栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

きよちゃんのエッセイ (109) ”二日酔いのワイン"(Okubo_Kiyokuni)

2019年09月08日 | 大久保(清)

 二日酔いのワイン

メキシコ料理を堪能した仲間達はかなり出来上がった状態でホテルに帰ってきた。

―なんだか、少し飲みたりないよなー、もうワインもたっぷり飲んだし、そうだ、グラッパがいいよーと誰かが言った。

こちらは、始めて聞く名前である。所長は指を鳴らし、ウェイターを呼んだ。

チョッと細めのワイングラスに濃い目のワイン色が運ばれてきた。

―これは酒盛りの最後の酒だよ、みんなで一気飲みして寝ようー

何か苦いワインの腐ったような口あたり、少しも美味しくないが無理して飲み干した。これがベッドで横になってから効いてきた。二日酔いを予感させる、あのなんと言えない気持ちの悪さが始まった。

  次の朝、二日酔いが治まらずに、メキシコ石油公団との一回目の打ち合わせ。会議室に着くなり、冷たいミネラルウォーターとブラックコーヒーを所望する。幸いにプレゼンの順番が4番目なので間に合った。コーヒーを3倍飲んだところで、むかつきが少しずつ弱まっていく。でも、あの酒は何なのか、ワインであんなに苦しくなることはないはずなのに、と考え始めたが、あとで、アルコール度数を確かめて納得する。こちらの手に負える度数ではない。

 グラッパとは、ぶどうの搾りかすを発酵させたアルコールを蒸留させて作る。通常は無色透明らしいが、ここで飲んだのは赤ワイン色の濁った感じである。これは、樽熟成の貴重品らしい。うまいものではないが、それはそれなりの歴史の味なのだろう。

因みに、アルコール度数は30―60度とのことで、おそらく、メキシコで飲んだグラッパは、上限に近かったのではないだろうか。水も飲んで一気にグラスをあけたと思うが、余り覚えていない。

この強いワインは要注意である。特に、翌日の会議が迫っている状況では、こちらのような酒に弱い男がうっかり飲んでしまうとトンでもない、しっぺ返しを食らう。

 メキシコの仕事も終わり、パナマに飛んだ。現在のパナマ運河の航行容量、つまり、運河を通過する船の数と船の大きさが限界に近づいてきているため、第二パナマ運河計画が動き出していた。

会議の前の晩に、また同じような雰囲気になってきた。ホテルに帰り、皆部屋には戻らず、なんとなく、バーに行く雰囲気となってきた。ここでも、最後の締めはグラッパである。このときもつられて一杯やったばかりに、翌朝、パナマ運河事務所に行く途中、案の定、胸はむかつき、冷や汗ばかり、お冷を飲みのみのプレゼントなった。このグラッパの思いでは二日酔いだけだ。今後は飲むまいと思っているが、どうなることか。

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【訃報】中村智三君

2019年09月04日 | ◆お知らせ・行事案内

栄光学園11期の皆様

【中村智三君の訃報通知】が 牧野君から送られてきました。

皆様に転送いたします。 ご冥福をお祈りいたします。

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> > 栄光同窓会11期幹事(元幹事)の皆様

>> > 訃報です。横浜みなと日赤病院で闘病を続けられていた

中村智三君が8月29日の晩亡くなられ、昨日藤沢カトリック教会でご葬儀・告別式を済ませました。

奥様のご希望 でごく身内の方だけでの式となりましたため、

皆様への連絡が遅れたことをお詫びし ます。

小生は教会で奥様を存じ上げていたため、葬儀には列席しました。

お墓は藤沢 カトリック教会の「合葬の園」205号(聖園修道院の敷地内にあります)です。

あら ためてご冥福をお祈りします。

     (牧野)

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