情報革命バブルの崩壊 (文春新書)山本 一郎文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
☆この本のあとに出版された「ネットビジネスの終わり」もおもしろそうであるが、まずはその前著から読むほうが、リーマンショック以前と以後の変化が探れるかもしれない。
☆もっとも、著者山本一郎さんの「切込隊長BLOG」を日々読んでいる人にとっては、その総集編的なものなのかもしれない。
☆しかし、ブログは急場、本は大場的な感覚があるので、やはり両方読みたくなる。
☆情報革命やネットビジネスの拠って立つ資本構造に切り込んでいるのが山本さんの視点のおもしろいところであるのは、言うまでもないだろう。
☆インフラ整備・開発、マーケティング、資金調達という点から多くのネットビジネスは、資本構造がただでさえ脆弱なのに、金融バブル崩壊後、どこから資金が支えられるのだろうと。
☆ネットの中で、無料化されたコンテンツや道具が出回っているが、そこに投資された資金はこれからどこからやってくるのか。
☆借金は設定された時期に返さねばならない。それができないとき、ネットビジネスはどうなるのだろうかと。
☆結局志は絶たれ、ネット内は無料の道具を使い、匿名で無意識のゴーストが蠢くことになるのか・・・。
☆ネットはメディアに過ぎない。リアルで大儲けできないメディアがネットで大儲けできるわけがない。できるように見えたのは金融バブルの膨大なふくらみのオーラだったのだと。
☆大量生産・大量消費・大量移動をさらに飛躍させるような幻想を見たけれど、その幻想ビジネスとしての情報革命やネットビジネスは終わると。
☆では何が残るのか。倹約生産・倹約消費・倹約移動ということに成らざるを得ない。それでは、市場は縮小し、景気は下る一方だ。
☆そこで、これから儲かるのはニューネットビジネスだと、再び倹約→大量へとカンフル剤をうちこもうとするが、それも一時的。
☆景気というのは、所詮この上下を繰り返す運動なのか。ここから先は読者が考えるしかない。そこにビジネスチャンスがあるのだろう・・・。か。