ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

虹蛇と眠る女

2016-02-26 12:58:28 | な行

なかなかのミステリーでした。


「虹蛇と眠る女」72点★★★★


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オーストラリアの砂漠地帯にある
小さな町。

キャサリン(ニコール・キッドマン)は

夫(ジョセフ・ファインズ)と
娘のリリー(マディソン・ブラウン)、
まだ幼さの残る息子トミー(ニコラス・ハミルトン)とともに
都会から、越してきた。

キャサリンの心配事は、思春期まっただ中の
娘リリーのことだ。

そんなある朝、一家に異変が起こる。

二人の子どもたちが
忽然と姿を消したのだ――!


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ニコール・キッドマン主演の
オーストラリア映画。

失踪ミステリーであり、
心理サスペンスであり、
さらにホラー、というか怪奇に通じるような
異形の作品です。


導入から不安を煽る旋律が響き、
けっこう怖い。

で、
「子どもたちの失踪」という出来事が起きるわけですが
「事件だ!」「捜査だ!」というよりも
どこか神隠し的な要素をはらんでいるというか

オーストラリアの過酷な自然、先住民の信仰など
“大きな不気味”の存在を
うまく演出し、不安を煽るんですねえ。

しかし同時に
性的に早熟な娘の危うさ、一家を取り巻く田舎町の閉塞や噂話、
さらに家庭内部に問題が――?!など
リアル世界の淀みがどよんと物語を覆っていく。

なので
リアルと神秘のどっち側の事件なのか
けっこう揺さぶられる。

なかなかよくできているのです。

ヒタヒタと静かにだけど
けっこうエロスにも満ちていて
ヒヤヒヤしながら引き込まれました。

ニコール・キッドマンのすべてをさらけ出した
体当たり演技も迫力ですよ。


★2/27(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。

「虹蛇と眠る女」公式サイト
コメント (2)
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