栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

【訃報】 野崎 昂君

2018年02月28日 | ◆お知らせ・行事案内

栄光学園11期の皆さま

同窓会事務局より
野崎 昂君の訃報の連絡がありました。
転送致します。
これで28人の仲間を失いました。
何で28人もの仲間が
こんなに早く亡くなってしまうのでしょうか?
ご冥福をお祈り致します。

     (奥山)

-----------------------
>
> 11期委員の皆様
>
> いつも大変お世話になっております。
>
> 11期 野崎 昴様が
> 2月1日に逝去されたとのことです。
>
> 通夜、告別式は家族で執り行われたそうです。
>
> 3期お兄様からご連絡を頂きましたのでお知らせ致します。
>
> 慎んでご冥福をお祈り致します。
>
> 同窓会事務局 吉田

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きよちゃんのエッセイ (89)”はじめてのニューヨーク”(Okubo_Kiyokuni)

2018年02月26日 | 大久保(清)

 はじめてのニューヨーク

 鍵穴に鍵を差しこもうとしていると、けたたましく鳴り響く電話のベルがドアの向こうから聞こえてきた。受話器を取り上げるや、甲高い上擦った男の声が耳に飛び込んでくる。

『おー、君か、トランクの中身を確かめてごらん。わしのはやられたよ!』ニューヨークに到着し時差調整を兼ねて、街の散歩から帰ってきたばかりである。すこし前に東京本社から羽田空港までタクシーで飛ばしてきた車窓の風景がまだ頭の隅に残り、意識はまだ東京の空の下。ここはニューヨークなのだと気持を整理しようと試みるのだが、思考回路に霧がかかったままの状態がつづいていた。

 こちらもダメだろう、と半ば観念しつつ、ベッドの上に置いたままのトランクのジッパーを開ける。替え下着の中に隠しておいた封筒はそのまま鎮座しており、いじった気配はない。 封筒の中のトラベラーチェックと少しのドル紙幣を確かめるが、無事である。

一安心するが、何故か妙な気持ちになってきた。部長のトランクは旅なれたビジネスマンが持つ最新鋭のサムソナイト、こちらは、家内が近くのディスカウントショップで買ってきた布地の安物のトランク、それも鍵はかかっていないのではなく、始めから鍵がついていない。

『おい、廊下で掃除の婆さんがわしらの金が盗まれた話をしているぞ、それも、盗まれた金額を喋っている、どうなっているんだ、内部の仕業だなー、間違いないよ!』

部屋に入ってくるなり息巻いているが、旅なれた部長はもう内心では観念しているようだ。はじめての海外出張者の前でどのような顔をしていいのか、少し他人事のように振舞っている。

この出張は始めから、ついていないと言うか、なんだか少しおかしい。ニューヨーク空港につき、ホテルの名前と住所を見せたが、タクシーの運転手は頭に手をおいて考え込んでしまった。

『旦那の言うバービゾンプラザって言うのは知ってやすが、住所は俺の知っているところと違うねー、どうしやす、ともかく住所のところにあるホテルに行って見ますか?』

こちらは、どっちも分からないので、取りあえず、『書いてある住所に行って』と返事するしかない。

マンハッタンに入り、その住所のところまで来ると、運転手はクスクス笑い出した。

『旦那さん、これ女性専用のホテルでっせー。名前はバービゾンホテル。どうしやすか? オカマでないと無理でっせー』と胸を膨らますまねをして、また、ゲラゲラ笑い出した。

しょうがないが、とり合えず車を降り、階段を上がり受付でホテルクーポンを見せる、

『よく間違えるのよ、あなたのホテルはセントラルパーク・ウエスト、そこに “バービゾンプラザ”はあるわよ!セントラルパーク・ウエストよ』とチャーミングな受付嬢が念を押してくれる。運転手にそのまま伝える。

『わかりやした』と指を鳴らし、勢いよく車を発進させた。やっとのことで到着したのが、盗難にあったホテルなのだ。

 

訪問する会社はレキシントン・アベニューにあった。ホテルより歩いていける距離である。と言うよりか、わざわざ会社に近い場所にホテルを取ったのだ、そうであれば・・・、会社の秘書がホテルの名前を間違えたのだろうかと、少しずつ頭がまわり始めてきた。ホテルで貰った地図を片手に出勤タイムの大男、大女の顔を見上げつつ、周りにそびえたつ摩天楼の頂上を確認しようと懸命に顎を突き出すようにして、目を吊り上げながら、足元のおぼつかない歩行を続けているうちに、なんとか目的の建物に辿り着く。

 

 それから3日間、みっちりと鉄鉱石積み出しターミナルの説明を受ける。社長がソロスさんという名のイタリア系のためか、社員の国籍も多種多様。昼休みになり、上級社員食堂に案内され、ランチをご馳走になったが、わかりやすく言えば少しゴージャスなハンバーガーである。食事が終わったところで、今晩、タイムスクエアーのミュージカルでも、と提案されるが、アメリカが初めて、勿論、マンハッタンも始めて、それにミュージカルなんかちんぷんかんぷん。その雰囲気を察したのだろうか、役者の動きだけで少しは筋が追えるはずとの判断でドタバタ喜劇の上等な席を2枚ホテルに届けてくれた。役者の動きを追っているのだが、話の筋が分からない、皆が笑うところで、笑う人の顔を見ながら笑うのにも疲れ果て、二幕目が終わるや、近くのバールに移動して冷たいワインで人心地。

