栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

きよちゃんのエッセイ (105) ”おほしさま”(Okubo_Kiyokuni)

2019年05月21日 | 大久保(清)

 おほしさま

  子供の番組だろうか、幼稚園の園児に語りかけるように星の先生が喋っている。

ー冬はお星さまがきれいだねー、先生も毎晩楽しみ眺めているんだ、でもね、きのう見ていたお星さまが今日はいなくなっているかもしれないんだよー

 精神年齢がほとんど園児に近くなった爺さんは思わず耳をそばだて始めた。

 ―冬の星座は六つあるの、その中で一等星という明るい星は七つあるの。どうしてだろう、オリオン座には一等星が二つもあるんだよ、青白いリゲル、赤いベテルギウス。この赤い星はとてもお年寄りで、もう死んでいるかもしれないの、今僕たちが見ているのは、500年前の光りなんだよ、お星さまから地球にとどくのに500年もかかるんだ。

 あの星まで00億光年とか、xx億光年とか、こちらの脳ミソのタイムスケールが役立たない世界ばかりで、いつも頭の外にうっちゃったままに聞き流していたが、500年という年数は、学校で習った歴史の時間枠に納まる感じに思えてきた。お亡くなりになったのは戦国時代だろうか。あの本能寺が燃えていたころに爆発したベテルギウスの輝きが、今、我が家の庭に降りそそいでいるのかと考え始めると、脳ミソがなんだか感動し揺れ始めた。

頭が少しずつ動き出したが、それでは、今朝は、いつ頃の太陽の光りで目が覚めたのだろうかと、少し心配になってきた。調べてみると、たった八分で地球にとどくらしい。これは人の時間感覚の誤差範囲内である。地球で見る太陽の光はそのままのリアルな光りなのだ。月の光は一秒でとどくらしい。

億光年は夢の世界、ベテルギウスは歴史の世界、太陽と月はリアルの世界。

星の先生がまだ話している。

星座の名前は、誰がつけたか知っているかい、これはねー、夜に寝ずの番をしていた羊飼いさんたちが、夜空とお話しをしたくって彼らの知っている名前をつけたらしいよ。動物の名前が多いよね。ギリシャ神話にも関係があるみたい。冬の星座の、おうし座、オリオン座、オオ犬座、御者座、おとめ座、ふたご座、ウサギ座、みんなそうだねー

この頃は、足元もおぼつかなくなり、転ばないように下ばかり気にして歩くようになったためだろうか、夜空を仰ぐ機会がめっきり少なくなった。思い起こせば、夜空を見上げれば、いつも満天の星が輝いていた。夜は本当に暗かった。それに比べ、この頃は夜の闇は消え失せ、高みにあった夜空がどんどん降りてくるにつれて、お星さまはますます霞んでゆく。

 

だが、ラジオから流れる星の先生の語りがとても夢があり、星の世界が身近な存在に感じられるようになってきた。こちらの星座は、確か、おとめ座だったはずだ。この歳になると科学の世界もよいが、何故か神話の世界にもどりたくなる。

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イレブン会(2019/5/11)の様子

2019年05月13日 | ◆行事報告

  イレブン会(2019/5/11)の様子

(1)日時:令和元年5月11日(土) 17:00~20:00

(2)場所:横浜ベイシェラトンホテル7F プライベートファンクションルーム

(3)出席者:26人   

 相澤・荒木・梅村・榎本・太田・大久保(武)・奥山・川原・小島(四)・重山・   鈴木(武)・銭高・田中(石)・鳥居・中山・長谷川(和)・花川・藤高・牧野・松井・松信・水野・宮田・山口(隆)・山口(力)・米沢

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◎今回から会場が変わりました。完全な個室で和気藹々、それぞれが話に夢中で

 盛りがりあっという間に3時間が過ぎてしまいました。

◎会場の評判が良かったので次回のイレブン会もこの場所での開催が確定しました。

◎次回のイレブン会は、次の通りです

(1)日付:8月11日(日)  

