栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

Smartプロジェクト(その27)(Suzuki_Taketo)

2019年01月15日 | 鈴木(武)・関口・高野

 Smartプロジェクト(その27)

PLDTプロジェクトの意味とNTTとのシナジー

 国際通信事業には海底ケーブルが必須です。NTTは国際通信事業の当初は第2種事業者としてケーブルを持たずに、レンタルした形で開始しました。結果レンタル費用が高価で採算の取れる状況にはなりませんでした。自前でケーブルを持つ必要がありましたが、その建設には長い時間を要します。別の手段としてケーブル容量を持った会社、具体的にはIDCを買収する手がありました。

 しかしながら、IDCのネットワークの広がりが不十分であることや、K&Wによるオファーが当初計画していた額よりも高額であった事から断念せざるを得なかったと理解しています。そこで長い歴史とプレゼンスを持つPLDTに出資する案が代替として浮上しました。

 多くの海底ケーブルプロジェクトは出資者間の合意として14%以上の株を持つ会社はアライアンスとして認め、その所有する容量を出資時の原価で転売できるという合意があります。従って、NTTがPLDTの株を14%以上持つ事によりアライアンスの関係と認められ、PLDTを通じて国際通信事業に必要な海底線容量を原価で取得する事が出来ます。したがって、Smartに持っていた株をPLDTに売却し、14%以上になるようにこれに上乗せしたのです。

 また現状の意義、シナジーですが、PLDT側も法人営業事業を立ち上げた事から、アジア進出を図る多くの企業にNTTComのArcStarサービスの差別化の上で有利に働きました。アジアの多くの国では回線品質上の問題があり、フィリピンも島国で台風や火山、地震がある事から同様ではあるものの、顧客からすれば現地の統制が効くことが大きなメリットであり、またPLDTの職員も最優先で取り組む事から、現地工場の責任者から種々感謝を頂く様になっています。

 通信事情の改善、時差の少なく近い立地、また英語が通じる等の事から、大小企業の規模に拘わらず、フィリピンに進出を決めた企業が多いのです。

 携帯通信事業もNTTComからDocomoが半分購入後に増資を得た後、一時i-Modeを導入してみたものの、使用できる端末機がNEC1社のものに限られたり、またスマートフォンの普及により、結果的にローミングアライアンスによるシナジーに限られているようですが、増資も経て、NYに上場する同国唯一の優良企業として毎年高額(百億円内外)の配当をNTTグループにもたらしています。

 尚、2016年のPLDTのMarket Cap.は $10B. 程でNTTの10%程度となっています。

  (その28へ続く)

 

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