函館市文学館

2012-08-06 21:15:36 | 北海道主要部 (札幌・小樽・函館)


 函館の電車通りに建つこの文学館は、大正10(1921)年完成の旧第一銀行函館支店を補強改修・転用した施設。 設計の西村好時(1886~1961)は後に『銀行建築』という本も著す(昭和8年・1933)ことになる銀行建築のスペシャリストだった人物になります。 彼は東京帝国大学を卒業後に曾禰中條建築事務所を経て清水組(現・清水建設)に入社、この建物は第一銀行建築課長に移籍・就任した直後に手掛けたものになるようです。  北海道函館市末広町22-5  12年07月下旬



 

 玄関ポーチは当初、2間(約3.6メートル)前方に突出していましたが、大火後の歩道拡張に伴って昭和9(1934)年頃に現在の形に改められたもの。


 構造は鉄筋コンクリートの骨組みに壁が煉瓦積みの混構造。 西村が函館支店の2年前に手掛けた第一銀行の熊本支店と全く同じ構造になります。


 共同設計者の八木憲一は清水組の技師で、新宿伊勢丹百貨店(昭和8年)などの設計にも携わっています。


 復刻された箱館ハイカラ號が建物前を横切る。 旅愁をかきたてる光景が函館の日常風景。


 こちらが大正8(1919)年築の旧第一銀行熊本支店。 白い花崗岩と茶色の化粧煉瓦の配色は函館支店と共通するものです。 


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