アイスランド発、ブラックな隣人トラブル・スリラー!
「隣の影」69点★★★★
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アイスランドの街に住む
アトリ(ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン)は
あることから浮気がバレて
妻(ラウラ・ヨハナ・ヨンズドッテル)に家を追い出されてしまう。
幼い娘もいるし、なんとか関係を修復したいのだが
取りつく島もない妻を前に
とりあえず郊外にある実家に居候することに。
だが、実家は実家である問題を抱えていた。
実家の庭には見事な木があるのだが
それが隣家のポーチに影を作っていると
お隣からクレームを言われていたのだ。
しかも、隣人の(若作りの)妻がそれを言ってるものだから
アトリの母は「絶対に切らない!」と譲らない。
どこにでもありそうな、隣人トラブルは
しかし
次第にエスカレートしていき――?!
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隣の家の庭木によってできた影をめぐるいさかいが、
どんどんこじれていき――?!というスリラー。
隣人トラブルといえばアルゼンチン発の名作(迷作?)
「ル・コルビュジエの家」(12年)を思い出しますが
人間関係の難しさは万国共通。
しかもアイスランドといえば
にはじまり「立ち上がる女」(19年)、
キュンとする「ハートストーン」(17年)まで
不思議おもしろ映画の多産国!と期待値が高かった。
実際、シニカルがたっぷりまぶされ
多分にブラックで、おもしろい部分もあったのですが
オチに向かうあまりの展開には、ちょっと引きました(苦笑)
もっと笑える話だったらよかったのになあ。
冒頭、お間抜けなことから
主人公アトリの浮気(っていうほどでもないところがまた気の毒)がバレるくだりとかは
ブブブと笑って見ていたのだけれど
その後、彼が奥さんとよりを戻そうとする行動は、
まったくシャレにならないし(てか、怖い)
いがみあう隣家がそれぞれに犬と猫を飼っていて
「彼らに何かあるのでは?!」――とフラグが多すぎて、心労するし
どんどんこじれていく人間関係のオチが
わお!これか!と(笑)
まあ、それはそれでおもしろくはあるんですが。
つくづく、笑いとブラックの加減って難しい。
それにやっぱり女って、怖ええ・・・・・・。
★7/27(土)からユーロスペースほか全国順次公開。