入母屋土蔵造りのこの建物は中越銀行本店として明治42(1909)年に完成したもの。 昭和18(1943)年に一県一行の国策により十二銀行などと合併して北陸銀行となり、同行の出町支店(後に砺波支店)となっていましたが、出町地区の区画整理事業によって解体の危機に直面し、昭和53(1978)年に現在地に移築保存される事になりました。
現在は外壁に薄茶のタイルが貼られ軽さも見せていますが、建設当初は黒漆喰塗り(江戸黒)の大変重厚なもので今とはまた違った様相をしていたそうです。 ところが外観のイメージから内部に入ってみれば印象はもっと違うものになり、吹き抜けを持った洋風な空間が広がっているのにはただ驚かされます。 2階の回廊部分には上がれませんでしたが、欅(ケヤキ)のカウンターや優美な曲線を描く螺旋階段、天井に貼られた金唐革紙や玄関入り口部分の漆喰細工など見所は十二分。 高岡商工会議所(旧伏木銀行)や町民文化館(旧金沢貯蓄銀行)もそうでしたが、外観だけで建物見学の取捨を決めるとこういう建物は見逃してしまいます。 富山県砺波市花園町1-32 チューリップ公園内 08年06月上旬他
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