教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

学力低下問題は価値観の違い?

2008-01-19 06:51:11 | 文化・芸術
【2008年大阪府知事選】学力低下問題(下)(産経新聞) - goo ニュースによると、

「きわめて厳しい結果。想定していた以上だ。もう一度原点に戻り、これまでの取り組みを分析し直さなければ…」小6、中3を対象に43年ぶりに実施された昨年の「全国学力テスト」。国の結果公表を受け、大阪府の綛山(かせやま)哲男教育長は険しい表情で語った。府内の平均正答率は、小学校、中学校いずれも全国45番目。全国平均との差が最も大きかったのは中学国語Bのマイナス7ポイントで、トップの秋田県など3県と比べると12ポイントもの差が開いた。

この学力問題について府知事選の有力3候補は、それぞれ全く異なった見方をしている。梅田章二氏(57)は「格差と貧困」が原因と位置づけ、「生活基盤をきっちりさせる補助制度の創設」を主張。対する橋下徹氏(38)は「全く悲観していない」と対照的で、「英数国理社だけで競争するのは非常に狭い考え方。大学受験だけでなく、いろんな進路を選べるようにしたい」という。一方、熊谷貞俊氏(63)は学力向上に力を入れることを公約し、「教師の質を上げ、基礎学力を鍛える理念を持たせる」。


3候補の主張について、・・・「第一ゼミナール」企画情報室の池田幸生課長は「それぞれもっともな考えだと思う」としながらも、「すべての先生が学力の基盤となるものを的確に教えているかは疑問。教員に授業方法を研修することも、取り入れたほうがいいのではないか」と指摘・・・。

☆梅田候補の「貧困と格差」は主要教科だけで学力競争している産業社会に原因があるだろうから、橋下候補のように、多様な進路環境をつくることによって、解決。しかし、そのための教師はいるのだろうか。教科の専門家としての教師はいるが、横断的な知性をもった教師が・・・。教科の専門家としての教師も、熊谷候補によると質をあげなければならない。

☆だから、池田さんのように教員の研修をとなるのだろうが、その研修をする講師が、結局研修を受ける側の教員と大差ないというのが現状。

☆なぜなら、熊谷候補のいうように、基礎学力を持たせる「理念」たるものなどたいていは持っていないだろう。まして横断的知性に価値をおく教師も、教育学部の性格上、育っていない。

☆学力低下問題は、価値観の問題ということになるが、大きな物語は雲散霧消し、個人の趣味だけで判断する、価値の微分化がおきている。とても教員の研修などで価値観を統一することなどできないだろう。

☆教師に責任を転嫁する議論をいつまでも続けていないで、知識と思考と表現と創造をつなげるプログラムや道具(DSなんか良いなあ)の編集制作が急務。教師はそのインストラクターでよい。もっとも、教育マーケットでは、民による学習ソフトが山ほど生まれている。どれを使うかは選択眼にかかっている。やはりここでも市場の原理が働く・・・。