こんな単純なことを
誰もやってこなかったなんて・・・!目からウロコ!
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「パーソナル・ソング」71点★★★★
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認知症の患者さんにiPodで
その人にとって思い出深い曲を聴かせると
無反応だった人が嘘みたいに覚醒するという
アメリカのソーシャル・ワーカー、ダン・コーエン氏の
驚きの試みを追ったドキュメンタリー。
いやー、びっくりしますよ、これは。
こんなに単純な方法で、こんなに効果が出るなんて!
「なんで今まで誰もやらなかったの?!」って、絶対思います。
老人だけでなく
初期のアルツハイマーを患う中年女性や、鬱症状の女性にも
ハッとする変化が起こるんです。
その人の体験や記憶にジャストミートする
“パーソナル・ソング”であることが条件で
「音楽が刻みこまれた脳の部分は
認知症のダメージを受けにくい」という解説に
なるほどねえ、思いますが
この映画は検証っぽい作りではなく
ひたすらに
「こういう事実が起こった」ことを写している。
ワシはこの手のネタには
医学的根拠や解明を求めてしまうクチですが
これに関しては
例えば映画のなかで流れる音楽に、
自分自身も自然に反応してることが何よりの実証?って感じで
なんか納得できた。
加えて
「老いや老人を忌み嫌い、見ないようにする、社会ではいかん!」という
より深いメッセージも大事に伝わってきたし。
自分の“パーソナル・ソング”は何なのか?
iPodのリストを見られるのは恥ずかしいしなあと思いつつ
考えちゃいました(笑)
この試みを広げようとする氏ですが
薬と違って「治療」ではないので
1台4000円ほどのiPadを工面できず、悪戦苦闘する。
全米500万人といわれる認知症患者に、iPod1台。
日本でも高齢者の4人に1人、約400万人が認知症を抱えてるといいますし
全米の患者にくらい
アップル社が支援すればいいのに!
どれだけの宣伝効果にもなることか・・・!と強く思いました(笑)
いや、でも購買層を上回っちゃうのか?
いずれにせよ、他人事じゃない、切実話です。
★12/6(土)からシアターイメージフォーラムほか全国順次公開。
「パーソナル・ソング」公式サイト