どんな才人にも、持てないものがあるのか。
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「リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ」69点★★★★
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名作なドキュメンタリー
「オアシス:スーパーソニック」(16年)のその後を
弟のリアム・ギャラガー側から描いた作品。
兄ノエルとの決裂後、
自らバンドを結成し、音楽を続けようともがくさま、
私生活でのトラブル、挫折などを正直に告白しています。
トラブルメーカーであっても
いまも天賦の声とグルーヴに変わりなく
さすがだなあ、と思うけど
でも、やっぱり四苦八苦しているんですよね。
「オアシス」というバンドの
あの瞬間、あのスパークは時代との奇跡的な出会いだったのかもしれないし
リアムという人の才能が、一般を軽く超越しているのは当然。
が、それでも
どんな「持てる者」にも「持っていないものがある」のだと、
どんな才人も、一人ではやはりダメなのだと
そのことがよくわかって
ちょっと残酷でもある。
だからこそ、それを直視し、なおかつ前へ進もうとする
リアムのがんばりと胆力には敬服するし
恋人にしてマネージャーである女性と出会えて、本当に良かった!と思うのだけど
解散から11年。
いまだ会っていないという兄弟に
なんとかならんのか!と歯がゆい(余計なお世話だけどさー)
しっかりできたドキュメンタリーではあるのだけど
ただ、「オアシス:スーパーソニック」があまりに良ドキュメンタリーだったことと
そしてやはり、
片方だけの言い分を聞き
周辺取材をするのは、ちょっとフェアじゃない――という気がしてしまうんですよ。
ほんとにこの二人、どうにかならんのか!
★9/25(金)から公開。