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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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棟梁社長のつくる家…東京大崎~東京駅~いわき市~原ノ町

2008年06月04日 21時44分42秒 | Weblog
大黒柱の尺二寸角(36センチ)のケヤキが二本、建物の中央にデーンと納まっています。
尺角(30センチ)の櫟(いちい)の木と、同じ寸法の檜とが床の間の床柱となっていました。
腰板に二尺(60センチ)幅のケヤキの板をふんだんに使用し、檜材で組んだ桟組天井には、やはりケヤキの板がはめ込まれています。

ケヤキの独特な木目に特徴があり、天井に使われたケヤキは、乱雲に見えたり、入道雲に見えたり、また時雨雲や時は、ウサギが跳ねているように、優しい母親の笑顔に見えたりと、その畳の上に寝転んで見上げる人の心情が浮き出る情緒性を伴っています。大工棟梁は、その木の目を揃えてストーリーを作りながら組み上げる匠の技を持っています。

今日は福島県いわき市のファース工務店の鈴蔵工務店を訪問し、鈴蔵さんが施工したファースの家を見せて戴きました。建主さんは、いわき市内の浄土宗、涅槃山 袋中寺 菩提院の33代目住職の桐原芳照さんです。写真はその和室で撮りましたが、ご住職の桐原さんと鈴蔵工務店代表の鈴木圭蔵さんです。ご住職の桐原さんが鈴蔵さんに家づくりを任せる要件として、自らが現場に立つ棟梁であり、工務店経営者である事だったと言います。

確かに昨今の家づくりは、企業化が進み分業制が当たり前になっております。
給料とりで働く大工棟梁に、ケヤキや檜の木目を揃える技を期待出来なかったのでしょう。
木の目を吟味し、カンナの掛ける方向や、付き合わせる向きを思慮している間に一日があっと言う間に過ぎ去って行き、手間請けや日給では到底、限界がでるのでしょう。
木の目を見れる棟梁も少なくなり、また本物を求める人、そしてその本物を造れる人を見分ける人も少なくなりました。

日本の家屋は古来から大工棟梁の匠の技で育まれて参りましたが、建主の桐原さんの選択は、極めて日本的な感性によるものと思われます。菩提院の紀律が江戸時代初期だと言いますから400年以上も、脈々と寺院文化と日本人の心を受け継いで来たのでしょう。

このような建物に入ってみますと日本人で本当に良かったと心から思うものです。
そしてまた、桐原さんのような日本の家づくりの造り、またその手法も含む、文化伝統を大切にしようとする建主さんが実在する事に、とても喜びを感じたのでした。

今日は常磐線を乗り継いで原ノ町まで来ましたが、明日、訪問する小高町の山田建業さんも棟梁経営者さんです。
明日は相馬市、仙台経由で羽田空港に戻り、夕方のフライトで帰社する予定です。
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