 

 古いアルバムをめくりながら、摩天楼の前でポーズをとる初々しい青年の笑顔を眺めていたら、マンハッタンで繰り広げられた珍道中の場面が脳裏によみがえり、こんな時もあったよなー、と脳みそがにわかにざわつき始め不思議な気分になってきた。久しぶりに興奮し始めた頭を鎮めるべく、台所の冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出すや、そっと、のどに流し込み、ガスレンジにかかる鍋の蓋を開けてみる。今晩のおかずを確認し終わると、なぜか気持ちも落ちついて、いつもの心地よいマンネリズムの世界に戻ってゆく。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栄光イレブン会(2018/2/11)の写真

2018年02月16日 | ◆行事報告

 栄光イレブン会ご報告

 (1)日時:2018年2月11日(日) 12:00 ~ 14:00

 (2)場所:横浜駅西口:なか一

 (3)出席者:22名

 相澤・太田・奥山・加山・川原・黒川・小島(四)・佐野・重山・銭高・多木・田中(石)・田中(泉)・鳥居・中里・中山・花川・藤高・水野・宮田・山口(隆)・山口(力)

 2018年2月11日(日)・横浜西口「なか一」でのイレブン会の様子をお知らせいたします。今回は、過去のイレブン会とは異なり、開始時間が12時、初めての昼間の開催でしたが22人もの人が集まりました。幹事の山口(隆)君から「イレブン会の名前の通り3ケ月ごとの11日にこの場所(なか一)に集まり、みんなで話し合う会にする。次回は5月11日(金)13:00」との話がありました。

 その後、全員の挨拶と飲み会、初めて加山君が出席、加山節は健在でした。あっというまに予定の2時間が過ぎて、何組かに分かれてそれぞれ2次会になりました。

集合写真を、撮り忘れてしまいました。お許しください。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きよちゃんのエッセイ (88)”マサイの戦士”(Okubo_Kiyokuni)

2018年02月07日 | 大久保(清)

 マサイの戦士

障子の間から差し込む、冬の弱い陽射しが、床の間に並んだ二体の木彫の像を照らしている。昔、東アフリカで仕事をしていたころに購入した黒檀の彫刻だ。

 所長に案内され、ナイロビの表通りにある薄暗い美術品店に足を踏み入れると壁際に何体もの黒檀の彫刻が並んでいた。すぐに目に飛び込んできたのは黒光りする凛々しいマサイの戦士。静かな誇りのある風貌の青年が右肩から布をはおり、長い槍を小脇に持ち、大地を踏みしめるように立っている。束ねた髪を後ろで巻き上げ、サバンナの緩い風を顔に受けるように涼やかな眼差しで前方をにらんでいる。

陳列台より下ろしてもらうと、股下ほどの高さがあり、両手で抱えなかければ持ち上げられないほどの重さだ。もう、ケニヤに来ることもないだろうと、重さの感覚が欲に押し切られた。所長の口添えもあり思いのほかに安く、一番大きな像を手に入れてしまった。ここで後先を考えずに、また、欲の虫が動き出す。一体だけでは寂しいなー、カップルがいいな、と思いつくや、横に並んだ革の水袋を手にもつ、幾重もの首飾りをつけた女性と思しき像も合わせて購入した。

 金を払う段になると、梱包の仕方が気にかかる店の主人は心配そうに問うてきた、『お客さま、日本までそのまま持ってお帰りでしょうか』家に早く持って帰りたい一心で、新聞紙に包み、つり下げて持ちやすいようにと縛ってくれたが、そのヒモが指に食い込む。これからの道中を考えて、更に、太いひもで両肩にタスキ掛けに背負い、右手にアタッシュケース、左手に大型のボストンバッグを提げ、まるで難民の国外退去のスタイルでエアーフランスのカウンターの前に立った。

木彫りも機内持ち込みでと、所望するが『お客様、この彫刻は持ち込みできませんので、十分注意しながら貨物室扱いにします』と、あっさり手元から引き離されてしまった。

ナイロビーパリー東京のエアーフランス乗継便ゆえ、美術を大切にする国柄を信じ、成田での再会を楽しみに、ボルドーワインを飲みながらのフライトを終え、ターンテーブルの前で睨んでいるが、マサイの戦士はいっこうに姿を見せる気配はない。

 やはり、むきだしの梱包では無理だったのか、ロストしたのか、とマイナス思考に陥り始めたが、エアーフランスの東京支店より夕食を終えたころに電話がかかった。

『お客様の彫刻はドゴール空港にありますので、明日、自宅まで配送させます』

何重にも頑丈に梱包され高級美術品扱いで届けられた木彫りを取り出し、秤にのせると二体で15キロを超えた。

なぜ、これほどこの彫刻に惹かれたのだろうか、小学生の時に愛読した『少年ケニヤ』の世界が目の前に蘇り、酋長に再会したワタル少年の気持ちになってしまったのだろうか。記憶の底に刷り込まれていたマサイ族へのなつかしさが、彫刻の重さを忘れさせたのかもしれない。なんだか、そんな気もしてきた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする