で語られてはいない。

◆公立中高一貫校や東大に沢山入れている公立高校の場合だと、「学力偏重ではなく基礎基本を重視」「受験のための学校ではないが進学校」などという紋切り型の教育言説が並ぶのだが、私学の場合はそのような言説の枠内に収められないのだろう。教育費が高いのが私学という点で、不公平感をズームアップするのが公私間格差を説明する常套手段なのだが、連載が続けば続くほど、教育力の質格差が浮き彫りにされることになる・・・。

◆それはともかく共立女子の自由と立教のキリスト教的自由というのを書いてしまった以上、その違いについてどこかで説明していただけると、紋切り型の教育言説は崩れて、教育も楽しくなるのだが。


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