ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ラ・チャナ

2018-07-22 14:15:58 | ら行

 

人間業とは思えない、その超絶ビート!

 

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「ラ・チャナ」69点★★★★

 

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超絶ビートを足で刻み、1985年に来日もした

現在71歳のフラメンコダンサー、ラ・チャナのドキュメンタリー。

 

本人の語りと昔の映像で、その人生を振り返っていくものですが

まず

冒頭からその踊りに圧倒されます。

 

とにかく床に打ち付ける足のビートが早い!細かい!力強い!

手拍子も、ドラムもついてこられない!ってほどで

まるでトランス状態のシャーマンというか、

何か“超えたもの”と繋がっているようにみえる。

 

さらにヒターノ(ジプシー)出身である彼女の人生が波瀾万丈で

これまた圧倒されます。

 

1946年、スペインに生まれた彼女は

幼いころからフラメンコの才能を開花させたんだけど

18歳で結婚、出産。

フラメンコダンサーとしてハリウッドに行ける!というところまでくるんだけど

封建的なヒターノ社会で夫がそれを許さず、

人気絶頂のなかで、無理矢理引退させれてしまうんです。

 

どん底になり、それでもフラメンコをあきらめなかった彼女の強さ。

 

そして、いまもその情熱は衰えず、

なんと、70歳にして舞台に立つことに――?という展開。

 

それにご本人がなんともチャーミングな女性なのだ。

愛犬を猫可愛がりし、

孫がアイスをくれないと本気でムクれたりする(笑)

 

包容力のありそうなパートナーとのおだやかな暮らしぶりもとてもよくて

神がかったような舞台での様子との対比に

より、人間の持つ力のすごさ、「神秘」を感じるのでした。

 

★7/21(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。

「ラ・チャナ」公式サイト

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