栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

きよちゃんのエッセイ (135) ”縦書き 横書き”(Okubo_Kiyokuni)

2021年06月11日 | 大久保(清)

 縦書き 横書き

文章の書き方が気になり始めたのは、こんな会話からだった。

ーあなたのエッセイは縦書きで、ちょっと読みづらいなーこれは、若い人ばかりでなく、かなりお歳の方からも言われたことがあった。

エッセイに限らず、小説も当然、縦書きが主流で、こちらも縦書きでなければ文章が書けない。頭から、横書きを考えていなかったのだが・・スマホは横書きの入力、ブログも横書き、今は、確かに横書きが主流のようだ。

小学校で日本語を覚えたころは、黒板に先生は縦書きで文章を書き、作文の宿題は原稿用紙に縦書きで提出した、と覚えている。だが、中学校、高等学校の授業では、横書きでノートを取っていたような気もする。日記など個人的事情を記録するときは縦書きがふさわしい気もするが、メモや、記録を取るときは横書きがよさそうだ。図形や図式と連動して文脈を進める際の論理的な文体はやはり横書が適しているかもしれない。横書きは目に直覚的に入ってくるメリットもある。思考プロセスを左右する脳の対応では、縦書き、横書きで何か違いがあるのではないかと、素人の頭で考えているが、いかがなものか、いつか専門家に聞いてみたい。

英語の縦書きは見たことがない。これはタイプライターの構造上の問題もあるが、文字の特性にも起因するように思う。アルファベットのペン先は最後に横に流れる。一方、ひらがなの筆先は、下に向かって終わる傾向がある。つまり、英語は横書き、日本語は縦書きの方がスムーズに手が運ばれるのだ。日本語は不思議なことに、縦でも横でも、どちらでも読むことができる、だが、昔は右から左に横書きしていたのが、いつの間にか、左から右に書くようになった国でもある、日本人はかなり融通性のある、フレキシブルな人種かもしれない。英単語をカタガナに変容させ、日本語として使いこなしているのも見事なものである。英単語をそのまま、日本文に挟み込む器用さもある。

眼球の構造からはどちらが疲労感を伴わないのであろうか、横書きは視野が大きくとれ、読むスピードは上がり、目の動きとして無理が少ないらしい。目が固定する時間が長い縦書きは、じっくり読む文章に向くかもしれない。日本語の美しさを味わう俳句や短歌などは、一文字に重きを置くゆえ縦書きが適しているはずだ。

 

日本に文字を教えてくれた中国、韓国、朝鮮の新聞は横書きが主流になり、面白いことに、文字を習った日本のみが縦書きを維持しているようだ。これからは英語教育がますます盛んになり、横書きが幅を利かせることになるだろうが、縦書き、横書きの流れはどのように変わるのだろうか。それは日本文化の行く末に大きな影響を及ぼす気もする。

コメント
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