栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

11/6(日)栄光OBフォーラム@TOKYOを開催します!

2016年09月28日 | 栄光学園同窓会

栄光学園同総会事務局から

2016年11月6日(日)11:00から、東京お茶の水のホテル東京ガーデンパレスにて、栄光OBフォーラム@TOKYO2016を開催します。

只今参加申込を絶賛受付中。

会費は一般会員8,000円、学生3,000円。

第一部のフォーラムでは若手起業家の活躍をご紹介します。

第二部の懇親会では、世代を超えた交流の場を提供致します。

只今参加申込を絶賛受付中。

詳細及び申込方法は、栄光学園同総会ホームページをご覧ください。

 

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きよちゃんのエッセイ (63)”ミヤンマーの港を求めて”(Okubo_Kiyokuni)

2016年09月26日 | 大久保(清)

 ミャンマーの港を求めて

 真っ青なアンダマン海の上空を、頭上から強い日差しを浴びながら、白い雲の合間をぬうように飛んでいる。なんだか、一式陸上攻撃機に搭乗していた山本司令長官のような気分になってきた。太平洋戦争の生き残りかと思わせる、単発の5人乗りのミャンマー空軍の軍用機。

 最初の搭乗では少しばかり腰が引け、

=日本人を乗せた空軍機、アンダマン海上空で消息を絶つ=との新聞記事の見出しも頭をかすめたが、覚悟を決めて今日も飛んでいる。

 バブル経済の時期、タイ財閥の依頼でシャム湾に操業している製鋼所からマレー半島を横断する輸送道路を確保し、アンダマン海側に大型船用の港を作る壮大なプランに参加していた。その港の適地選定が今回の機上調査の狙いである。当初、ヘリコプターでタイ側から国境を越え、ミャンマー領内に抜ける計画を立てていたのだが、国境付近に住むカレン族上空の安全が両国空軍から保証されず、やむなく超旧式の軍用機のお出ましとなった次第である。

 我々エンジニア達と同乗した若社長はアメリカの名門大学を卒業し、財閥の将来を託され入り婿したが、同族会社での立場もなかなか厳しいらしい。バンコックを離れ、久しぶりに羽を伸ばし、嫁姑の目を気にせずに、昨晩はアメフトの衛生放送の徹夜観戦だろうか、少しばかり目が赤い。

 アンダマン海の沿岸に深海港を求める手順は、まるで、日本海軍の偵察部隊が艦隊を碇泊させる水域を上空から探しだす作業に似ていた。港湾適地は、十分な水深があること、岬などの自然防波堤があること、背後の陸地が平坦で山が迫らずに道路の取り付けが容易なこと。おおよその目標地点は、手元の海図から目安をつけているが、海図には記載されていない海岸地形が、次々に視界に入ってくる。

ヘリと違い旋回性能が悪く、低空飛行には難がある上に、あまりきつい飛行を依頼すると失速もあるかと、高度を上げて、パイロットの顔を窺いながら手の動きでコースを指示していた。

 空軍機は、順調に飛行を続けていたが、雲行きが怪しくなってきたころから、どういうわけか、機首を下げ、海面すれすれまで高度を落とし、そのまま、ジグソ―パズルのようなの水田地帯をなめるようして基地に帰還した。上空からの偵察飛行では、ミャンマー空軍の腕を示すこともできず、実戦飛行のデモンストレーションではなかったかと思い返すが、めったに経験できない軍事訓練のようなスリルを味あわせてもらった。

 それから、無事に提出した調査レポートの行方を見守っていたが、ミャンマーへの横断道路は政府ベースで北寄りのヤンゴンルートの計画が進み、調査ルートは夢と化してしまったようだ。バブルもはじけ、最近のニュースによれば製鋼所の業績が悪化しているらしい。あの童顔のアメフト青年は、重役の嫁さんとうまくやっているだろうかと心配になってきた。

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きよちゃんのエッセイ (62)”クライベタの散歩”(Okubo_Kiyokuni)

2016年09月13日 | 大久保(清)

クライペダの散歩 

 リトアニアの港町クライペダにいたころのアルバムを開いていると、とても懐かしい可愛い散歩人の写真を見つけた。

 それは風の冷たい日曜日だった。朝食をとると単調なホテル住まいにリズムを付けるべく、いつもの散歩に出かけた。大通りを渡り、橋の袂から運河沿いの遊歩道に繰り出していく。この寒い時期、朝から用もないのに歩く酔狂な人たちは見当たらず、人影のない路を水辺に並ぶ中層のアパート群を眺めながら足を運んでゆくと、お婆ちゃんに手をひかれた幼児の二人連れが海からの風に煽られるようによたよたと近づいてきた。この時間帯、子供連れにぶつかることは、めったになく、初めての経験だ。

 しっかりと防寒服を着込んだ一歳を過ぎたかどうかのたぶん女の子。とても愛らしい姿に感激し、一枚写真を撮らせてもらった。その時の写真を眺めなおしていると、まざまざと、あの時に交わしたお嬢ちゃんとの無言の会話が蘇ってきた。

こちらの頭から足の先まで眺め終わるや、お嬢ちゃんはジーっとこちらの顏を見すえたまま、何か、変わった動物でも見るかのように、つぶらな青い瞳で考え深げに問うてきた。

あんた、誰なの 宇宙人?人間の顔をしているけど、頭は大きくて、足が短いわーと言わんばかりにそっくり返って、にこりともしない。彫りの深い顔に見慣れ、平坦な容貌に本能的に違和感を覚え緊張したのかもしれない。

横に付き添うお婆ちゃんがたまりかねて、ホラ、おはよう、でしょう、と促すように無理してポーズの姿勢を造るが、写真をよく見ると、孫娘の手をゆすり催促するように、こちらに挨拶するお婆さんもまだ決心しかねるような雰囲気で、中途半端に目線が泳いでいる。おそらく、彼女もめったに見たことのない寸胴の東洋人が目の前に立ちふさがり少し面喰ったはずだ。レンズを向けられた事態は初めてかもしれない。

不思議と、街で東洋人に会ったことはなく、通りで行き交う人たちは二メートル近くの大男に大女、どちらも8頭身以上。こちらも精一杯、背伸びして歩いていたのだが、隠れていた劣等感を子供の純真な表情の中に、映しだしてしまったのかもしれない。

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