人間業とは思えない、その超絶ビート!
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「ラ・チャナ」69点★★★★
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超絶ビートを足で刻み、1985年に来日もした
現在71歳のフラメンコダンサー、ラ・チャナのドキュメンタリー。
本人の語りと昔の映像で、その人生を振り返っていくものですが
まず
冒頭からその踊りに圧倒されます。
とにかく床に打ち付ける足のビートが早い!細かい!力強い!
手拍子も、ドラムもついてこられない!ってほどで
まるでトランス状態のシャーマンというか、
何か“超えたもの”と繋がっているようにみえる。
さらにヒターノ(ジプシー)出身である彼女の人生が波瀾万丈で
これまた圧倒されます。
1946年、スペインに生まれた彼女は
幼いころからフラメンコの才能を開花させたんだけど
18歳で結婚、出産。
フラメンコダンサーとしてハリウッドに行ける!というところまでくるんだけど
封建的なヒターノ社会で夫がそれを許さず、
人気絶頂のなかで、無理矢理引退させれてしまうんです。
どん底になり、それでもフラメンコをあきらめなかった彼女の強さ。
そして、いまもその情熱は衰えず、
なんと、70歳にして舞台に立つことに――?という展開。
それにご本人がなんともチャーミングな女性なのだ。
愛犬を猫可愛がりし、
孫がアイスをくれないと本気でムクれたりする(笑)
包容力のありそうなパートナーとのおだやかな暮らしぶりもとてもよくて
神がかったような舞台での様子との対比に
より、人間の持つ力のすごさ、「神秘」を感じるのでした。
★7/21(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。