ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ

2020-09-28 23:56:17 | ら行

どんな才人にも、持てないものがあるのか。

 

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「リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ」69点★★★★

 

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名作なドキュメンタリー

「オアシス:スーパーソニック」(16年)のその後を

弟のリアム・ギャラガー側から描いた作品。

 

兄ノエルとの決裂後、

自らバンドを結成し、音楽を続けようともがくさま、

私生活でのトラブル、挫折などを正直に告白しています。

 

トラブルメーカーであっても

いまも天賦の声とグルーヴに変わりなく

さすがだなあ、と思うけど

 

でも、やっぱり四苦八苦しているんですよね。

 

「オアシス」というバンドの

あの瞬間、あのスパークは時代との奇跡的な出会いだったのかもしれないし

リアムという人の才能が、一般を軽く超越しているのは当然。

 

が、それでも

どんな「持てる者」にも「持っていないものがある」のだと、

どんな才人も、一人ではやはりダメなのだと

 

そのことがよくわかって

ちょっと残酷でもある。

 

だからこそ、それを直視し、なおかつ前へ進もうとする

リアムのがんばりと胆力には敬服するし

恋人にしてマネージャーである女性と出会えて、本当に良かった!と思うのだけど

 

解散から11年。

いまだ会っていないという兄弟に

なんとかならんのか!と歯がゆい(余計なお世話だけどさー)

 

しっかりできたドキュメンタリーではあるのだけど

ただ、「オアシス:スーパーソニック」があまりに良ドキュメンタリーだったことと

そしてやはり、

片方だけの言い分を聞き

周辺取材をするのは、ちょっとフェアじゃない――という気がしてしまうんですよ。

 

ほんとにこの二人、どうにかならんのか!

 

★9/25(金)から公開。

「リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ」公式サイト

コメント
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