クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その55 モーツアルト ディヴェルティメント 変ホ長調 K563

2006年11月14日 | とっておきの名盤「室内楽曲」
モーツアルトの名前にあやかった四重奏団のメンバーによる至福の一枚を、生誕250年の年に紹介できるのは何とも嬉しい気持ちだ。
この曲は有名な3大交響曲を仕上げた一ヵ月半後に生み出されたもので、編成こそ三重奏と小さいが、その落ち着いた透明な美しさには驚かされる。
通常の名作リストには殆ど載らないものの、知る人ぞ知るモーツアルトの傑作で、数ある室内楽曲の中でも私が特別に愛聴する秘蔵の曲。
表現が大げさになってしまうが、この曲を聴くたび比類の無いその澄んだ響きと透明な美しさは、埃にまみれた私の心を芯から清めてくれる。
特に第1楽章と最後の第6楽章の美しさは何と表現したらよいのか、とても言葉では表しきれない程で、とにかくこのジャンルに於ける天才の最後の輝きに満ちた響きに、ただ私は浸るのみ。
アマデウス四重奏団のメンバーはこの曲の神髄を絶妙な表現で捉えており、とっておきの名盤にふさわしい演奏を展開している。
他にはグリュミオー・トリオによるものが良い。
・ノーティンバート・ブレイニン<Vn>、ピーター・シドロフ<Va>、マーティン・ロヴェット<Vc>(アマデウス弦楽四重奏団) <Grammophon>
・グリュミオー・トリオ <PHILIPS>