東出昌大氏を、カッコイイと思った。
「寝ても覚めても」70点★★★★
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大阪に暮らす朝子(唐田えりか)は
ある写真展を見た帰り、麦(ばく、東出昌大)という男に出会い
運命的に恋に落ちた。
付き合いはじめた二人は、順調に日々を過ごしていく。
だが、ある夏の日、
麦はフラッと出かけたまま、帰ってこなかった――。
それから2年。
麦の一件を封印し、東京に出てきた朝子は
あるとき、麦にそっくりな会社員・亮平(東出昌大)に出会ってしまう――。
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芥川賞作家・柴崎友香氏の原作を
「ハッピーアワー」の濱口竜介監督が映画化。
昔の恋人と同じ顔の人に出会ってしまったら・・・・・・?という
意外に“普遍”な恋愛譚で
しかも「劇的ドラマ!」というより
全体、かなーり低空飛行なトーンなんですよ。
そこに、意外性とともに笑ってしまいました(笑)
そして、そんな低空トーンに
関西弁が実にふくよかな彩りと
ぷっ、とする笑いをもたらしてくれているんですね。
2役を演じ分けた東出氏、なかでも麦(ばく)役は
いままで見たことのないラフなカッコよさでびっくりしましたが
加えて
主演の新人・唐田えりかさんがいい。
黒木華氏に雰囲気が似ているけど
でも実は、あまり“いない“人材で、フレッシュ。
正直、女子に嫌われそうなヒロインを
こう表現できる女優さんは貴重だと思います。
映画のテーマは究極、
「自分が飛び込むべきは愛する相手か、自分を愛してくれる相手か?」
という感じで
まあ恋愛の根本をついてくる。
なので、ヒロインの心や行動に共感できるかはわかりません。
わかりませんが
でも、この
決着といえるのか、いえないのか――ああ~!頭かきむしり!な展開は
リアルともいえる。
こうやって、どうにも収まりのつかない日々は
きっとこの先も、続いてゆくのだ――と、
なんだかフッと納得してしまうのでした。
★9/1(土)からテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国で公開。