(2)場所:横浜ベイシェラトンホテル7F プライベートファンクションルーム

(3)時間等の詳細は幹事から後日案内が有ると思います。

  大勢の出席をお待ちしています。

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 イレブン会の様子  (集合写真を撮るのを忘れました。)

 

 


 

 

 

 

 

  

   

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きよちゃんのエッセイ (104)”オデッサのマリア様”(Okubo_Kiyokuni)

2019年05月05日 | 大久保(清)

 オデッサのマリア様

 黒海の港湾をトルコ、グルジアと反時計回りに調査してきたが、世界地図を眺めると、次はウクライナである。まだ見ぬウクライナの港を求めて雪の残るキエフ空港に降り立つと、ロシア語の通訳と共に港湾庁を訪問した。すると、驚いたことに、グルジアの港で仕事をしていた時に顔を合わせていた男がいた。当時はあまり気に留めていなかったのだが、イリチェフスク港の副所長と紹介される。黒海での港湾仲間の対応は思いのほかに早く、ウクライナの主要港湾であるオデッサ、イリチェフスクの問題点、整備への基本的な考え方を聞き取り、将来のウクライナの港湾整備に向けたプロジェクトの輪郭が見えてきた。

 当初の目的を無事終了したが、このまま何所も見ずに、オデッサを去るのも味気ないなあ、と残された夕食までの時間、出不精の男だが、少しばかり観光気分を味わうべく風格のあるロンドン・スカヤ・ホテルを抜け出した。ときおり小雨のまじる重く冷たい海からの風が頬に吹き付けるなか、マフラーで首もとをしっかりと包みこみ遊歩道を進んでいるうちに、水際より背後の丘に向かって見上げるように続いているとても幅の広い石の階段が見えてくる。これはどこかで見たことのある階段だー、と、脳みその底に残っているはずの世界史の教科書をめくっているうちに、突然―オデッサ、戦艦ポーチョキンー、と反応してきた。(後で調べて見ると正解はポチョムキンなのだが、かなり近い)

 どんよりとした曇り空の下にそびえる巨大な石階段を見上げていると、吹き上げてくる海風の中にあのロシア革命の血の匂いが漂ってきたような不思議な気配を感じ始めた。余りにも場違いな、東洋の若造がここで何をしようとしているのだろうか、と考え始めると、いまだ体験したことのない歴史の重みのようなものが背中にのしかかってきた。

その異様な空気からのがれるべく階段の途中から、わき道に降り旧市街地に足を踏み込んでいくと、古びたレンガ造りの低層アパートに囲まれた小さな公園の前に出てきた。落ち葉に覆われた石畳の広場には敬虔な雰囲気が漂い、その中央には等身大の白いマリア像が立っていた。だが、近づいてみると、少し気になるものを発見する。どうしたわけか、マリア様がけがしているらしい。腕を肩から包帯で吊っているようにも見えた。

  日本にもどり、ウクライナの歴史を復習しているうちに、包帯のマリア像は、もしかしたら、クリミア戦争で有名になった、あの白衣の天使、ナイチンゲールかもしれないな、と思い始めた。予習する時間もないままに仕事の合間の観光では傍で教えてくれる人もなく、自宅に帰り新しい発見をさせてもらう。アルバムを広げ当時の天候などを思いだしつつ、いつものように細切れになっていた旅の思い出を新鮮な気持ちで紡いでゆく。

 

 

 

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春爛漫 (平成→令和)

2019年05月02日 | ◆お知らせ・行事案内

 春爛漫 (平成 → 令和)

 <皇居>

 

  

<日比谷公園>

<横浜・南区>

<葉山>

<横須賀しょうぶ苑>

<横浜 里山ガーデン>

<横浜・港の見える丘公園>

 

 


 

 

 

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